シェービング用香粧品
シェービング用化粧品には、プレシェーブ香粧品とアフターシェーブ香粧品というものがあります。
大まかに説明すると、
プレシェーブ香粧品は、ひげを剃る前に使うもの。
アフターシェーブ香粧品は、ひげを剃った後に使うもの。
になります。
それを踏まえてより深く学んでいきましょう!
プレシェーブ香粧品
プレシェーブ香粧品とは、ひげそり後の皮膚の荒れを防ぐ目的で、ひげそりの前(プレは前という意味がある)にひげを膨潤、軟化して剃りやすい状態にするために用いられるものを言います。
(例)シェービングソープ、シェービングクリーム、プレシェービングローションなど
シェービングソープの特徴
- 髭剃り時に使う石鹸のこと
- 固形、粉末、顆粒状のものがあり、固形は一般用、粉末・顆粒状のものは、業務用に多く用いられる。
- 清浄性よりも泡の性状が重視される。
- メが細かく、粘りがあり、しかも持続性のある泡をもつことが重要である。
- 肌を荒らさないように、保湿剤や過脂肪剤などが配合されることが多い。
シェービングクリームの特徴
- 髭剃り時に使うクリームのこと
- 現在は、エアゾールタイプのものが広く用いられている。
- クリーム質が滑らかでソフトな肌触りのものがよい。
- ひげの柔軟化作用とカミソリ刃の滑りやすさもシェービングクリームを選ぶポイントである。
- 使用後、水洗いするときに刃の間に詰まらないよう、ソフトで洗い落ちの優れた泡質のものが良い。
プレシェービングローションの特徴
- 電気カミソリが普及したことで使われるようになった。
- 収れん剤を配合し、毛穴を引き締めてひげを立たせるようにしている。
アフターシェーブ香粧品
アフターシェーブ香粧品とは、ひげ剃り後の皮膚を整えるとともに、潤いをあたえる目的で用いられるものを言います。
(例)アフターシェービングローション、アフターシェービングクリームなど
アフターシェービングローション
- ひげ剃り後の肌荒れやかみそり負けを癒し、清涼感を与えるため、ひげ剃り後に用いるもの。
- アストリンゼントローションの1種だが、アルコールの含有量が35~50%と高い。
- メントールやカンファーを配合することにより清涼感や消炎作用をあたえているものが多い。
アストリンゼントローション・・・酸性化粧水の一つ。皮脂や汗の分泌を低下させ,皮膚をひきしめる効果をもつもの。クエン酸,ホウ酸,ミョウバンなどを収れん剤として,アルコール,グリセリン,香料,水などと混合する。化粧くずれの防止や入浴後の汗止めに使用する。
化粧液
化粧液とは、化粧水と異なり、一般に粘度があるものを言います。(化粧水同様、保湿機能やエモリエント機能も持つ)
詳細
- 市販品には、美白効果、紫外線防止効果、抗炎症効果などを期待した成分を配合したものもある。
- 化粧液のうち、一部の成分を含むものは医薬部外品になる。
- 化粧液という言葉の代名称として「美容液」又は「保湿液」が記載されている。(「化粧品の表示に関する公正競争規約施行規則」より)
打粉類
打粉類には、主にベビーパウダーとタルカムパウダーがあります。
これらは基剤に90%以上のタルクを用いており、殺菌剤なども添加しています。
ベビーパウダー
ベビーパウダーは、あせもやただれ防止のために皮膚に塗布する粉末で、乳幼児に用いることが多いです。
乳幼児のおしめかぶれやあせも、ただれ防止に用いるものは医薬部外品に指定されています。
タルカムパウダー
タルカムパウダーは、タルクを原料とした粉末で、汗や油分を吸収し、肌ざわりをよくする化粧品です。入浴後やひげ剃り後などの使用に適しています。
パック剤
パック剤とは、皮膚の血行促進・経皮吸収の促進・清浄作用を目的としており、皮膜形成剤や、保湿剤、油分、粉末などの配合成分を含んだものを顔面などに塗布して使用される香粧品です。
パック剤の効果
主に顔面などに使用するパック剤には、以下の効果があります。
- 皮膚の血行促進
- 経皮吸収の促進
- 皮膚の清浄作用
皮膚の血行促進 |
①パック剤を皮膚に塗布する ↓ ②時間の経過で乾燥し皮膜を形成する ↓ ③皮膚は収縮・緊張し、水分蒸発の抑制を受けることで皮膚温度が上昇する このような流れで、パック剤は血行促進が期待されています。 |
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経皮吸収の促進 | パック剤により、皮膚の水分蒸発が抑制され(③)、その溜まった水分によって角質層が膨潤し、毛孔や汗孔が拡張することで、パック剤中に配合された成分の吸収の促進が期待されています。 |
皮膚の清浄作用 | パック剤の皮膜形成(②)により、毛孔や汗孔が拡張し(③)老廃物の排出が容易になる。
また、パック剤を剥がす際に、皮膜による汚れの吸着、除去が行われる。 |
パック剤の種類
ピールオフパック
ピールオフパックは、皮膚に塗布する際はゼリー状で薄い皮膜をつくり、皮膜を乾燥させた後に剥がすタイプのパック剤のことを言います。ビニールパック、ナイロンパックとも呼ばれます。
【特徴】
- 皮膜形成剤には、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニルなどが使用される
- パック剤には、保湿剤、油分、粉末なども配合される。
- 皮膚面の清浄作用、血行促進及び配合成分の経皮吸収作用が期待されている
- 皮膜形成に要する乾燥時間は肌質や季節などによって変わる。
- 乾燥時間が早すぎると、皮膜が破れる。
- 乾燥時間が遅すぎると、剥がすときに肌質によっては刺激感がある。
粉末パック
粉末パックとは、数種類の粉末を配合したパック剤で、使用時に水または乳液などを加え、ペースト状にして顔などに塗布するものを言います。昔は、粘土を用いていたので、クレイパックやドロンコパックといわれていました。
【特徴】
- 汚れや老廃物を吸着する目的でベントナイト、カオリンなどが配合される
- 抗炎症作用の目的で酸化亜鉛、ケイ酸マグネシウムなどが配合される
- 皮膚に少し厚めに塗り乾燥後洗い流すタイプのもと、指先でこすり落とすタイプのものがある。
ワックスパック
ワックスパックとは、加温・溶解させてから塗布し、冷却・固化することで皮膚を収縮させ、水分の蒸発を抑制し、肌のキメを整えるパック剤のことを言います。
【特徴】
- 主成分は、パラフィン
オイルパック
オイルパックとは、皮膚に親和性のある油性原料を主体としたパック剤のことを言います。
- 主成分は、スクワラン、オリーブ油、卵黄油、馬油など
- エステティックサロンやマッサージ店などで用いられる。
- エモリエント効果(=皮膚を柔軟にする作用)がある。
ウォッシングパック
ウォッシングパックとは、パックした後洗い流すタイプのパック剤のことを言います。ゼリー状のものや、乳化したタイプものがあります。
- 主成分は、メチルセルロース、ヒドロキシエチルロース、アルギン酸ナトリウム、卵黄油、ローヤルゼリーなど
その他の基礎香粧品まとめ問題
打粉に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) ベビーパウダーは主に乳幼児に使用するので, 作用が緩和であり、医薬部外品は含まれない
(2) 基剤は90%以上が体質顔料のタルクである。
(3) タルカムパウダーには、さわやかな香りをつけ, 少量の殺菌剤を配合してある
(4) タルカムパウダーは汗や油分を吸収するので、入浴後, ひげそり後に使用される
正解(1)・・・ベビーパウダーのうち、ただれの予防に用いるものは、医薬部外品である。
パック剤に関する次の記述のうち正しいものはどれか。
(1) ポリビニルピロリドンやポリビニルアルコールは、ピールオフパックの皮膜形成剤に使われる。
(2) パラフィンが主成分のパック剤をオイルパックという。
(3) ウォッシングパックの主成分が、界面活性剤である。
(4) 粉末パックには、汚れや老廃物を吸着する目的で酸化亜鉛が使われている。
正解(1)
(2)・・・パラフィンが主成分のパック剤をワックスパックという
(3)・・・ウォッシングパックの主成分は,メチルセルロースなどである
(4)・・・粉末パックには,汚れや老廃物を吸着する目的でベントナイト・カオリンが使われている。