はじめにー出題傾向ー
「運営管理」は第41回筆記試験(新試験)(2020年3月1日実施)より新たに追加された科目です。まだ新設されてから日の浅い科目のひとつです。
41回、42回、43回では、以前の「関係法規・制度」(5問)の分野に加わり、「関係法規・制度及び運営管理」として計10問出題されています。
過去問からの出題傾向は、
- 年金
- 保険
- 税金
から多く出題される傾向にあります。
継続企業の原則
継続企業の原則とは?
「企業やお店は継続していかなければならない」という考え方のこと。
- 「継続している」ということは、それだけで重要な意味を持つ。
企業の責任には、どんなものがある?
企業は常に以下のような責任を果たしています。
- 顧客に対しての責任
- 従業員に対しての責任
- 取引先に対しての責任
- 社会に対しての責任
顧客に対して
企業が無くなれば顧客はいつも通りの買い物といった消費行動ができなくなります。
- 企業が顧客にとって大切なものであればなおさらで、大切な顧客を困らせないためにも、企業は継続していかなければなりません。
従業員に対して
企業を継続することは、従業員やその家族の生活を支えるという重要な意味をもつ。
- 従業員は、企業やお店から「給与」を得て生活しているので、その生活を支えるという責任がある
取引先に対して
企業はさまざまな取引先と協力することで、事業を行っています。取引先に迷惑をかけないためにも、企業は継続していく責任がある
- 理容業、美容業は、店で使う機器や器具、シャンプーなどの消耗品、水道や電気、お金を貸してくれる金融機関などの協力のもと運営されています。
- 企業がなくなれば取引先すべてが影響を受けることになります。
社会に対して
税金
- 税金は社会をよりよいものにしていくために利用されます。
事業の継続
- よりよい企業になるため、新しい設備を購入したり、従業員の給与を上げたり、店舗を増やすなど、企業を発展させるために使われます。
これらのような責任を果たすため、企業にはまず継続していくことが求められます。
- 継続しているということは、その責任を果たしているということ。
- 継続できるということは、それだけで大きな価値をもたらす。
- 経営の最も重要なテーマが「継続」。
継続が難しくなる理由(重要)
変化
継続が難しい最大の理由は「変化」である。(重要)
企業の継続を難しくする「変化」には、以下のようなものがあります。
- 顧客の変化
- 社会の変化
- 社会制度の変化
顧客の変化
顧客に流行のヘアスタイルやファッションは極めて短いサイクルで変化すること。(重要)
- 願客の好みが変化すれば、それに対応していかなければなりません。
社会の変化(重要)
私たちが生活し、働く社会は、常に変化していること。
- 特に最近ではその変化が著しく、経営の大きな課題になっています。
- 少子高齢化や人口減少 客層の変化や減少
- 国際化 国境を越えた「ひと」「もの」「かね」の盛んな移動
- 所得格差の拡大 貧困層と富裕層の差の拡大
- 地域格差の拡大 途上国と先進国の差の拡大
社会制度の変化
法律や制度は、変更されるということ。法律や制度が変わると企業は対応しなければなりません。
- 消費税率の変更や従業員の雇用に関する法律の改正などがあれば、すぐに対応する必要がある。(重要)
経営とは
経営とは、「事業を運営し、成果を実現し続けること(継続)」です。
そのためには、顧客満足の実現(お客様に満足してもらうこと)が不可欠です。
顧客満足の実現のために
企業の継続を実現するために経営者が第一に取り組むべきことは?
企業の継続を実現するために経営者が第一に取り組むべきことは、「顧客に満足してもらうこと(顧客満足の実現)」です。
「変化に対応する」と「熟練」のバランス
顧客満足の実現(お客様に満足してもらうこと)のために提供するサービスは、「変化に対応すること」と「熟練」の2つをどうバランスさせるのか、顧客のニーズと自分たちが持っている能力・資源をふまえた上で「決定」し、「実行」するにより進めます。
ポイント
- 顧客は「よりよいサービス」を常に求めます。
- 顧客は、より早く、安く、高級に、自分に合った、親しみやすいもの、つまり、より良いものを求めます。
- 「変化に対応すること」と「熟練」は正反対のこと
顧客満足(CS)(customer satisfaction)
顧客満足度ともいう。人がモノを購入するとき、そのモノに感じる満足感のこと。
- 顧客は顧客満足を感じたときに物品を購入します。
- 企業はCSを定期的に評価し、次の商品開発などに結びつけたりする時に使う。
利益
利益 = 売上 ー 費用
利益
売上から費用を引いたもの。
- 売上とは、顧客が支払ってくれたお金
- 費用とは、売上をあげるためにかかったお金
「利益が出る=よい経営管理ができているかの証明になる」
利益を大きくしたければ、
- 売上を増やす・顧客満足を上げる・顧客を増やす
- 費用を減らす・無駄を省く
などが必要
利益が実現されれば
経営の責任(顧客に対しての責任・従業員に対しての責任・取引先に対しての責任・社会に対しての責任)を確実に果たすことができ、よい経営を目指すことが可能になります。
- 結果として経営者や従業員を豊かにすることにもつながます。
- より多くの顧客を満足させる経営ができれば、より多くの従業員や関係者、社会に価値をもたらす。