メイクアップ用香粧品とは
メイクアップ用香粧品には、以下のようなものがあります。
- ベースメイクアップ香粧品
- ポイントメイクアップ香粧品
メイクアップ用香粧品 | ベースメイクアップ香粧品 |
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ポイントメイクアップ香粧品 |
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ベースメイクアップ香粧品
ベースメイクアップ香粧品は、肌の色や質感を整えて美しく見せるための香粧品です。
ポイントメイクアップ香粧品
ポイントメイクアップ香粧品は、口唇や目もとなどを強調し、立体感をあたえるための香粧品です。
メイクアップ用香粧品は、単に視覚的な効果をあたえるだけでなく、皮膚を保護し、健やかさを保つ機能ももっていることが必要です。
メイクアップ用香粧品に必要な性質
メイクアップ用香粧品に必要な性質は以下の通りです。
- 目的の色彩が得られること。
- 良好な展延性(えんてんせい)・被覆力があること。
- 付着性がよく、化粧崩れしないこと。
- 使用感がソフトで、違和感がないこと。
- 経時変化がなく製品特有の機能が低下しないこと。
- 皮膚の生理機能・健康状態に悪影響を与えないこと
ベースメイクアップ香粧品
おしろい(白粉)類とファンデーションの違い
ベースメイクアップ香粧品には、おしろい(白粉)類とファンデーションがありますが、その違いは何なのでしょううか?
おしろいとは、一般に、肌を白く見せるための化粧品で油成分の入っていない(少ない)ものことを指します。
フェイスパウダーとも呼ばれ、皮脂や汗を抑えてメイク崩れを予防するために、ベースメイク(ファンデーションで、シミ・毛穴などをカバーして整えるメイク)の最後に使用する仕上げのパウダー。
ファンデーションとは、油成分が多く含まれるおしろいのようなもので、ベースメイクに使用されます。
おしろい = フェイスパウダー = 仕上げのパウダー
ファンデーション = ベースメイクに使用される固形
ただ、おしろい(白粉)類とファンデーションの基本的性質に違いはありません。↓
基本的性質
ベースメイクアップ香粧品の基本的性質には以下のようなものがあります。
- のび(展延性)
- つき(付着性)
- 被覆力
- 吸収力
それぞれの性質について詳しくみていきましょう!
(1)のび(展延性)
皮膚に塗布したとき容易に・滑らかにのび広がる性質を、のび(展延性)といいます。
・・・この性質を持たせるため、タルクが用いられます。
(2)つき(付着性)
皮膚によく付着し、化粧崩れがしない性質を、つき(付着性)といいます。
・・・昔は、この性質を持たせるために、金属石けん(例:ミリスチン酸亜鉛)が用いられた。現在はマイカが用いられています。
(3)被覆力
肌の欠点(しみ、そばかす、白斑など)をかくすために、被覆する性質を、被覆力といいます。
この性質を持たせるために、酸化チタンが用いられます。
(4)吸収力
皮膚上の皮脂や汗を吸収して化粧崩れを防いだり、過度に油ぎった感じをあたえないようにするため、水分や油分を吸収する主要な性質を吸収力と言います。
この性質を持たせるために、一般にカオリンが用いられる。
おしろい(白粉)類
おしろいの機能は以下の通りです。
- 肌のしみ、そばかすなどをカバーする
- 肌の色を整え明るさをあたえる。
- 皮脂や汗などの皮膚の分泌物によるぎらつきを抑制する
- 肌にソフトな感じをあたえる
おしろいの種類
おしろいには、以下のような種類があります。
- 粉おしろい
- 固形おしろい
- 水おしろい
- 練りおしろい
↓それぞれの特徴について詳しくみていきましょう!
粉おしろい
粉末状のおしろいのこと。古くからこの粉末状が用いられ、各種のおしろい類の基本となっています。フェイスパウダーなど。
固形おしろい
粉おしろいに、油性の結合剤を少量加えて圧縮成型し、固形にしたもの。
機能的には粉おしろいとほぼ同じで、コンパクト、プレスドパウダー、プレスドフェイスパウダーとよばれているものがあります。
【固形おしろいに必要な性質】
- 均ーなかたさに圧縮成型されていること
- パフやスポンジに容易に付着し、皮膚へののりがよいこと。
- 簡単に割れないこと。
水おしろい
化粧水の中に粉おしろいを分散させたようなもの。
練りおしろい
被覆力の大きい酸化チタンを多めに含んだ粉おしろいをグリセリンなどの粘度の高い成分で練り合わせたもののこと。襟(えり)おしろいとも呼ばれる。
ファンデーション
ファンデーション | 固形ファンデーション | ケーキタイプ |
パウダータイプ | ||
両用タイプ | ||
油性ファンデーション | スティック状 | |
ケーキ状 | ||
乳化型ファンデーション | クリーム状 | |
乳液状 |
ファンデーションの種類には、以下のようなものがあります。
- 固形ファンデーション
- 油性ファンデーション
- 乳化型ファンデーション
↓それぞれの特徴について詳しくみていきましょう!
①固形ファンデーション
固形ファンデーションには、3つのタイプがあります。
- ケーキタイプ
- パウダータイプ
- 両用タイプ
↓さらに、それぞれの特徴について詳しくみていきましょう!
①ケーキタイプ
タルクが主体の粉末成分に、親油性の界面活性剤と流動パラフィンなどの油性成分を加え、均ーに混合し、圧縮成型したもの。
ケーキタイプ = タルク + 界面活性剤(親油性) + 油性成分
【特徴】
- スポンジに水を含ませて肌に塗布して使う
- 塗布後、水分が蒸発して親油性の状態になるので化粧崩れが少ない。
- 耐水性にすぐれていて、蒸し暑く、汗ばむことの多い日本の夏に適した製品。
②パウダータイプ
タルクが主体の粉末成分に、エモリエント性をもつ油性成分を加えて均ーに圧縮成型したもの。
パウダータイプ = タルク + 油性成分(エモリエント性)
【特徴】
- 乾いたパフで、肌に塗布して使う
- 粉末の表面が親油性になっているので、化粧崩れは少ない。
③両用タイプ
①ケーキタイプと②パウダータイプの両方の機能をもち、水を含んだスポンジでも、水を含まないパフでも使えるタイプ。粉末が水に濡れにくいようにあらかじめ処理してあります。
両用タイプ = ①ケーキタイプ + ②パウダータイプ
【特徴】
- ファンデーションの粉体をシリコーン油などで処理し、圧縮成型している。
②油性ファンデーション
油性ファンデーションとは、油性の基剤中に粉末成分を40~60%加えたもののことを言います。
油性ファンデーションには、以下の2つのタイプがあります。
- スティック状
- ケーキ状
【油性ファンデーションの例】
- 舞台化粧のドーランやグリースペイント。
- 部分用ファンデーションとしてのコンシーラー
【特徴】
- 皮膚への、①のび・②つき・③被覆力が良い。
- 化粧崩れしない。
- しみ、そばかすやそのほかの肌の色素異常をカバーするのに適している。
③乳化型ファンデーション
クリームや乳液などのエマルジョンに顔料を分散させたもののことを言います。
乳化型ファンデーションには、以下の2つのタイプがあります。
- クリーム状
- 乳液状
【特徴】
- 基剤となるエマルジョンには、O/W型とW/O型とがある。
- O/W型のエマルジョンに顔料などの粉末を10~20%分散させたものが一般的で、使用感が最もよく、違和感がない。
- 欧米でO/W型の乳化型ファンデーションは、リキッドメイクアップと呼ばれ、人気がある。
- 使用すると皮膚上で水分が蒸発してW/0型になり、化粧崩れしなくなるものもある。