美容師法(過去出題)
美容師法の目的は?
A. 美容師の資格を定めるとともに、美容の業務が適正に行われるように規律し、もつて公衆衛生の向上に資すること
この法律は、美容師の資格を定めるとともに、美容の業務が適正に行われるように規律し、もつて公衆衛生の向上に資することを目的とします。
美容師法の制定の主な目的3つ(過去出題)
- 美容師の資格を定めること
- 美容の業務が適正に行われるよう規律すること
- 公衆衛生の向上に資すること
【過去問に挑戦!】 (第43回)
美容師法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 公衆衛生の向上に資することを目的としています。
- 美容師の資格を定め、免許を持たない者が美容を業としてはならないと定めています。
- 美容業の振興を図る方策について定めています。
- 美容の業務が適正に行われるよう規律しています。
解答③
美容の定義は?(過去出題)
A. 「美容」とは、パーマネントウエーブ、結髪、化粧等の方法により、容姿を美しくすること
この法律で「美容」とは、パーマネントウエーブ、結髪、化粧等の方法により、容姿を美しくすることをいう。
「パーマネントウエーブ、結髪、化粧等の方法により、容姿を美しくすること」
- 美容業の施術のうち、最も代表的で一般的なものを例としてあげたものであり、美容のもつ最小限の共通事項をとらえた定義です。
- パーマネントウエーブ、結髪、化粧が例としてあげられているが、美容の施術内容をこれらのものだけに限定しようという趣旨ではない。
「容姿を美しくする」
- 人の姿かたちを美しくするということを意味します。
- 人の容姿を美しくする方法には、いろいろな方法があります。
- どのような施術によって人の容姿を美しくするべきなのかを法律では規制していない。
美容師の定義は?
A. 「美容師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて美容を業とする者
この法律で「美容師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて美容を業とする者をいう。
「厚生労働大臣の免許を受けて美容を業とする者」
- 美容の行為を社会生活上の一つの役割として反復継続的に行うこと。(過去出題)
- 反復継続的に行うとは、実際には客が来なかったりして繰り返して続けることができなかったとしても、そのようにしたいという積極的な意思をもつと認められる場合も含めています。
また、美容師法では「美容師でなければ、美容を業としてはならない」と規定しています。
- 美容師が、理容所で理容の業を行った場合、無資格者が業を行ったことになります。
- 美容師の免許をもたないで美容を業とした者は、30万円以下の罰金に処せられます。
免許とは?
免許は、法令によって一般人には禁止されている行為を、特定の適格者(資格にかなっている者)に限り、適法に行うことができるという特別の地位を与えるための行政処分です。
美容所の定義は?
A. 美容所とは、美容の業を行うために設けられた施設
この法律で美容所とは、美容の業を行うために設けられた施設をいう。
法律上の「施設」の考え方は?
施設というときは、器具、機械(広くは建物その他の工作物)などの物的設備のほか、それを動かす人及び運営される事業活動の全体をさすのが法律一般の考え方です。
理容・美容所と生活スペースが、同じ建物内にある場合、全て理容・美容所という扱いになる?
なりません。理容・美容の業を行うために設けられたところだけが理容・美容所という扱いになります。
理容所・美容所は、自動車を使用した移動理容所・美容所も認められている?
理容所・美容所は固定施設に限定されず、自動車を使用した移動理容所・美容所も認められています。
理容所と美容所は、それぞれ別個に設けなければならず、原則として重複開設(同一の場所で開設すること)はできないが、認められる場合の条件は?
「理容所及び美容所の衛生上必要な要件を満たし、かつ、理容師、美容師双方の資格を有する者のみからなる事業所」であること
無免許営業の禁止(過去出題)
- 美容師でなければ、美容を業としてはなりません。
美容師でなければ、美容を業としてはならない?
- 免許をもっていない美容師養成施設の生徒は、美容の業を行うことはできない。
業務独占資格とは?
- 業を行う者を免許を受けた者に限る資格を業務独占資格という。
美容の業を行うことができる者→美容師試験を受けて合格し、免許を受けた者(過去出題)
無免許営業の禁止と罰則
理容師・美容師の免許をもたないで理容・美容を業とした者の罰則は?
理容師・美容師の免許をもたないで理容・美容を業とした者は、30万円以下の罰金に処されることがあります。
美容師でなければ、美容を業としてはなりません。
免許
- 美容師試験に合格した者は、厚生労働大臣の免許を受けて美容師になることができます。
- 誰でも試験を受けることができるというわけではない。
- 国外で美容師免許を取得した者であっても、新たに国内で免許を受けなければ、美容師になることができない。
- 理容師・美容師になるための一定の基礎教育を修了した者だけが、この試験を受けることができます。
- 筆記試験と実技試験に合格すれば、美容師免許を受けなくても美容の業を行うことができるわけではない。(=免許を取得して初めて美容の業を行うことができます。)
「理容師・美容師」の地位を与えるための行政処分とは何?
理容師名簿・美容師名簿への登録と理容師免許証・美容師免許証(指定登録機関が登録事務を行う場合は理容師免許証明書:美容師免許証明書)の交付
美容師試験(過去出題)
- 美容師試験は、美容師として必要な知識及び技能について行う。
- 美容師試験は、厚生労働大臣が行う。
- 美容師試験は、学校教育法(昭和22年法律第26号)第90条に規定する者であつて、都道府県知事の指定した美容師養成施設において厚生労働省令で定める期間以上美容師になるのに必要か識及び技能を修得したものでなければ受けることができない。
- 前項に定めるもののほか、美容師試験及び美容師養成施設に関して必要な事項は、厚生労働省令で定めます。
美容師になろうとする者が免許を得るまでの3ステップは?
- 都道府県知事の指定する理容師養成施設・美容師養成施設で理容師美容師になるのに必要な教育を受ける
- 美容師養成施設で美容師になるのに必要な教育を受けたあと、厚生労働大臣(指定試験機関)が行う美容師試験を受け、これに合格したときに、免許の申請をします。
- 厚生労働大臣(指定登録機関)が必要な審査をして、免許を与えてさしつかえないと判断したときは美容師名簿に免許の登録をして、美容師免許証(美容師免許証明書)が交付されます。
美容師試験を受験するためには→美容師養成施設において、美容師になるのに必要な知識及び技能を修得する必要がある(過去出題)
養成施設
美容師養成施設の入所資格とは?
養成施設の入所資格は、学校教育法第90条に規定する者とされています。
「学校教育法第90条に規定する者」
- 「大学に入学することのできる者」のこと。
- 「高等学校もしくは中等教育学校を卒業した者、もしくは通常の課程による12年の学校教育を修了した者(通常の課程以外の課程によりこれに相当する学校教育を修了した者を合む。)または文部科学大臣の定めるところにより、これと同等以上の学力があると認められた者」など。
- つまり高等学校卒業者など大学への入学資格をもつ者のこと。
原則は上記のとおりだが、法の附則で「当分の間、学校教育法第57条に規定する者を入所させることができる」との経過措置が定められています。
このため、現在は中学校卒業者または同等以上の学力があると認められた者も養成施設への入所資格を認められています。
- なお、この場合は厚生労働大臣が定める講習を受けてその課程を修了しなければなりません。
養成施設とは?
法第4条第3項に規定する美容師養成施設の指定の基準は、次のとおりとします。
①昼間課程に係る基準
イ 学校教育法(昭和22年法律第26号)第90条に規定する者であることを入所資格とするものであること。
ロ 修業期間は、2年以上であること。ただし、理容修得者課程の修業期間は、1年以上であること。
ハ 教科課目及び単位数は、別表第1(理容修得者課程については別表第1の2)に定めるとおりであること。(中略)
②夜間課程に係る基準
イ 前号(へを除く。)に該当するものであること。(中略)
③通信課程に係る基準
イ 第一号のイ、ハ(単位数に係る基準を除く。)、ニ、ト、リ、ヨ及びタに該当するものであること。
ロ 修業期間は、3年以上であること。ただし、理容修得者課程の修業期間は、1年6月以上であること。(以下略)
必修科目
必修の教科課目と課目ごとの単位数は、以下のとおり定められています。
課目 | 単位数 | |
必須科目 | 関係法規・制度 | 1単位以上 |
衛生管理 | 3単位以上 | |
保健 | 3単位以上 | |
香粧品化学 | 2単位以上 | |
文化論 | 2単位以上 | |
理容技術理論/美容技術理論 | 5単位以上 | |
運営管理 | 1単位以上 | |
理容実習/美容実習 | 30単位以上 | |
小 計 | 47単位以上 | |
選択科目 | 20単位以上 | |
合 計 | 67単位以上 |
修業期間が半分に短縮される?
理容師養成施設または美容師養成施設のいずれか一方を卒業した者が他方の養成施設で履修する場合の特例的な課程として、理容修得者課程と美容修得者課程が設けられています。
これらの課程では以下のとおり履修課目の一部が免除されたり必要な単位数が減らされ、その結果、養成課程の修業期間が半分に短縮されています。
課目 | 単位数 | |
必須科目 | 関係法規・制度 | ー |
衛生管理 | ー | |
保険 | ー | |
香粧品化学 | ー | |
文化論 | ー | |
理容技術理論/美容技術理論 | 4単位以上 | |
運営管理 | ー | |
理容実習/美容実習 | 23単位以上 | |
小 計 | 27単位以上 | |
選択科目 | 7単位以上 | |
合 計 | 34単位以上 |
養成施設には、何種類の養成課程がある?
養成施設には昼間課程、夜間課程及び通信課程の3種類の養成課程があります。
4 美容師養成施設は、次の各号に掲げる養成課程の全部又は一部を設けるものとします。ただし、通信課程は、昼間課程又は夜間課程を設ける美容師養成施設に限つて、設けることができます。
ー 昼間課程
ニ 夜間課程
三 通信課程
養成施設での修業期間は、昼・夜・通信それぞれ何年と定められている?
- 修業期間は、理容師法・美容師法では厚生労働省令で定める期間以上となっていて、その厚生労働省令によると、昼間課程及び夜間課程が2年、通信課程が3年。
- 理容修得者課程及び美容修得者課程は、履修課目の一部が免除されたり必要な単位数が減らされ、修業期間は、昼間課程及び夜間課程が1年以上、通信課程が1年半以上。
試験(過去出題)
美容師免許は、試験に合格しなければ受けることができない?
免許は、試験に合格しなければ受けることができない。
厚生労働大臣は、その指定する者に、美容師試験の実施に関する事務を行わせることができます。
- 試験は、美容師になろうとする者が、美容師に必要とされる知識及び技能を備えているかを公的機関によって判定するために行われます。
筆記試験または実技試験のいずれかに合格した者でも、次回の試験でもまた両方受けなければいけない?
- 筆記試験または実技試験のいずれかに合格した者は、次回の試験のときに限り、申請することにより合格した試験が免除される。(過去出題)
指定試験機関
理容師試験・美容師試験は、何という指定試験機関が行なっている?
A.公益財団法人理容師美容師試験研修センター(指定登録機関でもある)
- 平成2(1990)年度の理容師試験・美容師試験から、公益財団法人理容師美容師試験研修センターが指定試験機関として、試験事務を行ってきた。
指定試験機関(公益財団法人理容師美容師試験研修センター)は、誰の委任を受けて試験事務を行っている?
A.厚生労働大臣
- 平成12(2000)年度に試験を行う権限が都道府県知事から厚生大臣に移ったことにともない、厚生大臣の委任を受けて試験事務を行うことになりました。
試験地は、自分の本籍のある都道府県でなければならない?
試験地は、自分の本籍のある都道府県でなくてもよい。(重要)
- 試験地は、本籍、住所、養成施設の所在地などに関係なく、どの試験会場で受験してもよい。
指定登録機関
厚生労働大臣により、免許登録事務を委任しされている指定登録機関とは何?
A. 公益財団法人理容師美容師試験研修センター(指定試験機関でもある)
免許は、名簿に登録することによって行われます。
実際は厚生労働大臣は免許登録事務を指定登録機関に委任しています。
免許証明書
厚生労働大臣に代わり試験研修センターから交付される「免許証明書」とは?
免許証明書とは、厚生労働大臣から免許を与えられていることを、指定登録機関である試験研修センターが証明するもの。
厚生労働大臣から交付される「理容師免許証」「美容師免許証」と試験研修センターから交付されるものでは、効力が違う?
- 厚生労働大臣から交付される「美容師免許証」と効力は同じ。
美容師の免許は、美容師試験に合格した者の申請により、美容師名簿に登録することによつて行う。
厚生労働大臣は、美容師の免許を与えたときは、美容師免許証を交付します。
厚生労働大臣は、その指定する者(以下「指定登録機関」という。)に、美容師の登録の実施等に関する事務(以下「登録事務」という。)を行わせることができます。
指定登録機関が登録事務を行う場合における第5条及び第5条の2第2項の規定の適用については、第5条中「厚生労働省」とあるのは「指定登録機関」と、第5条の2第2項中「厚生労働大臣」とあるのは「指定登録機関」と、「美容師の免許を与えたときは、美容師免許証」とあるのは「前項の規定による登録をしたときは、当該登録に係る者に美容師免許証明書」とします。
名簿
免許を受けることができる者は、試験に合格した者。
- また免許は、指定登録機関に備えられた名簿に必要な事項を登録することによって、登録の時点から効力を生じます。
- 名簿は試験研修センターに備えつけられ、免許は厚生労働大臣に代わり試験研修センターから「理容師免許証明書」「美容師免許証明書」として交付されます。
名簿
美容師のデータベースのようなもの。
- 一人一人の美容師ごとに、本籍、氏名、生年月日、性別、試験合格日、業務停止または免許取消処分を受けたり再免許を受けたりした場合はその事実などを記録します。
- 日本の国籍を有しない者でも、美容師免許を獲得することは可能。
- 就労には在留資格が必要になるため、国内で美容師免許を獲得しても、日本国籍を持っている者とは雇用契約を結ぶ際、異なる資格が必要になります。
- さらに在留資格のうち働くことを目的とする場合、就労ビザの獲得が必要だが、獲得は困難です。
- 国外で美容師免許を取得した者であっても、日本で新たに厚生労働大臣(指定登録機関)の免許を受けなければ、美容師になることができない。
厚生労働省に美容師名簿を備え、美容師の免許に関する事項を登録します。
美容師名簿(以下「名簿」という。)には、次に掲げる事項を登録します。
⑴登録番号及び登録年月日
⑵本籍地都道府県名(日本の国籍を有しない者については、その国籍)
⑶氏名、生年月日及び性別
⑷美容師試験合格の年月
⑸業務停止の処分年月日、期間及び理由並びに処分をした者
⑹免許取消しの処分年月日及び理由
⑺再免許のときは、その旨
⑻美容師免許証(以下「免許証」という。)若しくは美容師免許証明書(以下「免許証明書」という。)を書換え交付し、又は再交付した場合には、その旨並びにその理由及び年月日
⑼登録の消除をした場合には、その旨並びにその理由及び年月日
免許の効力
美容師免許の効力は?
免許を与えるのは厚生労働大臣なので、効力は日本国内全域に及ぶ。
美容師免許は、いつから効力が生じる?
指定登録機関に備えられた名簿に必要な事項を登録することによって、登録の時点から効力を生じます。
日本の国籍を有しない人でも、美容師免許を獲得することは可能?
可能
- 美容師の免許は、美容師名簿に登録した時点から効力を生じる。
- 美容師免許は一度与えられれば、取消処分を受けない限り、生涯にわたって有効。
- 美容師試験に合格し、合格証書をもっている者でも、名簿に登録して免許証を交付されなければ、免許を持っていることにはならず、美容師として美容の業に従事することができない。
❌ 美容師試験に合格した者は、自動的に厚生労働省(指定登録機関)の美容師名簿に免許の登録がなされるので、合格証書の交付を受ければ、ただちに美容を業として行うことができます。(○免許の登録後)
❌ 美容師試験に合格し、免許の申請が受理されれば、美容の業務に従事することができます。(○免許の登録後)
免許申請の手続き
免許は、試験に合格した者の申請に基づき行われます。
美容師・理容師免許の申請の手続きは、何に定められている?
免許申請の手続きについては、理容師法施行規則、美容師法施行規則に定められています。
免許を受けようとする者から、厚生労働大臣(指定登録機関)に対し、所定の様式による免許申請書によって申請を行う。
美容師・理容師免許の申請の手続きは、何が必要?
①戸籍膳本、戸籍抄本、住民票の写し
- (本籍が記載されているもの。外国人の場合は住民基本台帳法第30条の45に規定する国籍等を記載したもの。)のいずれか
②精神の機能の障害に関する医師の診断書
- 厚生労働大臣(指定登録機関)は提出された免許申請書を審査して、免許を与えてさしつかえないと判断したときは、名簿に登録して免許証(指定登録機関が登録事務を行う場合は免許証明書)を交付します。
③登録免許税を国に、登録手数料を指定登録機関に納付するためのお金
- 登録免許税を国に、登録手数料を指定登録機関に納付します。
美容師の免許の申請は、 厚生労働大臣(指定登録機関)に対して行う。
美容師の免許の申請には、
- 戸籍膳本、戸籍抄本、住民票の写し、のいずれか1つ
- 精神の機能の障害に関する医師の診断書
を添えて提出します。
免許は試験に合格した者の申請に基づいて行われ、厚生労働大臣は提出された免許申請書を審査し、適格者であると判断した場合、名簿に登録して免許証を交付します。
免許申請の手続き条文
美容師法(昭和32年法律第163号。以下「法」という。)第3条第一項の規定により美容師の免許を受けようとする者は、様式第1による申請書に次に掲げる書類を添えて、厚生労働大臣に提出しなければなりません。
- 戸籍の勝本若しくは抄本又は住民票の写し(住民基本台帳法(昭和42年法律第81号)第7条第五号に掲げる事項(出入国管理及び難民認定法(昭和26年政令第319号)第19条の3に規定する中長期在留者及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(平成3年法律第71号)に定める特別水住者にあっては、住民基本台帳法第30条の45に規定する国籍等)を記載したものに限ます。第3条第2項において同じ。(出入国管理及び難民認定法第19条の3各号に掲げる者にあっては、旅券その他の身分を証する書類の写し。第3条第2項において同じ。)
- 精神の機能の障害に関する医師の診断書
欠格条件
試験合格者でも、免許が与えられないことがある?
試験に合格しても免許が与えられない場合があります。
美容師免許を受けた後でも、免許が取り消されることがある?
欠格条件に該当するなど、一定の条件で免許が取り消されることがあります。
無免許または免許を取り消された者の場合、2度と免許が与えられることはない?
違反行為をしたことを後悔し、二度と繰り返さないと深く反省していると認められれば、無免許で理容、美容の業を行った者にも免許か与えられる場合があり、免許取消処分を受けた者でも免許が与えられる場合があります。
免許の欠格条件の条文
美容師の免許は、次のいずれかに該当する者には、与えないことがあります。
- 心身の障害により美容師の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
- 第6条の規定に違反した者
- 第10条第3項の規定による免許の取消処分を受けた者
美容師の免許を受けずに美容を業とした者→美容師の免許が与えられないことがあります。
欠格条件① 精神機能障害
法第3条第2項第一号の厚生労働省令で定める者は、精神の機能の障害により美容師の業務を適正に行うに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者とします。
理容師法・美容師法では、以前は精神病者またはてんかんにかかっている者は、免許を与えない欠格条件としていた。
しかし、最近では障害のある人の社会参加を促進するため、心身に障害のある人を理容・美容の世界から一律、機械的に排除することは行わないという考え方となっています。
精神機能障害により理容師・美容師の業務を適正に行うにあたって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことに支障があるかどうかを、事例ごとに、科学的根拠に基づいて公正に判断して、免許を与えるかどうかを決定することとしています。
治癒等の考慮
厚生労働大臣は、美容師の免許の申請を行った者が精神の機能に障害があるとに判断する際に、申請者が現に受けている治療等により障害の程度が軽減している状況を考慮しなければなりません。
障害のある方が社会活動に参加することを不当にはばむことのないようにするための措置。
厚生労働大臣は、美容師の免許の申請を行った者が前条に規定するかどうかを決定するときは、当該者が現に受けている治療等により障害の程度が軽減している状況を考慮しなければなりません。
意見の聴取
厚生労働大臣は、美容師の免許の申請を行った者が精神の機能に障害があるとに判断し、免許を与えないとするときは、あらかじめ、申請者にそのこと通知し、それに対し求めがあったときは、意見を聞かなければなりません。
既に免許を受けた理容師・美容師が、その後、精神の機能の障害により免許を与えないとする場合も、同様。
厚生労働大臣は、美容師の免許を申請した者について、第3条第2項第一号に掲げる者に該当すると認め、同項の規定により美容師の免許を与えないこととするときは、あらかじめ、当該申請者にその旨を通知し、その求めがあつたときは、厚生労働大臣の指定する職員にその意見を聴取させなければなりません。
欠格条件② 無免許または免許を取り消された者の場合
美容師法第3条第2項第二号に該当する者とは?
第6条の規定に違反した者
美容師でなければ、美容を業としてはなりません。
A. つまり、過去に美容師でないのに美容の業をした者
美容師法第3条第2項第三号に該当する者とは?
第10条第3項の規定による免許の取消処分を受けた者
A.つまり、美容師である者が業務の停止処分を受け、業務停止の期間中に美容を業としたために、免許の取消処分者
再免許は不可?
- これらのケースについては、違反行為について本人の反省の気持ちがなく、再犯のおそれがもあるような場合は免許は与えられない。
- 違反行為をしたことを後悔し、二度と繰り返さないと深く反省していると認められれば、無免許で理容、美容の業を行った者にも免許が与えられる場合がある。(重要)