<<チェックポイント>>
美容技術理論では、
- 美容技術理論
- まつ毛エクステンション
- 理・美容器具 ・ 色彩及びデザイン
が【重点項目】とされています。要チェックです。
ヘアカーリング
カールとは?
1つのストランド(毛束)がループ状または過巻き状なった巻き毛のことをカールと言います。
カールの目的は?
カールは、毛髪にウェーブや、ボリューム、毛先の変化、動きを持たせるために作ります。
【カールの目的】
- 毛先の変化と動きを求める
- ボリュームをつくる
- ウェーブをつくる
カールの原理
乾いた毛髪をカールして離しても、毛髪の形状弾力によって元に戻りますが、水でぬらして毛髪にカールをつけて乾かすとカールが残った状態になります。
この性質を利用してカールをつけます。
毛髪の形状弾力
乾いた毛髪をカールして離しても、もとに戻る毛髪の性質のことを毛髪の形状弾力と言います。
毛髪を水でぬらすと、もとに戻る力は弱くなります。
乾燥した毛髪の形状弾力を100%とした場合、水でぬらしてカールをつくると、約70%がカールのままで、約30%がもとの状態に戻ろうとします。
カール各部の名称(過去出題)
①ベース ②エンドオブカール ③ループ ④ピボットポイント(P.P) ⑤カールステム
ループ
カールのうず巻きになった部分・円形に巻かれた輪の部分をループといいます。
ベース
カールをつくる際に分けとられた毛髪の根元(カールストランドの根元)をベースといいます。
ピボットポイント
カールが巻きはじめられる点をピボットポイント(転回点、 略してP.P)といいます。
カールステム
ベースからピボットポイントまでをカールステム(ステムともいう)といいます。
エンドオブカール
カールの毛先をエンドオブカール(エンドともいう)といいます。
カールの種類(過去出題)
カールの種類には、
- メイポールカール
- スカルプチュアカール
- クロッキノールカール
- リフトカール
などがあります。
それぞれ詳しく見ていきましょう!
①メイポールカール
特徴まとめ
- 根元巻き方式のストランドカールであり、フラットカールでもある
- ステムの角度が0度に近いフラットカール
- ループに厚みがあるが、頭皮に付いている
- ストランドの根元から巻かれている
- ピンをとった時、根元の部分に一番強く弾力が得られる
- ベースがある
②スカルプチュアカール
特徴まとめ
- フラットカールの1種
- 中巻き方式のシェーピングカールであり、フラットカールでもある
- ループが平面
- ステムもループも頭皮に付いている
- 根元はシェープで、中ほどからループをつくる
- ピンをとった時、中間に最も強い弾力が得られる
- ベースはない
③クロッキノールカール
特徴まとめ
- 毛先巻き方式のストランドカールであり、フラットカールでもある
- 指の根元寄りから指先方向へと指に巻いてつくる。
- 毛先がカールの内側に入る
- 毛先がループの一番中におさめられる巻き方
- ピンをとった時、毛先に最も弾力が得られる。
- ベースがある
④リフトカール
特徴まとめ
- ストランドカールであり、スタンドアップカールの1種である
- ストランドの角度が45度以上に立ち上がって巻かれたもの
- ピンをとった時、毛先が頭皮から立ち上がっている
- ベースがある
問題
正解)(3)…スカルプチュアカール
画像のようにピンをとった時、中間に最も強い弾力が得られるのは、スカルプチュアカールです。
カールの巻き方には、毛先に近いほうから巻いて毛先が内側になる場合と、 根元のほうから巻いて毛先が外側になる場合とがありますが、
毛先が内側になる場合は毛先のウエーブの幅が狭く、根元になるほど幅が広がり、
毛先が外側になる場合は毛先のウエーブ幅が広く、根元になるほど幅が狭くなります。
カールの分類
カール | ベースの有無 | ベース有り | ストランドカール |
ベース無し | シェーピングカール | ||
カールの状態 | ループが頭皮に平らに付く | フラットカール | |
ループが頭皮に対して立ち上がる | スタンドアップカール | ||
カールの形状 | 根元巻き方式 | メイポールカール | |
中巻き方式 | スカルプチュアカール | ||
毛先巻き方式 | クロッキノールカール | ||
カールの巻方向 | 耳介に沿う方向 | フォワードカール | |
耳介と逆方向 | リバースカール | ||
時計回りの巻き方向 | クロックワイズワインドカール | ||
反時計回りの巻き方向 | カウンタークロックワイズワインドカール |
カールは、次の4つに分類することができます。
- ベースの有無によるもの
- カールの状態によるもの
- カールの形状によるもの
- カールが巻かれる方向によるもの
それぞれ詳しく見ていきましょう!
①ベースの有無によるカールの分類
カールは、ベースの有無によって
- ストランドカール
- シェーピングカール
に分けることができます。
それぞれについて詳しく見ていきましょう!
❶ストランドカール 〜ベース有り〜
カールを巻く際に、ベースの周囲をー定の形や大きさにスライスしてつくるカールをストランドカールといいます。
【ストランドカールの例】
- メイポールカール
- リフトカール
- クロッキノールカール
❷シェーピングカール 〜ベース無し〜
ベースの底辺だけをスライスしながら巻くタイプのカールをシェーピングカールといいます。
【シェーピングカールの例】
- スカルプチュアカール
②状態によるカールの分類(過去出題)
カールは、ループが頭皮に平らに付くか、立ち上がっているかで
- フラットカール
- スタンドアップカール
に分けることができます。
それぞれについて詳しく見ていきましょう!
❶フラットカール(ループが頭皮に平らに付くようになっているもの)
【フラットカールの例】
- スカルプチュアカール…ループが平面になりステムもループも頭皮に付いている
- メイポールカール…メイポールカールはステムの角度が0度に近いフラットカールである。ループに厚みがあるが、頭皮に付いている
- クロッキーノールカール…指の根元寄りから指先方向へと指に巻いてつくる。毛先がカールの内側に入る
- ラリアットカール…投げ縄のように1巻きで作るカール。ネープの短い毛髪など用いられる
❷スタンドアップカール(ループが頭皮に対して立ち上がっている形のもの)
【スタンドアップカールの例】
- スタンドアップカール…ステムもループも頭皮に90度に立ち上がり、最もボリュームが出る。
- リフトカール…ストランドの角度が45度以上に立ち上がって巻かれたもの
- バレルカール…洋酒を入れる樽のような形に巻かれる。主にボリュームを求める場合に用いる。
③形状によるカールの分類
〜根元巻き方式〜
ストランドの根元から巻かれ、仕上がりでは根元の部分に一番強く弾力が得られるもの。
メイポールカールなどが代表的。
〜中巻き方式〜
根元はシェープで、中ほどからループをつくるので、中間に最も強い弾力が得られる。
スカルプチュアカールが代表的。
〜毛先巻き方式〜
毛先がループの一番中におさめられる巻き方。仕上がりでも毛先に最も弾力が得られる。
クロッキノールカールが代表的。
④巻かれる方向によるカールの分類
フォワードカール
…耳介に沿って巻かれたカールをフォワードカールと呼びます。
リバースカール
…フォワードカールと正反対に巻かれたもの(耳介と逆方向のもの)をリバースカールと呼呼びます
クロックワイズワインドカール
…毛髪が右巻き(時計の針の進む方向)に巻かれてできるカールをクロックワイズワインドカールと呼びます
カウンタークロックワイズワインドカール
…毛髪が左巻き(時計の針の進み方とは逆方向)に巻かれてできるカールをカウンタークロックワイズワインドカールと呼びます
カールを作る
カールを作るための要素
カールは、①〜⑦によって構成されています。
- ヘアシェーピング
- スライシング
- ベース
- ステムの方向と角度
- テンション
- ループの大きさ
- 毛先の扱い方
①ヘアシェーピング
ヘアスタイルを考慮して、アップシェーピング(上方に向けても髪をとかしつけること)やダウンシェービング(下方に向けてとかしつけること)することを言います。
②スライシング
毛髪を薄く分けとること、ブロックされた毛髪からカールするだけの毛量を分けとるのがスライシングと言います。
パートされた線をスライスと言います。
③ベース
ベースの種類
ストランドカールのベースの種類としては、次のようなものがあげられます。
- スクエアベース…正方形のベースで、平均したカールやウェーブを出すときに適している
- オブロングベース…長方形のベースで、ステムが長く方向が決めやすい
- パラレログラムベース…平行四辺形のベースで、ステムをオーバーラップさせやすいため、仕上がりが割れにくい
- トライアンギュラーベース…三角形のベースで、コームアウトした際割れ目ができない。額の生え際などに用いられる。
- アークベース…弧状のベースで、コームアウトで放射状の広がりを表現するときに用いられる
名前 | ベースの形 | 特徴 |
スクエアベース | 正方形 | 平均したカールやウェーブを出すときに適している |
オブロングベース | 長方形 | ステムが長く方向が決めやすい |
パラレログラムベース | 平行四辺形 | ステムをオーバーラップさせやすいため、仕上がりが割れにくい |
トライアンギュラーベース | 三角形 | コームアウトした際割れ目ができない。額の生え際などに用いられる。 |
アークベース | 弧状 | コームアウトで放射状の広がりを表現するときに用いられる |
④ステムの方向と角度(過去出題)
ステムの方向
シェイプされたストランドには、1つのステムと1つの角度があります。
ステムの方向は毛髪の流れを左右し、角度は仕上がり時のボリュームに関係します。
ストランドでカールを巻くとき、
ステムの角度の決め方
ステムの角度は”ストランドの中心”の角度で決定します。
ベース全体のストランドをねじり、無理なく1つに集まったところの中心の角度がそのストランドの角度といえます。
ステムの方向とP.P
ステムの方向と角度を1つに結び付けるところを P.P(ピボットポイント)とよびます。
P.Pの位置はステムの延長線上にあります。
問題
例題)カールステムに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1)ステムの角度は、毛髪の流れを左右する。
(2)ステムの方向と角度を1つに結び付けるところをストランドという。
(3)メイポールカールはステムの角度が0度に近いフラットカールである。
(4)カールステムとは、ピボットポイントからループまでをいう。
正解)(3)
⑤テンション
テンションとは、カールに巻くときの力の入れ具合を指します。
緊張力を加えることでカールの弾力が増し、ヘアスタイルを長持ちさせることができます。
⑦ループの大きさとウエーブ幅
カールの直径を1とした場合、それを解いたときのウェーブ幅はカールの直径の1.5倍になります。
つまり、直径2cmのカールをほどくと直径3cmのハーフウエーブが得られることになります。
つまり、次のような式が成り立つことになります。
『 ループの直径(外径) +ループの直径(外径)の1/2=ウエーブ幅』
『 ループの直径(外径) × 1.5=ウエーブ幅 』
カールピニング
カールピニングとは?
でき上がったカールをピン、またはクリップでとめることをカールピニングといいます。
カールピニングの種類
カールピニングには次のようなものがある
- 片面打ち
- 両面打ち
- 水平打ち
- オープン打ち
- クローズ打ち
①片面打ち
ループの片方のみピニングする方法です。
最もオーソドックスで打ちやすく、カールを変形させるおそれが少なく、ほぼすべてのカールに使えます。
②両面打ち
ループの両側をピニングする方法。全体をしっかりとめられるので、薄いピンカールや、メイポールカールなどに使います。
③水平打ち
ピンを水平に打つ方法。スタンドアップカールなどに用いられる。
④オープン打ち
ウェーブのオープンエンド側からピニングする打ち方。
⑤クローズ打ち
ウェーブのクローズドエンド側からピニングする打ち方。
カールピニングの注意
- ピンまたはクリップでとめた跡がステムやループに残らないようにする
- ループにゆがみをつくらない
- ループを安定させるようにとめる
- ピニングの際はピンやクリップの先でとめる。ピンをカールの奥まで押しこんでとめると、つぶれたり、形が崩れたりすることがある
- ヘアドライイングの際は、熱くなったピンやクリップがお客さまの耳や皮膚にあたらないようにとめる
- とめたピンが、周囲にあるカールを崩したり、これから作ろうとするカールの邪魔になったりしないようにする
カールウェーブ
ピンカールを用いてつくるウエーブ
ウェーブのポイント
●ループの大きさ
●ステムの方向
●ベースの取り方とループのおさまる位置
ウェーブをつくるループの大きさ(過去問出題)
カールウェーブで、求めるウエーブ幅が3cmの場合、ループの直径は2cmとなる。ここには、ウエーブ幅とループに次のような関係が成り立っているからである。
ウエーブ幅×2/3 =ループの直径(外径)
ループの直径(外径) × 1.5=ウエーブ幅 ともいえます。
ベースをとるためのスライス線は、ウエーブの幅の1/2(ウエーブの中心)であり、ループの直径はウエーブ幅の2/3、カールスぺースはウエーブ幅の1/3(ループの直径の1/2)となる。
カールスペース = ウエーブ幅 ー ループの直径 = ループの直径の1/2
問題例)ヘアウェービングに関する次の( )内に入る語句の組合せのうち、正しいものはどれか。
「カールスペースをつくるベースを取るためのスライス線は、ウェーブ幅の( A )であり、ループの直径はウェーブ幅の( B )、カールスペースはウェーブ幅の( C )となる。」
A B C
(1)1/3 ── 1/2 ── 2/3
(2)1/2 ── 2/3 ── 1/3
(3)1/3 ── 2/3 ── 2/3
(4)1/2 ── 1/2 ── 1/3
正解)(2)
ピンカールの接続
ピンカールどうしをスムーズに接続するためには、ピンカールをほどいた大きさがループの直径の1.5倍の大きさになる性質をふまえ、カールスペースとステムの方向を考える必要がある。
ピンカールを巻く順序とステムの方向
ストランドカール
ストランドカールによるウエーブ構成では、ステムの方向(クローズドエンド)から巻きはじめるのが基本である。
- メイポールカール
- リフトカールなどがこれにあたる。
シェーピングカール
スカルプチュアカールなどのシェーピングカールは、ストランドカールとは反対で、ステムの方向の逆側(オープンエンド)から巻きはじめる。
クロッキノールカール
本来、ストランドカールであるクロッキノールカールには、メイポールカールから接続する方法とフィンガーウェーブから接続する方法の2つの方法がある。
スキップウェーブ
スキップウエーブとは、フィンガーウエーブとスカルプチュアカールが交互に配置されたものをいう。 スタートはフィンガーウエーブでも、スカルプチュアカールでもどちらでもよい。
ターンステム
ターンステムとは、1つのムーブメント(毛の動き)を、巻く向きが同じ2つ(2段)以上のピンカールで、大きくソフトに構成することをいう。
ステムは、曲線を描くようにターン(方向転換)させること。また、毛流がきれいに接続するよう注意すること。それにはカールスペースをつくらないことが大切である。
ローラーカーリング
ローラーカールとは?
ローラーカールは円筒形のローラーを用いて、テンションの効いたゆがみのないカールをつくることができる技法のことです。
またピンカールに比べ、安定したボリュームと起伏に富んだムーブメントを求めることができます。
ローラーカールの特徴
- 量感が得られる
- 自由なムーブメントが得られる
- カーリーな動きをつくることができる
- 立体感のあるムーブメントが得られる
- ローラーが円筒形であるため、ウエーブの流れを垂直、水平、斜めと、自由にイメージして決めることができる
- 巻き方により、変化のある構成ができる
- ローラー1個で単独の動きがつくれる
- ローラーカールの配列によって1つの流れやふくらみの関連性が得られる
ベースの幅と厚さ
ベースの幅と厚さは、ローラーの大きさ(太さ長さ)によって異なります。
基本的なベースの幅
ローラーカールの基本的なベースの幅は、ローラーの長さの約90%です。
基本的なベースの厚さ (スライス幅)
ローラーカールのベースの厚さ(スライス幅)は、ローラーの直径と同じにするのが基本です。
ストランドの中心の角度によるボリュームの変化
頭皮とストランドの角度とボリュームの関係は、次のように分けられます。
135度の場合
ストランドの中心が頭皮に対して135度になるようシェープしてローラーを巻くと、最もボリュームが出ます。
頭頂部などに用いられます。
90度の場合
ストランドの中心が頭皮に対して90度の角度になるようシェープして巻くと、ベースのスライス線上にローラーの中心がきます。
45度の場合
ストランドの中心を頭皮に対して45度にシェープして巻くと、カールのボリュームが小さくなります。
ロングステムローラーカールとよばれます。
まとめ問題
カールステムに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
①ステムの角度は、毛髪の流れを左右する。
②ステムの方向と角度を1つに結び付けるところをストランドという。
③メイポールカールはステムの角度が0度に近いフラットカールである。
④カールステムとは、ピボットポイントからループまでをいう。
正解③
メイポールカールはステムの角度が0度に近いフラットカールである。
ループに厚みがあるが、頭皮に付いている。
「カールスペースをつくるベースを取るためのスライス線は、ウェーブ幅の( A )であり、ループの直径はウェーブ幅の( B )、カールスペースはウェーブ幅の( C )となる。」
①A:1/3 B:1/2 C:2/3
②A:1/2 B:2/3 C:1/3
③A:1/3 B:2/3 C:2/3
④A:1/2 B:1/2 C:1/3
正解②