<<チェックポイント>>
文化論では、
- 和装の礼装
- 洋装の礼装
が【重点項目】とされています。要チェックです。
和装(過去出題)(重要)
花嫁の礼装(重要)
- 和服は日本の伝統衣装なので、あまり時代の変化に左右されることなく、正式な着装が定められている。(重要)
- 花嫁が着装する礼装は小袖の上に打掛を重ねたもので、起源は桃山時代の上級武家の夫人の正装(×平安時代の十二単)。(重要)
花嫁の礼装
小袖の上に打掛を重ねたスタイル。
今日では、小袖としての振袖の上に打掛を重ねたものが一般的。
- 花嫁の礼装は、そのひとつひとつに意味が込められています。
- 振袖とは、振りのある袖のこと。
- 小袖(こそで)とは、もともと下着だった。(シャツみたいな感じです。)
- 今日では花嫁衣装における、打掛の下の小袖のことを掛下(かけした)とよぶことが多い。(重要)
- 小袖は、間着(あいぎ)、長着(ながぎ)ともよぶ。
- 今日、打掛の下に着用する小袖は振袖(ふりそで)である。(重要)
ここは本当にややこしいですが、小袖は、
- 打掛の下に着るので、掛下とよぶのが一般的。
そして小袖は、遠い昔から親しまれていて、
- 足首あたりまである丈の長い着物。つまり長着。
- 服と服の間に着る着物。つまり間着。
ともよばれます。
そして、
- 最近は、振袖を掛下として着用することが多い。
のでつまり、小袖=掛下=間着=長着です。
そして今、小袖のところに着用されるのが、振袖です。
なので、
打掛の下の小袖を何と呼ぶ?と聞かれたら・・・掛下
今、打掛の下の小袖は何?と聞かれたら・・・振袖
になります!
大振袖
- 大振袖(おおふりそで)とは、振袖の袖丈が1m以上の長着のこと。(重要)
- 小袖の身丈は引き裾となる丈に仕立てる。(重要)
黒振袖
- 黒振袖(くろふりそで)とは、黒縮緬の総模様に染め抜き五つ紋(×三つ紋)をあしらった振袖の下に、白羽二重の下着を重ねたもの。(重要)
- 黒振袖は、打掛を重ねずとも正式の花嫁衣装とされている。(重要)
- 染め抜き五つ紋(そめぬきいつつもん)とは、背の中央に一つ、両袖と両胸元にそれぞれ一つずつ、合計五つの紋を振袖にあしらったもの。
- 染め抜き五つ紋は、最も格式の高い女性の正式礼装。
白無垢
- 白無垢(しろむく)とは、掛下、帯、小物等すべてを白一色でまとめた花嫁衣装。(重要)
帯・髪型・小物
- 掛下帯は、丸帯を文庫結びにして、丸ぐけの帯締めを回し、幅5cmほどの抱え帯を帯の下に締めます。
- 掛下帯(かけしたおび)とは、小袖の上(打掛の下)につける帯。
- 丸帯(まるおび)とは、女性の帯の中で最も格式が高い帯。
- 文庫結び(ぶんこむすび)とは、帯のオーソドックスな結び方。
- 丸絎け(まるぐけ)とは、引き伸ばした真綿などを芯に入れて、丸い棒のように仕立てた紐のこと。
- 帯締め(おびしめ)とは、帯を締めて固定するため、帯の中央に巻かれた紐のこと。
- 抱え帯(かかえおび)とは、もともと着物の裾を外出の際にたくしあげて押さえるためのものであったが、現在は装飾としての役割が大きい。
- 髪は文金高島田にします。
- 髪にはべっこうの花笄、櫛、綿帽子、角隠しなどがあしらわれます。
- 小物として、懐剣(かいけん)、筥迫(はこせこ)、末広(すえひろ)などを持つ。
打掛(白打掛・色打掛)
- 帯を締めた上から打ち掛けて着ることからこの名称が生まれた。(重要)
- 歩くときに棲(襟下)を掻い取った(手で引き上げた)ので、掻取(かいどり)ともよばれています。
- 白地に模様を織り出した白打掛と、さまざまな色を用いた色打掛があります。
- 生地は糸錦(いとにしき)、唐織(からおり)、綴織(つづれおり)などの重厚な風合いのものがあります。
- また、緞子(どんす)や綸子(りんず)に友禅、刺繍、金銀箔置きなどを施した華麗な生地のものなどもあります。
- 模様には、向鶴菱(むかいつるびし)、立涌(たてわく)、幸菱(さいわいびし)、小葵(こあおい)、紗綾形(さやがた)などがあります。
- 身丈は180~200cmほど。小袖より8cmほど長く、立ち姿で30~40cmほど引き裾になります。
- 袖丈は115cmほど。
お色直し
- 大振袖の二枚重ねが正式。
- 抱え帯またはしごき帯を使用します。
- 抱え帯としごき帯は似たようなもの。
- 抱え帯は縮緬や倫子などの素材を使う。
- しごき帯は絹などの柔らかい素材を使う。
- 小物として懐剣、筥迫、末広を用います。
- 現代では大振袖より袖丈の短い中振袖を着用することもあります。
懐剣(かいけん)
武家の女性が護身用に持っていた短剣。
- 「邪悪なものを寄せ付けない。」
- 「自分の身は自分で守ます。」
- 「一度嫁いだら帰らない。」
- このような意味が込められ、妻となる覚悟やお守りのようなものと言われています。
筥迫(はこせこ)
武家の女性が身だしなみに使う白粉や紅筆などを入れ、胸元に差し込んでいた箱
- 今でいう化粧ポーチのようなもの。
- 「身だしなみに気をつけて、いつまでも美しく。」
- このような意味が込められていると言われています。
末広(すえひろ)
「扇子」のこと。
- 広げると片側は金色、もう片側は銀色になっています。
- 「末広がりの幸せが続きますように。」
- 末広という文字通り、このような意味が込められていると言われています。
参考
https://www.niwaka.com/ksm/radio/wedding/dress/small-articles/14/
女性の礼装(振袖・留袖・色留袖)(重要)
振袖(色振袖・黒振袖)
振袖は、未婚女性の正装です。
- 未婚者の場合は振袖を着用する。(重要)
- 模様は華やかなものが多く、友禅染めに絞り、刺繍、箔置きをあしらう。
- 振袖の場合、染め抜き五つ紋(×三つ紋)が正式。(重要)
- 中振袖では染め抜き三つ紋を付けることもあり、近年では紋なしの例も少なくない。
- 色振袖とは、黒色以外の振袖のこと。
- 黒振袖とは、黒色の振袖のこと。
留袖(色留袖・黒留袖)
留袖は、既婚女性の正装です。
- 既婚者の場合は留袖(とめそで)を着用する。(重要)
- 模様は裾だけにあしらわれ、振袖よりもシンプルなものが多い。
- 留袖は、染め抜き五つ紋が正式。
- 色留袖は三つ紋・一つ紋のこともあります。
- 色留袖とは、黒色以外の留袖のこと。
- 黒留袖とは、黒色の留袖のこと。
- 色留袖は、社交着としても着用されます。
- 色留袖は、既婚女性に限らず着用できます。
女性の準礼装(訪問着・付け下げ)(重要)
準礼装について
- 準礼装は、結婚式、披露宴、新年会、各種の祝宴、パーティーなどでの晴着で、未婚者・既婚者の区別はない。
- 女性の準礼装の代表的なものは訪問着。(重要)
訪問着
女性の準礼装の代表的なもの
- 大正時代末期に社交服として登場した。
- 肩、袖、腰から裾へかけて、前身ごろ、後ろ身ごろと、縫い目にまたがる華やかな絵羽模様(絵画のような模様)が特徴。(重要)
- 大正時代に盛装としての絵画風模様を絵羽織とよんだところから、羽織でなくてもこの模様構成を絵羽と称するようになりました。
- 大正時代には紋を付けたが、現代では紋なしが多い。
- 袋帯、組ひもの帯締め、帯揚げ、白の半襟、白足袋、草履などがコーディネートされます。
- 文様、色彩、年齢、着方(コーディネート)など、比較的自由。
付け下げ
訪問着と小紋の中間に位置する準礼装。
- 訪問着より気楽に着用されます。
- 絵羽模様を簡略にしたような文様であるが、訪問着の絵羽模様と違って、縫い目で絵が途切れてつながっていない。
- 模様の配置は上前に広がっています。
- 後ろ身ごろ、肩、袖、胸には、それぞれ独立させた模様が配置されています。
- 模様が全部上向きに描かれているのが特徴です。
- 付け下げは、昭和30年代以降に流行し、一般化した。
小紋とは?↓
【出てきた着物の位置付けをまとめると】
振袖・留袖 > 訪問着 > 付け下げ > 小紋
になります!
男性の礼装(重要)
紋付き羽織袴
- 袴と羽織で構成されます。
- 黒色の着物に、仙台平(せんだいひら)の縞柄(しまがら)(×紗綾柄)の袴を着用します。(重要)
- 袴の正式な紋は、染め抜き五つ紋(×三つ紋)。(重要)
- 着物の上に、同じく染め抜き五つ紋の黒の羽織を重ねます。
- 既婚・未婚の区別はなく、また慶弔の違いもほとんどなく、婚礼や成人式などに着用されます。
- 仙台平とは、絹製の男物袴地の総称。(重要)
総まとめ問題
和装の礼装に関する次の記述のうち、 間違っているものはどれか。
(1) 掛下、帯、小物等すべてを白一色でまとめた花嫁衣装を白無垢という。
(2) 和服は日本の伝統衣装であるから、あまり時代の変化に左右されることなく、正式な着装が定められています。
(3) 今日では花嫁衣装における、打掛の下の小袖のことを掛下とよぶことが多い。
(4) 花嫁が着装する礼装の起源は、平安時代の十二単です。
正解(4)・・・花嫁が着装する礼装の起源は、桃山時代の上級武家の夫人の正装です。
和装の礼装に関する次の記述のうち、間違っているものはどれか。
(1) 女性の礼装で、既婚者の場合は留袖を着用します。
(2) 男性の礼装で、正式のものは、染め抜き五つ紋の黒の着物に、 仙台平の紗綾形柄の袴を着用し、同じく染め抜き五つ紋の黒の羽織を重ねる
(3) 女性の礼装で、 未婚者の場合は振袖を着用します。
(4) 女性の準礼装である訪問着の特徴は、華やかな絵羽模様です。
正解(2) ・・・男性の礼装で、正式のものは、染め抜き五つ紋の黒の着物に、仙台平の縞柄の袴を着用し、同じく染め抜き五つ紋の黒の羽織を重ねる
和装の礼装に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) 振りのある袖を振袖といい、振袖の袖丈が1メートル以上の長着のことを大振袖とよんでいます。
(2) 花嫁が着装する礼装は小袖の上に打掛を重ねたものです。
(3) 黒縮緬の総模様に三つ紋を染め抜いた振袖の下に、白羽二重の下着を重ねたものは、打掛を重ねなくとも正式の花嫁衣装とされており、黒振袖とよんでいます。
(4) 打掛は帯を締めた上から打ち掛けて着ることからこの名称が生まれた。
正解(3) ・・・黒縮緬の総模様に五つ紋を染め抜いた振袖の下に、白羽二重の下着を重ねたものは、 打掛を重ねなくとも正式の花嫁衣装とされており、黒振袖とよんでいます。
まとめ
この記事の内容が理解できると、イベント事でまた違った楽しみ方ができるかもしれないですね!