関係法規・法令

9.美容師法(立入検査) まとめ

立入検査・環境衛生監視員

立入検査とは?

美容の業務は、公衆衛生ときわめて密接な関係をもっているため、都道府県知事、保健所設置市長等が、生活衛生行政の一環として、常に適切な指導と監督を行う。

その一つの方法として、美容師法には、立入検査の規定が設けられています。

立入検査の内容は?

都道府県知事、保健所設置市長等が必要があると認めるときに、

当該職員(=環境衛生監視員)を美容所に立ち入らせ、

  1. 美容師が適切な衛生措置を講じているかどうか
  2. 美容所の開設者が適切な衛生措置を講じているかどうか

を検査させるというもの。

都道府県知事、保健所設置市長等が立入検査を行えるのはいつ?

必要があると認めるときにはいつでも

都道府県知事、保健所設置市長等は、法の規定に違反し、規定された措置を講じなかった開設者に対してどのような罰則を科すことができる?

都道府県知事、保健所設置市長等は、規定された措置を講じなかった開設者に対して、期間を定めて美容所の閉鎖を命ずることができる(重要)

従事している美容師が法に規定する衛生措置を守らなかった場合にも、開設者に対して罰則を科すことができる?

さらに、従事している美容師が法に規定する衛生措置を守らなかった場合にも、都道府県知事、保健所設置市長等は、開設者に対し、期間を定めて美容所の閉鎖を命ずることができます。

開設者が閉鎖命令に違反したときの罰則は?

開設者がこの閉鎖命令に違反したときは、30万円以下の罰金に処せられます。

閉鎖命令が出せるとき(都道府県知事、保健所設置市長等が行う。)

  1. 美容所の衛生不備
  2. 従業員の衛生不備
  • 閉鎖命令無視→罰金30万

美容師法条文

[立入検査] 美容師法第14条第1項

都道府県知事は、必要があると認めるときは、当該職員に、美容所に立ち入り、第8条又は前条の規定による措置の実施の状況を検査させることができます。

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[閉鎖命令] 美容師法第15条

都道府県知事は、美容所の開設者が、第12条の3若しくは第で13条の規定に違反したとき、又は美容師でない者若しくは第10条第2項の規定による業務の停止処分を受けている者にその美容所において美容の業を行わせたときは、期間を定めて当該美容所の閉鎖を命ずることができます。

当該美容所において美容の業を行う美容師が第8条の規定に違反したときも、前項と同様とします。ただし、当該美容所の開設者が、美容師の当該違反行為を防止するために相当の注意及び監督を尽したときは、この限りでない。

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衛生措置のガイドライン

厚生労働省では、美容所の衛生水準の維持向上を図るため、営業者自身による自主的管理が有効かつ簡便に実施されるよう、通知によって理容所・美容所の衛生管理のガイドラインを示しています。

  • 昭和56(1981)年に理容所及び美容所における衛生管理要領が示された。
  • 昭和63(1988)年に環境衛生関係営業施設における自主管理点検表が示された。

これらの基準に強制力はないが、美容師及び開設者は、法令の定めを守りながら、ガイドラインに沿った措置を積極的に実施できるようなガイド、手引きになっています。

↓以下参照

18.衛生管理要領(理美容所における) まとめ衛生管理要領の概要 不特定多数の人に接触する理容師・美容師という職業上、理容所・美容所の衛生的環境の維持・向上は、感染症予防の観点から...
19.自主管理点検表(理美容所における) まとめ環境衛生関係営業施設における自主管理点検表の制定について 理・美容所の自主管理点検表 引...

環境衛生監視員

環境衛生監視員とは?

衛生措置を守らせるために、都道府県知事、保健所設置市長等は、必要と認めるときはいつでも、環境衛生監視員を理容所・美容所に立ち入らせ、衛生措置の実施状況を検査させることができます。

  • 環境衛生監視員は、美容所の立入検査を行うにあたっては、あらかじめ通知する義務はない。(=抜き打ち検査を行う)
  • 立入検査は、開設者や美容師が衛生上必要な措置を講じているかどうかを検査するために行う。

[環境衛生監視員] 美容師法施行規則第28条

法第14条第1項の職権を行う者を環境衛生監視員と称し、同条第2項において準用する法第4条の13第2項の規定によりその携帯する証明書は、別に定めます。

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環境衛生監視員には、相手方の承諾の有無にかかわらず、理容所・美容所に立ち入る権限が与えられている?

  • 法の規定により、環境衛生監視員には、相手方の承諾無しで美容所に立ち入る権限が与えられています。

環境衛生監視員は、美容所の立入検査を行うにあたっては、対象の美容所にあらかじめ通知が必要?

  • 必要ありません。環境衛生監視員は、通知なしで美容所の立入検査を行うことができます。

立入検査の内容は?

立入検査の内容については、以下の2項目のみ。これらの範囲外の事項を調べることは認められていない。

  1. 美容師法第8条の規定による措置(美容の業を行う場合に講ずべき措置)の実施状況
  2. 美容師法第13条の規定による措置(美容所について講ずべき措置)の実施状況

理容所と美容所の重複開設を行っている事業所の立入検査はどんな?

  • 理容所と美容所の重複開設を行っている事業所に対しては、年1回以上の立入検査を行い、衛生上の措置の内容を確認するとともに、資格の保有状況を調査するよう指導されています。

環境衛生監視員が立入検査するのは美容師のみ?

  • 環境衛生監視員は、美容所のほかに、旅館やホテル、公衆浴場などの生活衛生関係営業の施設を回って衛生上の指導監督にあたっています。
↓美容所、旅館やホテル、公衆浴場などは生活衛生関係営業に関する法規に従います。生活衛生関係法規について復習してみましょう!
1.法とは(憲法・法律・政令・省令)・衛生法規・美容師の法体系 まとめ法について 法とはなんぞや?(重要) 法とは、社会に秩序を与えるためのルール、社会規範のこと。 法は、人間の行為を規律する規範...

衛生監視員の身分証明書の提示

環境衛生監視員が立入検査をするときは、身分証明書(=環境衛生監視員証を携帯し、請求があったときは開設者等に示さなければならない

これにより、環境衛生監視員以外の者が立入検査と称して美容所に立ち入ることを防止しています。

環境衛生監視員が携帯すべき証明書の様式については、施行規則の規定を受けて「環境衛生監視員証を定める省令」によって規定されています。

[報告、検査等] 美容師法第4条の13第2項・第3項

前項の規定により立入検査を行う職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があつたときは、これを提示しなければなりません。

第1項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはなりません。

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