衛生管理

5.環境衛生(衣服・住居・上下水道・廃棄物・害虫・保全) まとめ

目次
  1. 衣服
  2. 住居とは?
  3. 上下水道
  4. 廃棄物(重要)
  5. 衛生害虫
  6. 環境基本法について
  7. 水質汚濁防止法について
  8. 環境排水基準

衣服

衣服の必要性

衣服は、気候や生活習慣に合わせて身体の作用を発揮するために必要。

衛生面を考えると、衣服はどんなものがいい?

  • 気候を快適に保ち、皮膚を清潔に保ち、皮膚炎を起こさず、安全で行動しやすいものがよい。

衣服の目的にはどんなものがある?(重要)

  • 体温調節
  • 身体保護
  • 清潔保持
  • 作業能率増進
  • 装飾・礼儀

体温調節に関わる衣服の性質には何がある?

保湿性・含気性・熱伝導性・吸湿性・圧縮性・通気性…

身体保護に関わる衣服の性質には何がある?

耐熱性・耐火性・防水性・耐化学物質性…

清潔保持に関わる衣服の性質には何がある?

抗帯電性・抗汚染性・抗菌性…

作業能率増進に関わる衣服の性質には何がある?

比重性・圧縮性・弾性・伸縮性…

理容師・美容師や医療従事者の衣服は、どんなものが良い?

  • 理容師・美容師や医療従事者の衣服については、清潔性が要求されるため、白を基調とした汚れの目立つ(×目立たない)作業着がよいとされています。(重要)

衣服によって皮膚炎を起こすことがある?

衣服は、加工処理に使用される薬剤によって、皮膚炎を起こすことがあります。



住居とは?

暑さ・寒さ・雨・風の自然環境を影響を少なくし、快適な生活を送り、人の健康を保持するための基本となる場所。

  • 住居の快適性→採光・照明・換気・冷暖房・広さなどで決まります。

照度とは?

明るさの度合い。lx(ルクス)であらわす。

生活に不自由のない照度は、lx以上?

  • 生活に不自由のない照度→100lx以上

読書や細かい作業に不自由のない照度は、lx以上?

  • 読書や細かい作業→1000lx以上

照度が不適当な場合の影響は?

  • 照度が不適当→眼精疲労・作業能率の低下・近視・頭痛・疲労感・不快感などの影響を及ぼす。

理美容師法では、理美容所の照度は何lx以上と規定されている?

美容師法により、美容所の照度は100lx以上が望ましいとされています。

採光とは?(重要)

室内の照度を、日光や天空の明るさの自然光によって(×照明などによって)取り入れること。(重要)

自然光にはどんな種類がある?

  • 自然光→直射日光天空光の2種類があります。

直射日光とは?

太陽から受ける光

  • 10万lx以上。
  • 明るすぎてまぶしい。

天空光とは?

直射日光以外の自然光

  • 曇りの日や北側の窓からの光など。

窓の方角と照度の関係(重要)

  • 南向きの窓→不安定照度は高い
  • 北向きの窓→安定照度は低い

覚え方(無理矢理)

  • 赤道側の窓は、不安定だが照度は高い。
  • 北向きの窓はその逆。間接照明的な感じ

室内に入る日光の量は入射角と開角で決まり、入射角は28°以上、開角は4~5°がよいとされます。

照明とは?

蛍光灯など人工の光のこと。直接照明と間接照明があります。

直接照明とは?特徴は?

  • 作業場所のみを明るくします。
  • 照明効率はよく細かい作業に適しているが、陰影(コントラスト)を生み、眼精疲労を起こしやすい。

間接照明とは?特徴は?

  • 光を一度壁や天井などで反射させ、部屋全体を明るくします。
  • 照明効率は悪く作業によっては疲労するが、コントラストができにくい。

直接照明と間接照明をうまく組み合わせることが重要。

換気とは?

汚れた空気を新鮮な空気と入れ替えて、室内の空気を清潔に保つこと。

  • 暖かい空気と冷たい空気の境目が部屋の上にあるほど、換気の状態がよいとされています。
  • 居室の換気のため、空気が出入りする気孔を2ヶ所設けると、空気の流れが起きてよい。

換気の方法にはどんな種類がある?

  1. 自然換気
  2. 機械換気 など

自然換気 窓や戸口の隙間による換気。

機械換気冷暖房や換気扇などによる換気。

狭い室内に多くの人がいるときの空気変化にはどんなものがある?

温度・湿度・臭気・粉塵・酸素量の減少・二酸化炭素量の増加

  • 狭い室内に多くの人がいると、呼吸による一酸化炭素によって、室内の空気が汚染されるので、適切な換気が必要。

ガスや石油の燃焼による暖房での空気変化にはどんなものがある?

二酸化炭素の増加による空気の汚染・酸素不足・不快感

  • ガスや石油の燃焼による暖房は、二酸化炭素を排出するので、適切な換気が必要。
  • 機械換気では、外気の取り入れ量の調節やフィルターの清掃を心がける必要があります。

近年の建築資材は気密性は良いが故に、何が必要?

  • 近年の建築資材は気密性がよく、自然換気が行われないため、機械換気等の自主的な換気が必要。(重要)

冷暖房とは?

人は一般的に、室温10~28℃なら衣服により快適に過ごせるとされます。この温度から外れたら冷暖房により室内気候を調整する必要があります。

  • 冷暖房を使用する際は、扇風機などで空気を攪拌することで効率よく室温を調整できます。

暖房法

  • 暖房法には、局所暖房法、中央暖房法、地域暖房法などがあります。

冷房法

  • 冷房法には、納涼法、局所冷房法、中央冷房法などがあります。

衛生管理要領において、冷暖房はどんな風に推奨されている?

衛生管理要領において、冷暖房ともに設定温度は17~28℃、冷房時は外気温との差を7℃以内に設定するよう推奨されています。

冷房病とは?

冷房病とは、強すぎる冷房により本来の体温調節機能を失うこと。

  • 関節痛や月経困難、胃腸障書、神経症、頭痛、疲労感などを引き起こす。
  • 冷房が強いと感じたら衣服で調節することが必要。



上下水道

ヒトはおおよそ水分を3日間摂取しないと生命に危険が生じるといわれています。

上水道(重要)

上水とは?

上水とは、飲むために供給される水のこと。

1人あたりの1日平均の上水使用量(生活用水)は約何L?(2013年時点)

  • 1人あたりの1日平均の上水使用量(生活用水)は約290L(2013年時点)。

飲水として使用できるかどうかは、何という法の何という基準に基づいて定められている?

  • 水道法に基づく水質基準

各家庭や施設に配水された後の上水の管理責任は誰?

  • 上水は各家庭や施設に配水された後の管理責任は利用者にあります。

上水道の供給過程は?

  1. 貯水 原水を蓄えます。
  2. 取水 原水を取り入れます。
  3. 導水 取水した水を浄水場まで送ります。
  4. 浄水 水を浄化・滅菌します。
  5. 送水 浄化した水を配水池まで送ります。
  6. 配水 水を配水池から排水管に送ります。
  7. 給水 排水管から各家庭などの給水栓に送ります。

浄水の過程は?(過去出題)

沈砂→沈殿→濾過→消毒

  • このうち、濾過により細菌の99%は除去されるが、 完全に細菌を除去する目的で塩素が加えられています。
  • 消毒は塩素で行われ、完全に細菌を除去し、配水中の汚染を防ぐ。

水道法施工規則による、残留塩素の規定は?(重要)

  • 水道法施工規則により、給水栓で測定した際に、一定以上の塩素(残留塩素)が残っていなくてはならないと規定されています。(重要)

下水道

下水とは?

人が利用を終えた水を下水とよぶ。

下水の分類は?

  • 下水には、生活排水(台所・洗濯・風呂・トイレ…)と産業排水(工場・事務所・畜産場…)があります。

下水はそのように放流される?

  • どちらも公共の下水道で衛生上無害な水に処理した後、河川や海水などに放流し、還元・再利用されます。
  • 下水道の整備は、河川や水路の浄化を期待できます。

下水の水質は、何という法に基づいて定められている?

  • この際の水質は下水道法で規定されています。

し尿処理

し尿(大便と小便)は、公共下水道で処理されるが、公共下水道整備地域では、し尿を処理する浄化槽によって水洗化しています。

  • 浄化槽法があり、し尿と家庭雑排水を一緒に処理する合併処理浄化槽の使用が推進されています。
  • また、浄化槽の設置、保守点検及び清掃などは浄化槽法にもとづいて行われます。

下水放流時の水質検査項目は?(重要)

・色

・臭気

・浮遊物質量

BOD生物化学的酸素要求量

COD化学的酸素要求量

などがあります。

BODとは?(Biochemical oxygen demand)

水中の有機物などの量を、その酸化分解のために微生物が必要とする酸素の量で表したもの。BODの値が大きいほど、その水質は悪い。

CODとは?(Chemical Oxygen Demand)

水中の被酸化性物質を酸化するために必要とする酸素量で示したもの。酸素消費量とも呼ばれます。

BOD・CODの出題傾向として「CODは生物化学的酸素要求量であり、…」などの問題が多いです。B(バイオ)~生物~です!

廃棄物(重要)

廃棄物にはどんな種類がある?

廃棄物には、一般廃棄物産業廃棄物があります。

一般廃棄物と産業廃棄物が定義されているのは何という法律?

  • 「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」で、一般廃棄物と産業廃棄物が定義されています。

廃棄物の主流な処理方法は?

  • 廃棄物の処理は、焼却し、残渣 (ざんさ:残りかすのこと)を埋め立てる方法が主流(重要)

最も衛生的な方法として採用されている廃棄物の処理方法は?

  • 焼却処理は、最も衛生的な方法として採用されています。(重要)

一般廃棄物とは?

産業廃棄物以外の人の生活によって生じた廃棄物が一般廃棄物。

  • 人の生活の結果出た廃棄物で、事業活動によって生じた産業廃棄物を除いたもの。
  • ゴミ処理方法について、焼却(最も衛生的で土地の問題もない)、埋め立て(ハエやネズミの発生や異臭と土地の問題あり)などが多い。

一般廃棄物は誰の責任で処理される?

  • 市町村長の責任で処理されます。

事業系一般廃棄物とは?(重要)

事業所から出る一般廃棄物のことをいう。

カット後の毛髪は、一般廃棄物?事業系一般廃棄物?産業廃棄物?

  • 理美容室から出るカット後の毛髪は、事業系一般廃棄物です。(重要)

事業系一般廃棄物は誰の責任で処理される

  • 事業系一般廃棄物は、事業主の責任で処理されます。

産業廃棄物とは?

事業活動によって排出される廃棄物のうち、事業系一般廃棄物(事業所から出る一般廃棄物)以外のもの。

産業廃棄物は、なんという法律で指定されている?

  • 廃棄物処理法。廃棄物処理法で定められた20品目が産業廃棄物に該当します。それ以外はすべて事業系一般廃棄物。

産業廃棄物は誰の責任で処理される?

  • 産業廃棄物の処理は事業主の責任だが、業者に委託してもよい

感染性廃棄物とは?処理・処分方法は?

産業廃棄物のなかでも医療機関から出る注射針などの感染性廃棄物は、特に病原微生物に感染しないよう適切な処理・処分が必要で、特別の方法で行われます。

処理責任

一般廃棄物→市町村長

産業廃棄物→事業主

事業系一般廃棄物→基本的に事業主(市区町村により異なる場合もあります。)



衛生害虫

衛生害虫とは?

人と動物との間で感染症を媒介し、不快感を与え、生活に障害を与える害虫。

衛生的にも経済的にも被害を起こしています。

  • ネズミ
  • ハエ
  • カ(蚊)
  • ゴキブリ
  • シラミ
  • ノミ
  • ダニ

など

ネズミ

  • 繁殖力が強い。
  • 生後50日で5~6匹出産します。
  • 衛生面および経済面(建物や器具をかじる)での被害があります。
  • 鼠咬症、ペスト、ツツガムシ病などの感染症を媒介・食品などの汚染・不快感を与えるなどの被害。

ネズミの駆除方法(重要)

防鼠(ぼうそ)

ネズミが侵入できないようにしたり、ネズのえさになるものを無造作に置いたりしないネズミの駆除方法のことです。

  • 環境的に駆除。
  • 具体的には侵入を防止する、倉庫を整理する、住まいを衛生的にするなど。

捕鼠(ほそ)

罠を仕掛けて鼠を捕らえるネズミの駆除方法。

  • えさの種類を選ばないと効果がない。

殺鼠(さっそ)

化学的にネズミを殺すネズミの駆除方法。

  • 的確に行えば効果は確実。

このほか、超音波や避妊薬を使う方法などもあります。

ハエ

  • 便所やゴミ箱などから病原微生物を運ぶ。
  • 繁殖力が強い。(夏で1~2週間、秋で2~3週間で成虫になります。)
  • 消化器系感染症(飲食物を介する感染症)・アメーバ赤痢・寄生虫病などを媒介。
  • 日本にはいないが、ツェツェバエはアフリカ嗜眠(しみん)病(トリパノソーマ症)を伝播します。

カ(蚊)

  • メスが動物やヒトから吸血、感染症を媒介します。
  • 年間を通じて発生します。
  • わずかな水たまりでも産卵し、およそ2週間で成虫になります。
  • 蚊は、マラリア・日本脳炎・黄熱・デング熱を媒介するおそれがあります。

ゴキブリ

  • 生命力が非常に高い。
  • 夜行性の屋内衛生害虫。
  • 2~3ヶ月から1年で成虫になります。
  • 成虫は1年以上生存する個体が多い。
  • ゴキブリは、消化器系感染症や寄生虫病を媒介するおそれがあります。

シラミ

  • 特に理美容室で注意すべきは毛髪に産卵し、幼虫・成虫が頭部から吸血するアタマジラミです。

アタマジラミの特徴

  • 主に保育園児、幼稚園児、低学年児童に発生します。
  • 毛髪に卵を産む。
  • 吸血して、かゆみを起こす
  • タオルの共用で感染することがある

美容所においては、器具・タオルをお客様1人ごとに取り替え、器具は消毒(美容師法で規定)し、日常の衛生管理に留意する必要があります。

コロモジラミ

  • コロモジラミは、衣服などを介してヒトに寄生します。

ノミ

  • ノミによる吸血は、かゆみを伴い、発疹熱やペストなどの感染症を媒介するおそれがあります。

ダニ

  • ダニは、虫体だけでなく、その糞もぜんそくの原因になります。

衛生害虫の駆除方法について

衛生害虫の駆除方法には、防除、物理的駆除、生物学的駆除、化学的駆除などがあります。

防除とは?

侵入の防止・衛生面に留意し発生の抑止・個人の清潔を心がける方法。

物理的駆除とは?

器具を利用し駆除する方法。(例:ハエ→ハエたたき)

生物学的駆除とは?

衛生害虫の天敵(鳥・魚・食虫昆虫…)を利用する方法。効果は低い。

化学的駆除とは?

化学薬品を使用する方法。(例:消化中毒剤・くん煙剤など)効果は高いが、人やペットなどには有害です。



人獣共通感染症

人獣共通感染症とは、ヒトと動物の両方に感染または寄生する病原体により生じる感染症のこと。

  • 動物が感染源となるため、動物由来感染症、ズーノーシスともいう。

人獣共通感染症は、どんな種類に分けられる?

  1. 接触伝播型
  2. 中間宿主伝播型
  3. 節足動物伝播型 の3つ

接触伝播型

感染動物との直接または間接的接触による感染症。

  • ペスト(主に感染する動物はネズミ・キツネ・ヒト…)
  • 狂犬病(イヌ・ネコ・キツネ・ヒト…)
  • 炭疽(ウシ・ウマ・ヒト…)
  • ラッサ熱(ヒト・ネズミ)
  • 赤痢(ヒト・サル)

中間宿主伝播型

中間宿主が必要な感染症で経口感染に多い。

  • アニサキス症(海産魚からヒトなどへ感染)

節足動物伝播型

媒介物感染でヒトへ伝播する感染症。

  • 日本脳炎(カからブタ・ヒトへ感染)
  • 黄熱(カからサル・ヒトへ)
  • つつが虫病(つつが虫の幼虫からネズミ・ヒトへ)

環境基本法について

環境基本法には、

  • 環境問題に対して国や地方公共団体・事業者・国民のそれぞれが役割分担すること
  • 現在および将来の国民の健康的・文化的な生活を確保して、人類の福祉に貢献すること

が規定されています。

水質汚濁防止法について

水質汚濁防止法には、

  • 事業所からの汚水を処理して排水する

よう定められています。

環境排水基準

環境基準

人の健康を保護したり生活環境を保全するうえで維持することが望ましい基準のこと。

排水基準

水質保全を図るため工場や事業所からの排水に対して定められている基準。

  • 工場や事業所などには、遵守する義務があります。

家庭からの排水については排水基準は規定されている?

家庭からの排水については排水基準は規定されていません!排水基準は、工場や事業所からの排水に対して定められている基準です

理美容所においても、使用済みの薬品を廃棄する場合は、環境排水基準を遵守し、十分な流水により希釈する必要があります。