<<チェックポイント>>
美容技術理論では、
- 美容技術理論
- まつ毛エクステンション
- 理・美容器具 ・ 色彩及びデザイン
が【重点項目】とされています。要チェックです。
シャンプーイングについて
シャンプーイングとは
シャンプーイングとは、シャンプー剤を用いて毛髪の汚れを洗い流すことをといいます。(単にシャンプーともいう)。
シャンプーイングの目的(過去問出題)
シャンプーイングの目的は、以下の通りです。
- 頭皮及び毛髪の汚れを洗い落とし、清潔&美しくする
- 他の美容技術(カットやブローなどのヘアデザイン)が容易に行えるような基礎をつくる
- 血行促進、新陳代謝など生理的なはたらきを助け、毛髪の健康な発育を促す
- 快感をあたえ、心身のリラクセーション効果を高める
頭皮・毛髪の汚れの原因
頭皮・毛髪の汚れの原因には、以下のようなものがあります。
- 体内からの汗、皮脂、脱落した角質(ふけ)などの分泌物によるもの
- 毛髪に物理的に付着している汚れで、主にヘアフォームヘアスプレーヘアクリームヘアワックスといった毛髪用化粧品などの残留物
- 排気ガスなどの大気汚染物質、空気中のちりやほこり、 たばこの煙など
シャンプーイングのお湯の適温は?
お湯の温度は、38〜40℃が適温です。
シャンプーイングの違い(過去問出題)
シャンプーイング | 技術者立ち位置 | 左側 | サイドシャンプー |
後ろ | バックシャンプー | ||
目的 | 全体の汚れや、スタイリング剤を落とすこと | ファーストシャンプー(予洗) | |
ファーストシャンプーで落としきなかった細かい汚れをとる | セカンドシャンプー(本洗い) |
シャンプーイングは、
技術者の立ち位置の違いによって、サイドシャンプーとバックシャンプーに分けられ、
目的・順序の違いによってファーストシャンプーとセカンドシャンプーに分けられます。
サイドシャンプー
サイドシャンプーは、お客さまやシャンプーボールの左側に技術者が立ち、シャンプーを行うことをいいます。
フェイスマスクを使用します。
バックシャンプー
バックシャンプーでは、お客さまやシャンプーボールの後ろに技術者が立ち、シャンプーを行うことを指します。
フェイスマスクを使用する必要がありません。
ファーストシャンプー(予洗)
ファーストシャンプーとは予洗のことで、ファーストシャンプーは、汗・皮脂ほこりなど毛髪全体の汚れや、スタイリング剤を落とすことが目的です。
大きめの動きでリズミカルに、あまり時間をかけずに洗う。
セカンドシャンプー(本洗い)
セカンドシャンプーとは本洗いのことで、セカンドシャンプーでは、ファーストシャンプーで落としきなかった汚れをとります。
頭皮の状態に合わせてシャンプー剤を選ぶことが大切です。
手の動きをやや細かくし、マッサージ効果を意識して行う。
パーマネントウェーブ&ヘアカラー施術前のシャンプー
パーマネントウェーブ&ヘアカラー施術前は、ファーストシャンプーだけを行います。
薬剤が効果的に働くようにクレンジング効果のあるシャンプー剤を選ぶようにします。
頭皮をこすらないようにし、やわらかいタッチで行うようにする。
ヘアカラー施術後のシャンプー
ヘアカラー施術後のアフターシャンプーは、薬剤を丁寧に取り除き、汚れも洗い流します。
シャンプーイングの際の注意事項
シャンプーイングの際の注意事項には、以下のよなものがあります。
- お客さまに不安感をあたえない
- 毛髪や頭皮を傷つけないよう注意する
- シャンプー剤を使いすぎない
- タオルドライでよく水分を取る
ブラッシング
ブラッシングとは?
毛髪にブラシを入れてとかす、整えること。シャンプーイングの前などに行われます。
ブラッシングの目的
ブラッシングの目的には、以下のようなものがあります。
- 除去・・・フケやほこりなど毛髪の汚れ、毛髪のもつれ、抜けるべき毛髪を除去し、新しい毛髪の発生を促すこと
- マッサージ効果・・・刺激と快感をあたえ、頭の新陳代謝を促し、皮脂の分泌を促進して毛髪のつや、光沢をよくすること
問題
シャンプーイングの目的や方法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか?
①シャンプーイングは、汚れを取り除き、その後のカットやブローなどヘアデザインを容易にする土台をつくる。
②セカンドシャンプーでは、ファーストシャンプーで落としきれなかった汚れをとるので、大きめの動きでファーストシャンプーより時間をかけない。
③パーマネントウェーブ及びヘアカラー施術前のシャンプーは、薬剤が効果的にはたらくようにしっかりとしたタッチで頭皮をこする。
④ヘアカラー施術後のアフターシャンプーは、薬剤を除去するため、時間をかけずに強めに洗う。
正解①
②セカンドシャンプーでは、ファーストシャンプーで落としきれなかった汚れをとるので、手の動きをやや細かくし、マッサージ効果を意識して行う。
③パーマネントウェーブ及びヘアカラー施術前のシャンプーは、頭皮をこすらないようにし、やわらかいタッチで行うようにする。
④ヘアカラー施術後のアフターシャンプーは、薬剤を丁寧に取り除き、汚れも洗い流す。
シャンプー剤
種類
シャンプー剤には、以下のような種類があります
- 洗浄効果を主としたシャンプー剤
- コンディショニング効果のあるシャンプー剤
- ヘアカラー用シャンプー剤
- 抗ふけ用のシャンプー剤
- 清涼感のあるシャンプー剤
- 頭皮のコンディションを整えるシャンプー剤
それぞれ詳しく見ていきましょう!
❶洗浄効果を主としたシャンプー剤
脂性の頭皮及び毛髪に使用するシャンプー剤です。
【特徴】
- 油成分の配合が少ない
- 洗浄力が強いので脱脂効果がある。
❷コンディショニング効果のあるシャンプー剤
乾性の頭皮及びダメージした毛髪のコンディションを整える目的で用いられるシャンプー剤です。
【特徴】
- 洗浄力を多少抑えて、 コンディションを整えるのが特徴。
- 皮脂の分泌が少ない乾燥性頭皮、パーマネントウエーブやヘアカラー施術によって水分が過剰に失われた乾燥毛に適している
- カチオンポリマーやシリコーン誘導体などを配合したものがある
❸ヘアカラー用シャンプー剤
ヘアカラーの施術後、 またはヘアカラーを繰り返している毛髪に用いるシャンプー剤です。
【特徴】
- 毛髪のpHを整える
- 保湿性を高めた弱酸性のシャンプー剤
❹抗ふけ用のシャンプー剤
抗ふけ効果のあるジンクピリチオンなどの薬剤が配合されたふけ取り用シャンプー剤です。
❺清涼感のあるシャンプー剤
メントールが配合された清涼感のあるトニックシャンプーです。
❻頭皮のコンディションを整えるシャンプー剤
頭皮のコンディションを整えるスキャルプシャンプーです。
成分
シャンプー剤の成分には、
- 界面活性剤
- コンディショニング剤
- 毛髪保護剤
などがある。
それぞれについて詳しく見ていきましょう!
❶界面活性剤
界面活性剤とは、水に溶ける構造と油に溶ける構造の両方を併せもつ物質です。
界面活性剤の働きによって、本来分離してしまう水と油が混ざり合うことができます。
汗によって頭皮に付着した塩分やほこりは、ほとんどが水洗で落ちますが、皮脂や油性の汚れを落とすには、界面活性剤の力が必要です。
界面活性剤の種類
- 水に溶けるとマイナスイオンを帯びるアニオン(陰イオン)界面活性剤
- 水に溶けるとプラスイオンを帯びるカチオン(陽イオン)界面活性剤
- プラスイオンとマイナスイオンの両方を帯びる両性界面活性剤
- 水に溶けてもイオン化しないノニオン(非イオン)界面活性剤
このうち、シャンプー剤の主成分として配合されているのがアニオン界面活性剤と両性界面活性剤です。
❷コンディショニング剤
コンディショニング剤は、毛髪表面に被膜をつくって毛髪を保護する成分です。
【機能】
髪の毛のきしみやを抑える働きを持ちます。
〜成分〜
- カチオンポリマー
- カチオン界面活性剤
- シリコーン誘導体
- 天然油
- エステル油など
❸毛髪保護剤
毛髪保護剤は、傷んだ毛髪に吸着、浸透して毛髪を保護するとともに補修する成分です。
【機能】
毛髪を補修して弾力を与え、保湿効果で毛髪にしなやかにする働きを持ちます。
〜成分〜
- 加水分解タンパク
- アミノ酸
- 植物エキス
- 多価アルコール
- 多糖類など
リンス・コンディショナー・トリートメント
シャンプー終了後には、次に行う技術や、お客さまの頭皮毛髪の状態や希望に合わせた、リンス、コンディショナーまたはトリートメントの施術を行います。
リンス・コンディショナー・トリートメントの役割
- 静電気を防止し、毛髪の手ざわりや櫛通りがよくする
- ヘアスタイリングの際の扱いが容易にする
リンス・コンディショナー・トリートメントの違い
リンスは、毛髪に柔軟性と光沢をあたえるために開発され、さらに高い保湿力などを加味したものがコンディショナー、損傷した毛髪の補修を求めたのがトリートメントです。
つまり、
リンス
リンスは、毛髪に柔軟性と光沢をあたえるために開発されたもの
コンディショナー
リンスよりも、さらに高い保湿力などを加味したもの
トリートメント
損傷した毛髪の補修を求めたもの
リンス・コンディショナー・トリートメントの成分
リンス・コンディショナー・トリートメントの成分には、
- カチオンポリマー
- 加水分解タンパク質(PPT)
- 油性成分
- 保湿剤
などがあります。
❶カチオンポリマー
毛髪表面に被膜をつくって保護する成分。
❷加水分解タンパク質(PPT)
加水分解タンパク質(PPT)とはタンパク質を加水分解したもの。毛髪の損傷によって流れ出たタンパク質を補う役割を果たす。
❸油性成分
失われた皮脂を補い、表面を覆った被膜が毛髪の水分蒸発をコントロールして、毛髪の滑らかさや手ざわりをよくするはたきを持つ成分。
- 植物油脂
- 脂肪酸
- ラノリン
- スクワラン
- シリコーン油
など
❹保湿剤
毛髪から水分を逃がさないようにし、静電気を抑えて損傷を防ぐための成分。近年は特に、ヒアルロン酸や、コラーゲンなど高分子の保湿剤が使用されている。
- グリセリン
- グリコール
- キトサン
- コラーゲン
- ヒアルロン酸
など
プレトリートメント
プレトリートメントとは?
A.パーマネントウエーブや、カラー施術前に過度な作用を抑えために行われるトリートメントのこと
スキャルプトリートメント
スキャルプトリートメントとは
スキャルプトリートメントとは、頭皮(スキャルプ)の手当て(トリートメント)という意味で、頭皮及び毛髪を健康に、かつ美しく保つために行われます。
健康な頭皮とは?
健康な頭皮とは、常に適当な皮脂膜に覆われ、正常な角化作用の行われている頭皮のことをいいます。
不健康な頭皮とは?
皮脂の分泌が過剰であったり、皮脂の分泌が不足して乾燥した頭皮のことを言います。
スキャルプトリートメントの目的
- 血液の循環を盛んにして、 頭皮の生理機能を高める
- 毛髪の成育を助長する
- 頭皮や毛髪の状態に応じて油分を補い、 毛髪に艶をあたえる
スキャルプトリートメントの種類
スキャルプトリートメントの種類には、
- ノーマルスキャルプトリートメント
- ドライスキャルプトリートメント
- オイリースキャルプトリートメント
- ダンドラフスキャルプトリートメント
- 敏感肌用スキャルプトリートメント
などがあります。
❶ノーマルスキャルプトリートメント
頭皮が正常な状態のときに、その状態を維持するために行うスキャルプトリートメント
❷ドライスキャルプトリートメント
皮脂が不足して、頭皮が乾燥している状態のときに行うスキャルプトリートメント
❸オイリースキャルプトリートメント
頭皮の皮脂の分泌が過多の場合に行うスキャルプトリートメント
❹ダンドラフスキャルプトリートメント
ふけが多い状態のときに行うスキャルプトリートメント。ダンドラフとはふけという意味。
❺敏感肌用スキャルプトリートメント
外部からの刺激に敏感に反応して、トラブルを起こしやすい状態のときに行うスキャルプトリートメント
スキャルプトリートメントの方法
スキャルプトリートメントの方法には、
- 物理的方法
- 科学的方法
があります。
❶物理的方法
- ブラシを使用する方法
- スキャルプマッサージによる方法
- 温熱(スチームタオル・ヘアスチーマー)や、赤外線機を使用する方法
❷科学的方法
- ヘアトニックを使用する方法
- スキャルプトリートメント剤を使用する方法
例題)スキャルプトリートメントを施す場合の化学的な方法は、次のうちどれか。
(1)ヘアトニックを使用する。
(2)スキャルプマッサージを行う。
(3)ブラシを使用する。
(4)ヘアスチーマーなどの湿熱を利用する。
正解 (1)
育毛剤
洗髪後に育毛剤などの薬剤を使ってスキャルプケアを行うことは、頭皮を健やかに保ちながら、脱毛・薄毛を防ぎ、発毛・育毛を促進することにつながります。
育毛剤の成分には、
- ビオチン
- ビタミンE誘導体
- グリチルリチン酸ジカリウム
- オクトピロックス
などがあります。
❶ビオチン
脱毛予防、湿疹や皮膚炎の軽減を目的とした成分
❷ビタミンE誘導体
血行促進を目的とした成分
❸グリチルリチン酸ジカリウム
消炎効果を目的とした成分
❹オクトピロックス
ふけ、かゆみ防止を目的とした成分
その他
ほかにも、育毛剤に清涼剤が含まれることがあり、爽快感やリラックスを与える目的で配合されます
スキャルプマッサージ(過去出題)
スキャルプマッサージとは
A.スキャルプマッサージとは、頭皮に対してマッサージを行う手技のことをいいます。
スキャルプマッサージの目的
- 知覚神経を刺激して、 血液の循環を盛んにすること
- 筋肉や分泌腺の機能を盛んにし、 頭皮に弾力をあたえ、弾性線維の退化を防ぎ、頭皮の健康状態を良好に保つこと
スキャルプマッサージの基本手技
スキャルプマッサージの基本手技には、
- 軽擦法
- 強擦法
- 揉燃法
- 振動法
- 打法
- 圧迫法
などがあります。
❶軽擦法(エフルラージュまたはストローキング)
母指を除く両手の4指の指の腹で、前頭部から側頭部まで頭皮を軽くこする感じで、滑らせる手法。頭頂部から後頭部にかけても同様にする
【簡単に言うと】手掌、4指、母指などを用いて、軽くこする方法。
【効果】知覚神経を休息させ、毛細血管に対しては、皮膚及び毛髪の栄養補給を促す
❷強擦法(フリクション)
右手を右耳の上部に、左手を左耳後ろ下(母指が後頭部中央にあたる程度のところ)にもっていき、指を開き、母指と中指の先で押す程度にあてて強く頭皮を押し、手から急に力を抜き、その勢いで頭皮を強くこする手技
【簡単に言うと】皮膚を押さえつけながら強くこする方法。
【効果】血管の充血を高め、新陳代謝を促し、皮下の老廃物を除くのを早める。
❸揉燃法(ペトリサージュ)
揉燃法は、両手掌を左右の耳介部にかぶさるように置き、指先が頭皮に触れる瞬間に力を入れてつまみ上げ、指先全体で円を描くように頭頂部までもんでいく手技
【簡単に言うと】手掌で筋肉を握り、 4指と母指を用いてもみほぐす方法
【効果】皮下の老廃物を組織外に送り、 静脈とリンパ管のはたらきを高めて、皮膚を健康にする。
❹振動法(ビブラシオン)
右手掌を右耳上都後方に、左手掌を左耳上部前方にあて、両手掌に振動をあたえながら圧迫し、そのまま徐々に、指のつけ根から指先を頭頂につけていき、 頭頂で指を立てる手法。
【簡単に言うと】指先だけでなく腕全体で、皮膚や下部組織に振動を伝える。
【効果】知覚神経に快感をあたえ、血液循環を促す。
❺打法(タポートマン)
皮膚を叩いて平均的に刺激をあたえ、神経に快感をあたえる手法。
タッピング…指の掌面を用いて、頭をはじくように叩打する方法。
ハッキング…両手の指間を開け、手掌の外側面で軽く交互に叩打する方法。
カッピング…手掌をカップ状にくぼませて両手を軽く握り、手の甲で頭、首、肩をリズミカルに叩く方法。
❻圧迫法(プレシオン)
圧迫することで充血を調節し、刺激する手法。
両側頭部を圧迫し、頭頂部の皮膚の緊張を緩める
例題)スキャルプマッサージの基本手技に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1)揉捻法は、両手掌を左右の耳介部にかぶさるように置き、指先が頭皮に触れる瞬間に力を入れてつまみ上げ、指先全体で円を描くように頭頂部までもんでいく手技
(2)振動法は、強く頭皮を押し、手から急に力を抜く勢いで頭皮を強くこする手技
(3)打法のハッキングは、指の掌面を用いて頭をはじくように叩打する手技
(4)打法のタッピングは、両手の指間を開け、手掌の外側面で軽く交互に叩打する手技
正解)(1)
ヘッドスパ
ヘッドスパとは?
ヘッドスパとは従来のスキャルプトリートメントより一歩踏み込んで、ツボマッサージや専用の用剤を使用し育毛促進のための頭皮環境の改善やリラクセーションに重きをおいたものです