呼吸器系の概要
呼吸のうち、吸い込む空気を吸気。吐き出す空気を呼気とよぶ。呼吸では、酸素を取り込み、二酸化炭素を吐き出す。これをガス交換と言う。呼吸は、連続して行われるので、呼吸運動と呼ばれます。
吸気の肺までの経路は?
吸気は、
鼻孔→鼻腔→咽頭→喉頭→気管→気管支
の順で肺に到達します。
この空気の通り道を気道と言う。
ガス交換(外呼吸・内呼吸)
呼吸運動により常にガス交換が行われるが、肺で行われるガス交換を肺呼吸(外呼吸)。
体内の細胞・組織で行われるガス交換を組織呼吸(内呼吸)という。
外呼吸は、体の外との呼吸
内呼吸は、体の内(なか)での呼吸
気道とは?
吸気は、
鼻孔→鼻腔→咽頭→喉頭→気管→気管支
の順で肺に到達します。
この空気の通り道を気道と言う。
気道内面は粘膜で覆われ、粘液で潤っています。
上気道とは?
鼻腔→咽頭→喉頭までを上気道という。
下気道とは?
気管→気管支→肺までを下気道という。
線毛上皮とは?
・・・気管から気管支にかけてに存在する細かい毛(線毛)のこと
波状運動とは?
・・・外から入ってきたほこりや、細菌を捕まえて気道の出口に送り返すために線毛が行う周期的な運動のこと。
鼻腔
鼻腔はどこで合流する?
鼻腔は鼻中隔によって左右に二つに分けられ、咽頭で合流します。
鼻甲介とは?
・・・鼻腔には左右でそれぞれ3つ、合計6つの鼻甲介というひだ状の突起があります。
副鼻腔とは?
・・・額や頬の骨の中にある腔(空の部分)
鼻毛とは?
・・・鼻腔の入り口にある毛。ほこりの進入等を防ぐ
咽頭とは?
鼻腔と口腔の後方にある器官。
喉頭(こうとう)とは?
気道中の軟骨の多い器官。声帯や甲状軟骨、輪状軟骨が含まれます。
気管とは?
気管は、喉頭の下につづく管。
気管支とは?
気管支は、気管が心臓上部付近で左右に枝分かれする部分。
鼻腔・口腔・咽頭・喉頭まわりの名称まとめ

①鼻腔 ②口腔 ③軟口蓋 ④口蓋垂 ⑤喉頭蓋 ⑥輪状軟骨 ⑦食道 ⑧気管 ⑨気管軟骨 ⑩声門 ⑪甲状軟骨 ⑫舌骨 ⑬下顎骨 ⑭舌 ⑮鼻孔 ⑯咽頭 ⑰喉頭
肺の構造
肺は、どのように分けられる?
肺は、右肺が上葉(じょうよう)・中葉(ちゅうよう)・下葉(かよう)に分けられます。左肺は上葉・下葉に分けられます。
気管支はどのように枝分かれする?
肺門を入った気管支は、右肺の上葉(じょうよう)・中葉(ちゅうよう)・下葉(かよう)、左肺の上葉・下葉に対応して葉気管支に分かれます。
肺は右が3葉、左が2葉に分かれています。
気管支も右が3つ、左が2つです
葉気管支は、さらに枝分かれし、何に達する?
葉気管支は、さらに枝分かれし、肺胞に達します。
肺胞のまわりを、毛細血管が包み込み、肺胞の上皮を介してガス交換が行われています。
一酸化炭素と酸素で、強くヘモグロビンと結合するのはどっち?
ヘモグロビンは肺で酸素を受け取り、血管を流れ、体内の細胞に酸素を届けるが、一酸化炭素の方が酸素より強くヘモグロビンと結合するので、空気中に一酸化炭素が多いとヘモグロビンは肺で酸素を受け取れず、一酸化炭素中毒になります。
呼吸運動
安静時の呼吸回数は、成人で何回?
安静時の呼吸回数は、成人で1分間あたり15〜20回です。
呼吸回数は、新生児では80回に達することもあります。
呼吸回数は、運動する・緊張するとどう変化する?
呼吸回数は、運動すると多くなり、緊張すると少なくなる
呼吸回数は、新生児と大人でどう違う?
呼吸回数は、新生児では多く、年齢が進むにつれて減る
外肋間筋とは?
外肋間筋が収縮すると、肋骨が持ち上がって胸郭が広がり、吸気になります。
内肋間筋とは?
内肋間筋が収縮すると、肋骨が下がって、胸郭が狭くなり、呼気になります。
胸の内側の筋肉(内肋間筋)が、ギュッっと収縮したら、息が出るようなイメージで覚えると楽です
横隔膜とは?
横隔膜の収縮・弛緩によって胸郭内腔が広がったり狭くなったりするので、呼吸運動に重要な役割を持つ。
呼吸気量とは?
安静時に1回の呼吸で肺に出入りする空気量のことを、呼吸気量という。1回の呼吸で肺に出入りする空気量は約500mL程です。
肺活量
できるだけ空気を深く吸い込み、吐き出したときの量のことを肺活量という。
肺活量の指標は?
肺活量はおよそ2000〜4000mlで運動能力の指標とされます。(日本人の成人男性で3000~4000mL、女性で2000~3000mL)