テェックポイント
労働基準法
・ 労働条件の原則
・ 労働時間、休憩、休日、年次有給休暇等
労働安全衛生法
・ 労働安全衛生法の目的
・ 健康管理の仕組み
・ 健康診断
雇用保険法
・ 雇用保険法の目的
・ 給付制度の概要
労働者災害補償保険法
・ 労働者災害補償保険法の目的
・ 給付制度の概要
が国家試験での【重点項目】とされています。要チェックです。
健康管理・健康診断
健康管理
経営者は、従業員の健康を守っていく責任があります。健康管理については、労働安全衛生法で定められています。
<労働安全衛生法>
- 働く人たちの安全と衛生、健康管理について定められています。
- 働く人たちの健康を維持増進させ、気持ち良く働ける環境をつくることを目的として定められています。
- 経営者の義務として、「労働者の健康管理等」を行わなければならないと定められています。
健康診断
従業員の健康管理の基本となるのが健康診断です。一般健康診断や、特定健康診断・特定保健指導などがあります。
- 今日では戦前のような貧困や低栄養に起因する健康問題が減少し、過酷な労働を禁止する法律などが整備されたこともあり、日本の健康水準は急激に上昇した。(重要)
- 逆に過食や運動不足を原因とする肥満や、さらにその延長としての生活習慣病が注目を浴びるようになってきた。(重要)
メンタルヘルスケア
労働者の精神的な保健の増進のために経営者が行う措置のこと。
- メンタルヘルス不調を未然に防止する「一次予防」
- メンタルヘルス不調を早期に発見し、適切な措置を行う「二次予防」
- メンタルヘルス不調となった労働者の職場復帰の支援等を行う「三次予防」
などがあります。
〜ストレスチェック〜
・・・ストレスチェックとは、ストレスに関する質問票に労働者が記入し、それを集計・分析することで自分のストレスがどのような状態にあるのかを調べる簡単な検査のこと
「一次予防」については、ストレスチェックが有効とされています。
ストレスチェックの実施は従業員が50人以上いる職場に対して義務づけられているが、50人未満の職場についても、できるだけ実施することが望ましい。
疲労・三大職業病
理容・美容の仕事と疲労
理容師・美容師の仕事は重労働ではないものの、長時間の立位カットなどの作業姿勢が疲労と特徴的な健康障害の原因になります。
- ある調査では、理容、美容の仕事で疲労を感じる部位の第1位は足、第2位は腰、第3位は肩であった。(重要)(×目)
疲労部位3位!足!腰!肩!
理容師・美容師の三大職業病
三大職業病
腰痛・腱鞘炎・手荒れのこと。(重要)(×膀胱炎、足のむくみ、胃痛や便秘)
- これらが理容師・美容師の三大職業病とよばれています。
三大職業病!腰痛!腱鞘炎!手荒れ!
語呂合わせ:三大職業病は、うまいことよ・け・て(腰痛!、腱鞘炎、手荒れの頭文字)
腰痛
原因は長時間の立ち仕事にともなう筋肉疲労。(重要)
- 予防には、膝と背筋をしっかりと伸ばし、軽く顎を引いて肩の力を抜いて、左右の足に均等に体重をかける正しい立ち方が勧められます。
- ぴったりの靴を履くことや骨盤ベルトも有効な予防法です。
腱鞘炎
原因は髪を切る、梳く、巻くなど、両手の指先の酷使。
- 仕事以外ではできるだけ手を休めます。サポーターの装着なども予防に役立つ。(重要)
- 肘と手首だけでカットするのではなく、肩甲骨や大腿、膝のクッションも使うと、こまめな椅子の高さ調整も負担の予防になる。(重要)
手荒れ
原因はシャンプー時のお湯の使用やドライヤーによる乾燥。
- 皮脂はお湯で洗い流されるので、保湿に必要な成分が失われることによります。
- 職場では薬剤をしっかり落とし、保湿クリームを途る予防が重要。
- 自宅での水仕事ではビニール手袋を使用し、就寝前に保湿クリームを塗って綿の手袋などをすることが勧められます。
足のむくみ
原因は長時間立ちっぱなしで仕事をするため。
- 特に下肢のむくみが起こりやすい。
膀胱炎
原因は仕事の性質上、尿意を催してもすぐにトイレに行くことができないため。
- 女性は男性より尿道が短いので、会陰部から膀胱に細菌が侵入しやすく、長時間、膀胱に尿をためると細菌が繁殖して膀胱炎になりやすい。
胃痛、便秘など
原因は主に不規則な食事の時間など。
- 理容業・美容業は少食や早食による胃炎を起こし、胃の痛みやもたれ・便秘など、胃や腸の不調を起こしやすい。
理容・美容の作業環境と健康問題
採光・照明
採光とは、自然の光を室内に取り入れること。
- 理容業・美容業は、細かな手先の作業が続くため、採光・照明により作業に必要な明るさを確保することが最優先。(重要)


換気
換気とは、室内の空気と外の空気を入れ替えること。
- 換気は、健康な環境を保持するうえで大切。
- 暖房器具を使用した場合には、酸素欠乏などの危険性が生じる。(重要)
- 換気をすることで、ほこり、カビ、花粉、砂、パーマの際に使用するアンモニアなどの物質を減らすことができます。
- 換気により働きやすい環境に戻すことが可能になるので計画的に換気をすることが望ましい。
温度・湿度
快適な温度や湿度の管理には、近年ではエアコンが利用されることが多く、簡単に行えます。
- 働いている従業員と顧客とでは温度の感じ方が異なり、また個人差もあるため、適宜調整する必要がある。(重要)
- 湿度は、水を多く使用する作業環境を考えると低めに設定しておくのがよい。(重要)
- 湿度を低めに設定しておくことで、カビの発生などを防ぐことができ、衛生的にもよい。
従業員としての責任
「税金や年金、健康保険料などを納める」、「精勤」、「自己管理の責任」「コンプライアンス(法令遵守)」などがあります。
- 精動・・・精動とはただ誠実に努力するだけでなく、組織としての仕事の成果がよりよいものになるよう、工夫や提案するなど、幅広い努力が求められます。
- 自己管理の責任・・・理容業・美容業はサービス業であり、顧客に直接接する仕事です。それゆえ従業員の体調や健康が直接サービスの良しあしに影響することも多く、健康管理・体調管理の重要性が極めて高い。
- コンプライアンス(法令遵守)・・・従業員として知り得た社内の情報、顧客の情報を勝手に公開することは犯罪になり、大きな損害を顧客や店、自身に生じさせることになります。
総まとめ問題
理容師・美容師の仕事で疲労を感じる部位の第1〜3位に該当しないものはどれか。
(1) 手首
(2) 肩
(3) 腰
(4) 足
正解(1) 手首