消化器系の概要
消化とは?
消化とは、食べ物などを分解(高分子を低分子に)して体に取り込めるようにすることを言います
消化液とは?
消化液とは、消化器官から出される食べ物の消化に関わる液体のこと(唾液・胃液など)で、消化液には、消化酵素という成分が含まれています。
消化酵素とは?
消化酵素とは、消化液に含まれている、食べ物を分解し、消化・吸収を促進する成分のこと(アミラーゼ、ペプシンなど)です
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唾液の消化酵素は、アミラーゼ(=プチアリン)
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胃液の消化酵素がペプシン
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膵(すい)液の消化酵素は、リパーゼ
分解
消化によって、
- タンパク質は、アミノ酸
- 炭水化物は、ブドウ糖
- 脂肪は、脂肪酸とグリセリン
に分解されます。
…「タンパク質・炭水化物・脂質」は、3大栄養素と呼ばれ、
「タンパク質・炭水化物・脂質・ビタミン・無機質」は、5大栄養素と呼ばれます
消化器系とは?
消化器系は、消化に関係する体の部分(器官)のことをいう。
消化器系は、口腔から肛門までの管【消化管】と、
肝臓、膵臓(すいぞう)、唾液線、胆のう、などの消化酵素(消化を助けるためのもの)を出しているもの【消化腺】があります。
つまり、
消化器系 = 【消化管】 + 【消化腺】
である
消化器系に属するものには何がある?
口腔、咽頭、食道、胃、腸、肛門、唾液線、膵臓(すいぞう)、肝臓、胆のう
消化管とは?
口腔から肛門までの管
消化腺とは?
唾液線、膵臓、肝臓、胆のう、などの消化に関係を持つ線とそれらを含んだ器官のことを言う
【語呂合わせ】
消化腺は、覚えやすい!だってすごく簡単!
だっ(唾液線)てす(膵臓)ごくかん(肝臓)たん(胆のう)
〜消化器系〜
- 口腔
- 咽頭
- 食道
- 胃
- 腸
- 肛門
- 唾液線
- 膵臓(すいぞう)
- 肝臓
- 胆のう
などが消化器系に属します。
肝臓、膵臓(すいぞう)、唾液線、胆のうは、消化酵素を出しています。
消化管とは?
消化管とは、
口腔→咽頭→食道→胃→小腸→大腸→肛門
までのことを言う。
もっと詳しくいうと、」小腸は、「十二指腸→空腸→回腸」の順で続いていて、大腸は、「盲腸→結腸→直腸」の順番なので、
口腔→咽頭→食道→胃→十二指腸→空腸→回腸→盲腸→結腸→直腸→肛門
となります。
消化腺
消化腺とは、唾液線、膵臓、肝臓、胆のう、などの消化に関係を持つ線とそれらを含んだ器官のことを言う。
消化線の役割とは?
消化線は、消化液を出して食べ物を分解処理(消化)します。
唾液腺の種類は?
唾液線は、口腔の粘膜に広く分布し、種類は、
- 顎舌線(がくかせん)
- 舌下腺(ぜっかせん)
- 耳下腺(じかせん)
などがあります。
唾液の消化酵素は、アミラーゼ(=プチアリン)で、
プチアリンは、唾液腺から出て、デンプンを麦芽糖にします
口腔とは?
口の中の腔所を口腔(こうくう)という。
①硬口蓋 ②軟口蓋 ③口腔 ④口蓋扁桃 ⑤口蓋垂
口蓋とは?
口腔の上側の壁は口蓋(こうがい)とよばれ、硬い硬口蓋とやわらかな軟口蓋に分けられます。
口蓋垂とは?
一般的にのどちんこと呼ばれているところ。口蓋の後端に存在します。
口蓋扁桃とは?
口蓋垂の左右にある大きなリンパ節の集まり
①エナメル質 ②ソウゲ質 ③歯髄 ④歯肉 ⑤歯槽骨 ⑥歯根管 ⑦セメント質 ⑧歯冠 ⑨歯根
乳歯
…生まれて6、7ヶ月頃から歯は生え始める歯。2歳ごろには上下10本、合計20本の歯が生え揃う。
永久歯
…乳歯が抜け落ちた後に生えてくる歯のこと。合計32本。切歯8本、犬歯4本、大臼歯12本、小臼歯8本の計32本です。
歯槽骨(しそうこつ)
…歯が入る骨のくぼみ。
歯根(しこん)
…歯の歯槽骨に入っている部分のこと。歯根の表面はセメント質で覆われています。
歯冠(しかん)
…歯の歯肉(しにく)に外に出ている部分。歯冠の表面は硬いエナメル質で覆われています。
ソウゲ質
…歯の本体であり、エナメル質の内側にあります。
歯髄
…ソウゲ質の内側にあり、歯に栄養を与える血管と神経が集まっている
食道
食道は通常平たくなっているが、食べ物が入ると次々に収縮を起こし、食べ物を胃まで運ぶ。
蠕動(ぜんどう)運動とは?
この作用を蠕動(ぜんどう)運動という。
胃
横隔膜の真下、お腹の左上部に位置します。
噴門とは?
・・・胃の入り口のこと
幽門とは?
・・・胃から、十二指腸に続く部分のこと。ここに管腔(かんくう)を閉じる括約筋があります。
管腔とは?
・・・血管や腸などの管(くだ)、経路のこと
胃腺とは?
・・・胃液を分泌します。胃液によって胃の中のものは消化されます。
腸
腸は、大きく分けて何と何に分けられる?
腸は、大きく分けて
- 大腸
- 小腸
から成り立っています。
小腸は、どのように分けられる?
小腸は、
- 十二指腸(じゅうにしちょう)
- 空腸(くうちょう)
- 回腸(かいちょう)
に分けられます。
十二指腸(じゅうにしちょう)…幽門と胆管と膵管に繋がっています。
絨毛(じゅうもう)…小腸内にある小さな突起のこと。ここから栄養を吸収する
大腸は、どのように分けられる?
大腸は、
- 盲腸(もうちょう)
- 結腸(けっちょう)
- 直腸(ちょくちょう)
に分けられます。
盲腸 | 大腸の始まり。回腸と繋がっています。虫垂(ちゅうすい)がある |
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結腸 | 食物中の水分を吸収します。 |
直腸 | 肛門手前の器官。平滑筋が特に発達しています。 |
消化のはたらき
消化にはどんな種類がある?2つ
消化器は、食べ物に外から力を加えて行う機械的消化と、化学反応で消化を行う化学的消化の2つがあります。
機械的消化とは?
機械的消化とは、食べ物に外から力を加えて行う消化のこと
機械的消化には何がある?
- 咀嚼(そしゃく)
- 嚥下(えんか)
- 蠕動運動(ぜんどううんどう)
などがあります。
咀嚼とは?
咀嚼とは、食べ物を歯で噛み砕くことをいう。
嚥下とは?
嚥下とは、口の中で咀嚼した食事を飲みこみやすい大きさにまとめ半ば反射的に喉の奥へ飲みこ込むことをいう。
蠕動運動とは?
蠕動運動とは、筋肉の収縮・弛緩により波のように内容物を先へ押し出していく運動のことをいう。胃や腸で起こります。
栄養吸収
絨毛から吸収されたアミノ酸の経路は?
絨毛から吸収されたアミノ酸の経路は、主に以下の2通りです
- 門脈から肝臓に入って、タンパク質に合成されます。
- そのまま血液循環によって全身に送られ、それぞれの場所でタンパク質に作りあげられます。
絨毛から吸収されたブドウ糖などの単糖類の経路は?
絨毛から吸収されたブドウ糖などの単糖類の経路は、主に以下の3通りです
- ブドウ糖は、絨毛から吸収された後、そのまま血液にまじり、全身に分配され、血液中に在中するブドウ糖の一部になります。
- 他の単糖類は、いったん肝臓に蓄えられて、人体に適した形になります。
- 血液中のブドウ糖のうち過剰な物は、いったん多糖類のグリコーゲンとなって肝臓に蓄えられ、必要に応じて脂肪などに変わります。
単糖類…デンプンなどの糖質が、消化酵素によって分解されてできる最終物