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香粧品

20.香粧品用原料(油性原料・油脂・ロウ・炭化水素) まとめ

はじめに

 

皮膚の表面は、皮脂と汗とからなる皮脂膜で覆われています。

この皮脂膜は、皮脂の油と汗の水分が混ざった状態となっていて、皮膚や毛髪を保護しています。

いわば、皮脂膜とは、水と油が混ざった「うるおいの保護膜」とも言えます。

皮脂膜は、遊離脂肪酸、スクワレン、リン脂質、コレステロールなど沢山の物質から構成されているのですが、肌に直接使用する香粧品の原料は、これらの生理的な油性物質(皮脂)に近いものがいいとされています

では、実際に香粧品に使用される油性物質にはどんなものなのでしょうか?

機能・種類の順に、一緒に見ていきましょう!

油性原料の機能

油性原料は、以下のような機能があります。



油性原料の機能

  1. マッサージ効果の促進…油性原料を使ってマッサージすることで効果を高める
  2. 柔軟性、滑沢性を与える…皮膚や髪の毛を柔らかく、滑らかで艶がある状態にする
  3. 香料を香りをとどめる機能(保留剤)
  4. 水をはじく皮膜によってメイクアップ効果を保持する(疎水性)
  5. 角質層の水分蒸発の抑制と皮膚の柔軟化、経皮吸収作用の促進
  6. 寒い時期の乾燥や、紫外線から皮膚を守る(紫外線吸収作用)
  7. 外部の異物の進入を防止…油性皮膜を皮膚表面に作ることによって異物を皮膚に近づけない
  8. 皮膚表面の洗浄化…溶媒作用によって汚れを溶かし取る

問題

油性原料の香粧品への機能に関する次の記述のうち誤っているものはどれか。

(1) 油性物質なので, 皮膚表面の清浄効果はない。
(2) 皮膚面でのマッサージ効果の促進。
(3) メイクアップの効果の持続。
(4) 外部からの異物の混入の阻止。

正解(1)…皮膚表面の清浄効果はある。

油性原料の皮膚への作用に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。

(1) 皮膚の柔軟化
(2) 角質層からの水分の蒸散の促進
(3) 寒冷時期における皮膚の保護
(4) 香粧品成分の角質層への吸収促進

正解(2)…角質層の水分蒸発の抑制が正しい。

香粧品に配合される油性原料に関する次の記述のうち、正しいものはどれか

(1)高級アルコールは貴重な高級品のアルコールという意味である。
(2)メチルポリシロキサン(シリコーン油)は水をはじく性質があり、スタイリング剤に配合される。
(3) 炭化水素は口紅には配合されるが、クリームには配合されない。
(4) 油脂は脂肪酸と高級アルコールのエステルである。

正解(2)

(1)…高級アルコールとは炭素数の多いアルコールのことである。

(3)…炭化水素は口紅、クリームに配合される。

(4)…油脂は高級脂肪酸とグリセリンの化合物である。

油性原料の種類



香粧品に使用される油性原料には、以下のようなものがあります。

  1. 脂肪酸エステル(最も種類が多い)
  2. 炭化水素
  3. シリコーン

香粧品用の油性原料の中でも最も種類が多いのが、脂肪酸エステル(合成エステル)です。

それ以外には、炭素原子(C)と水素原子(H)だけでできた化合物の炭化水素や、珪石(けいせき)を原料として合成される合成樹脂のシリコーンなどがあります。

それぞれ詳しく見ていきましょう!

脂肪酸エステル(合成エステル油)とは?

脂肪酸エステルは、脂肪酸とアルコールから合成される化合物のことを言います。

ほとんどが油状の液体であり、合成エステル油とも呼ばれます。

つまり、

脂肪酸エステル = 脂肪酸 + アルコール

ということです!

脂肪酸エステルには、油脂や、ロウなどがあります。

油脂 = 脂肪酸 + グリセリン(アルコールの一種)

ロウ類 = ①高級脂肪酸 + ②高級アルコール

また、天然の油脂(高級脂肪酸と高級アルコール)とグリセリン(アルコールの一種)の3つを合わせたエステル(トリエステル)を合成油脂とよんでいます。

合成油脂 = ①高級脂肪酸 + ②高級アルコール + ③グリセリン(アルコールの一種)

    = 天然の油脂(①+②) + ③グリセリン(アルコールの一種)

脂肪酸エステルの特徴は?

脂肪酸エステルは安定性や展延性にすぐれ、ロウ以外一般に粘性が低く、脂っぼい感じをあたえないので、保湿剤として用いられます

また、染料や香料、ビタミン類など特殊成分の溶解剤としても用いられる。

①油脂

油脂とは?

油脂とは、

  • 脂肪酸
  • グリセリン(アルコールの一種)

の化合物のことを言います。

つまり・・・

油脂 = 脂肪酸 + グリセリン

ということになります!

覚え方】油脂は、しぼんだ(脂肪酸)栗(グリセリン作ろっ!

油脂の分類

油脂 動物油脂 脂肪油
  • 卵黄油
  • 肝油(スクワレン)
  • ミンク油
  • タートル油
脂肪
  • 牛脂
  • 馬脂
植物油脂 脂肪油 不乾性油
  • アマニ油
  • 大豆油
  • ゴマ油
  • ツバキ油
  • オリーブ油
  • ヒマシ油
乾性油 荏油や亜麻仁油、桐油
脂肪
  • パーム油
  • モクロウ★
  • カカオ脂


油脂は、

  • 動物油脂
  • 植物油脂

に分けられます。

動物から取れる油脂を動物油と言い、植物から取れる油脂を植物油と言います。

さらにそこから

  • 脂肪
  • 脂肪油

に分けられます。

油脂の中でも、常温で固体のものを一般に脂肪といい、常温で液体のものを脂肪油といいます。

脂肪

油脂の中でも、常温で固体のものを一般に脂肪といいます。

脂肪 = 常温で固体のもの

脂肪油

油脂の中でも、常温で液体のものを脂肪油といいます。

脂肪油 = 常温で液体のもの

脂肪油には、空気中での状態の違いで以下のように分類されます。

乾性油

脂肪油の中でも、薄膜状にして空気中に放置したときに固化するものを乾性油と言います。

乾性油は香粧品にほとんど用いられません。

乾性油は、油絵具やワニスなどに利用されます。

不乾性油

脂肪油の中でも、薄膜状にして空気中に放置したときに固化しないものを不乾性油と言います。

香粧品に用いられるのは、不乾性油が大半です。

【代表的な不乾性油】

オリーブ油

(植物油)

ヘアオイル、日焼けオイル(サンタンオイル)、クリーム、乳液等に配合される。
ヒマシ油

(植物油)

柔軟性・唇の粘膜との親和性が高い。

口紅やポマードなどに配合される。

ツバキ油

(植物油)

日本特産の油脂。

含まれる脂肪酸の組成がオリーブ油とほぼ同じで、ヘア用に配合される。

マカデミアナッツ油

ブドウ種子油

(植物油)

保湿剤(エモリエント剤)として、クリーム、乳液、頭髪用化粧品類などに配合される。
ミンク油、

タートル油

(動物油)

高級クリーム、乳液などに用いられる。
酸敗とは?

酸敗とは、空気中の酸素や日光、微生物などの作用で徐々に酸化したり、加水分解したりして変質することを言います。

酸敗を防ぐため油脂を含む香粧品には酸化防止剤、防腐・殺菌剤などが添加されています。



植物脂肪のパーム油・モクロウ(木蝋)・カカオ脂だけ覚えましょう!動物脂肪油と動物脂肪の見分け方は、名前の中に動物(卵・肝・ミンク・タートル・牛・馬)が入っていて最後の文字が「油」なら動物脂肪油、最後の文字が「脂」なら動物脂肪です!そうすると、植物脂肪油は、消去法で答えることができます!
油脂に関する次の記述のうち, 正しいものの組合せはどれか.

a 油脂は,脂肪酸とグリセリンのエステルである。
b 油脂には乾性油と不乾性油があるが, 香粧品に使われるものの多くは乾性油である
c ヒマシ油は,動物性の油脂である。
d 油脂が酸素や日光・細菌の働きにより変質することを酸敗という。

(1) aとb (2) bとc (3) cとd (4)aとd

正解(4)

b …香粧品に用いられるのは油脂の性質が長く保たれる不乾性油が大半である

c…ヒマシ油は,植物性の油脂である。

香粧品に用いられる油脂に関する次の組合せのうち, 誤っているものはどれか.

(1)植物性脂肪油ーオリーブ油
(2)植物性脂肪ーーヤシ油
(3)動物性脂肪油ーミンク油
(4)動物性脂肪ーーモクロウ

正解(4)…モクロウは植物性脂肪。

ロウ類(過去出題)

ロウ類とは?



ロウ類は、

  • 高級脂肪酸
  • 高級アルコール

のエステル(化合物)のことを言います。(過去出題)(重要)

つまり・・・

ロウ類 = ①高級脂肪酸 + ②高級アルコール

ということです!

覚え方

ロウは、ロシアで作ろう

ウ類 → 高級肪酸 + 高級ルコール

エステルって何?

酸とアルコールから得られる化合物のことをエステルと言います。

脂肪酸とアルコールから合成される化合物のことは、脂肪酸エステルと言います。

天然の油脂には、高級脂肪酸や、高級アルコールが含まれています。

①高級脂肪酸について

高級脂肪酸は、天然の油脂やロウの構成成分であることはこれまでに学んできました。

では、具体的に高級脂肪酸にはどんなものがあるのでしょうか?

高級脂肪酸には、

  • ラウリン酸
  • ミリスチン酸
  • パルミチン酸
  • イソステアリン酸(石油から合成される)
  • ステアリン酸

などがあります。

ステアリン酸が最も代表的です。

高級脂肪酸は、何から作れる?

高級脂肪酸は、天然の油脂やロウを加水分解したらできます。

つまり・・・

天然の油脂、ロウ

↓加水分解

高級脂肪酸GET!

ということです!

高級脂肪酸の特徴

【特徴】

  • 最も代表的な高級脂肪酸はステアリン酸で、クリームの基剤原料に使用される。
  • 高級脂肪酸と水酸化カリウムから作られたカリウム石けんは、良質な泡が特徴で、洗顔クリームやシェービングクリームに用いられる。
高級脂肪酸は、何が高級?

高級脂肪酸とは炭素数の多い脂肪酸のことで、一般に、常温で固体の脂肪酸を高級脂肪酸、常温で液体の脂肪酸を低級脂肪酸といいます。

有機化合物(炭素を主な成分とする化合物)では、構造中の炭素数の少ないものを低級な化合物といい、炭素数の多いもの(一般には炭素数6以上)を高級な化合物といいます。

②高級アルコールとは?



高級アルコールは、ロウの構成成分であることはこれまでに学んできました。

では、具体的に高級アルコールにはどんなものがあるのでしょうか?

高級アルコールには、

  • セタノール(セチルアルコール)
  • ステアリルアルコール…
  • オレイルアルコール(鯨油に含まれる)

などがあります。

セタノール(セチルアルコール)やステアリルアルコールは、乳化助剤(乳化を助けるもの)や粘度を与える目的使用されます。

オレイルアルコールは、口紅用染料の溶解剤や、保湿剤などに使用されます。

高級アルコールは、何から作れる?

高級アルコールは、ロウを加水分解して得られます。

つまり・・・

ロウ

↓加水分解

高級アルコールGET!

ということです!

また、原油(油井からくみ上げたままの石油)から合成して作ったり、ヤシ油や牛脂から作ったりします。

高級アルコールは何が高級?

「高級アルコール」とは、品質が高級ということでなく、「アルコール分子中の炭素が6つ以上含まれているもの」を指します。
5つ以下のものは「低級アルコール」といいます。

有機化合物(炭素を主な成分とする化合物)では、構造中の炭素数の少ないものを低級な化合物といい、炭素数の多いもの(一般には炭素数6以上)を高級な化合物といいます。

ロウ類の分類

ロウ類は、動物ロウ植物ロウに分類され、そこから更に固体ロウと、液体ロウに分類されます。

ロウ 動物ロウ 固体ロウ
  • ミツロウ
  • ラノリン
  • 鯨ロウ
液体ロウ
  • オレンジラフィー油
植物ロウ 固体ロウ
  • カルナウバロウ
  • キャンデリラロウ
液体ロウ
  • ホホバ油

カルナウバロウ、キャンデリラロウ

植物性ロウであるカルナウバロウとキャンデリラロウは、融点が高く、光沢をあたえるので、口紅などのスティック状製品に用いられる。

カルナウバロウの原料(カルナウバヤシの葉)の写真はこちら

キャンデリラロウの原料(キャンデリラ植物)の写真はこちら

ホホバ油

ホホバ油は、液体であるが植物油のようにあぶらぎった感触がなく、皮膚へのなじみがよいので、クリーム、乳液、ボデイオイルなどに用いられる。

ミツロウ

動物性ロウの代表的なものにミツバチの巣から採取したミツロウがあり、古くから香粧品に広く用いられ、特にコールドクリームや口紅には必須の原料である。

ラノリン

羊の毛から採取したラノリンは軟膏状の物質で、ヒトの皮脂に似た性質があり、クリームや乳液などの保湿剤として用いられるが、不純物がアレルギーなどの原因となるおそれがあることが明らかになり、最近では不純物を取り除いた精製度の高いものが用いられている。

鯨ロウ

鯨ロウは、商業捕鯨が国際的に禁止されたため用いられなくなったが、代替品として固体のエステルであるパルミチン酸セチルを主体とする合成鯨ロウが用いられている。

ロウ類の特徴

【ロウ類の特徴】

  • ロウ類は、油脂と同様に動植物から得られる。
  • ロウ類は、融点の高く常温で固体のものが多いですが、常温で液体のもの(液体ロウ)もある。
  • ロウは、クリーム類口紅、眉墨などのスティック状の製品に用いられている(過去出題)

ロウに関する次の記述のうち, 正しいものはどれか。

(1) ロウは高級脂肪酸とグリセリンのエステルである。
(2) ロウは融点が高く, 常温では全て固体である。
(3) 液体状のロウを油脂という。
(4) 天然のロウはエステルの他に脂肪酸や高級アルコール, 炭化水素, 樹脂などを含んでいる

正解(4)

(1)…ロウ類は、高級脂肪酸と高級アルコールとのエステルである。

(2)…ロウ類は、その大部分が融点の高い物質で、常温では固体であるが、一部には常温で液体のもの(液体ロウ)もある。

(3)…ロウと油脂は、別物である。

ロウに関する次の記述のうち, 正しいものはどれか

(1) 高級脂肪酸とグリセリンのエステルである。
(2) 油脂に比べ一般に融点が高く,粘度や硬度が高いのでスティック状の製品に使われる。
(3) 常温で全て固体である。
(4) キャンデリラロウは動物性ロウ,ラノリンは植物性ロウである。

正解(2)

(1)…ロウ類は、高級脂肪酸と高級アルコールとのエステルである。

(3)…ロウ類は、その大部分が融点の高い物質で、常温では固体であるが、一部には常温で液体のもの(液体ロウ)もある。

(4) キャンデリラロウは植物性ロウ,ラノリンは動物性ロウである。



次の記述のうち正しいものはどれか

(1) 油脂は高級脂肪酸と高級アルコールのエステルである
(2) ロウは高級脂肪酸とグリセリンのエステルである
(3) 油脂は液体でロウは固体である
(4) モクロウは, ロウという名前がついているが油脂に分類される

正解(4)…

(1) …油脂は脂肪酸とグリセリンの化合物である。ロウは、高級脂肪酸と高級アルコールのエステルである

(2)…油脂は脂肪酸とグリセリンの化合物である。ロウは、高級脂肪酸と高級アルコールのエステルである

(3)油脂もロウもそれぞれ、液体のものと固体のものがある。

炭化水素(過去出題)

炭化水素とは?



炭化水素とは、炭素原子(C)水素原子(H)だけでできた化合物の総称を言います。

炭化水素は、原油(油井からくみ上げたままの石油)分留して採取できます。

炭化水素は石油から得られるので、一般に鉱物油といわれます。

代表的な鉱物油(炭化水素)には、流動パラフィン、ワセリン、セレシンなどがあります。

また、炭化水素は動植物からも採取でき、動植物から採取される炭化水素の代表的なものには、『スクワランがあります

分留

分別蒸留の略称。3種類以上の混合物を、沸点の違いを利用して順に蒸留し分離すること。

炭化水素の化学式は?

。メタン CH4、エタン C2H6、プロパン C3H8 、ブタン C4H10 など、一般に CnH2n+2 で表されます。C1 ~ C4 までは常温で気体、C5 ~ C15 くらいまでは液体、それ以上は大体固体になります!

つまり、、、

流動パラフィンは、液体なので炭素数が5 ~15くらい!(香粧品に使いたい粘度によって変わる)

パラフィン(固体)は、個体なので炭素数が15以上のものってことです!

炭化水素の特徴

炭化水素は、炭素数が多くなると液体から固体になります。

炭化水素のうち、液体のものを流動パラフィン、固体のものをパラフィンと言います。

パラフィン(固体)

固体の炭化水素。石油から分離された白色半透明の固体

【特徴】

  • 炭素数16~40のメタン系炭化水素の混合物。
  • 融点は50~75度くらいで、水をはじく性質がある。
  • ろうそく、クレヨン、マッチなどの原料。

流動パラフィン(液体に近い)

液体の炭化水素のこと。

流動パラフィンは、リキッドパラフィン、ミネラルオイル、ホワイトミネラルオイルなどとも呼ばれています。

【特徴】

  • 無色、無味、無臭
  • すぐれた皮膚保護性がある
  • 病原菌及びカビに侵されない
  • ベビーオイルなどの原料。

参考https://www.kaneda.co.jp/jigyou/whitemineraloil/whitemineraloil.html

炭化水素の応用

流動パラフィン、ワセリン、セレシンなどはクレンジングクリームやコールドクリーム、マッサージクリームなどの主要原料として用いられます。(過去出題)

融点の高いパラフィンマイクロクリスタリンワックスは、口紅、スティック状及びクリーム状香粧品に使用されます。

プロパンやブタン(炭素数の少ない炭化水素)は、スプレーなどの噴射剤として使用されます。

常温での状態 炭化水素の種類 使用例
気体 プロパンやブタン スプレーなどの噴射剤
液体 流動パラフィン、ワセリン、セレシンなど クレンジングクリームやコールドクリーム、マッサージクリームなど
固体 パラフィン、マイクロクリスタリンワックス 口紅、スティック状及びクリーム状香粧品

炭化水素の分類

炭化水素 飽和炭化水素 エタン、プロパンなど
不飽和炭化水素 エチレン、プロピレンなど

炭化水素は、化学的に安定で変質しにくい飽和炭化水素と、化学的に不安定で変質しやすい不飽和炭化水素に分けられます。

不飽和炭化水素は不安定で変質しやすく、それを安定させるために付加反応を行います。

付加反応って何?

不安定な不飽和炭化水素の、反応しやすい部分に水素などを結合させておき、安定させること

動植物から採取される炭化水素

炭化水素は、原油(油井からくみ上げたままの石油)分留して採取できることは、ここまでに学びましたが、実は、炭化水素は動物と植物からも採取できるんです!

動植物から採取される炭化水素の代表的なものには、『スクワランがあります。

スクワランとは?

スクワランは深海鮫(サメ)の肝油から採取した不飽和炭化水素(スクワレン)に付加反応により水素を添加した動物性のものや、植物から採れる植物性スクワランのことを言います。

【特徴】

  • 安定性が高く、皮膚への親和性、使用感が非常に良い
  • スキンケア、ヘアケア、メイクアップなどの香粧品に広く用いられる。

例題

香粧品に配合される油性原料に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)炭化水素はクリームや口紅などに配合される。
(2)炭化水素は石油から得られるもので、動植物からは得られない。
(3)高級脂肪酸は炭素数の多い脂肪酸である。
(4)ロウ類は高級アルコールと高級脂肪酸とのエステルである。

正解(2)…炭化水素は石油から得られるので、一般に鉱物油といわれる。代表的な鉱物油には流動パラフィンや、ワセリン、セレシンなどがあるが、動植物から採取される炭化水素もあり、代表的なものにスクワランがある。

炭化水素に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか

(1) 最も簡単な炭化水素はメタンである。
(2) 炭素の数が増えるに従って気体→液体→固体へと変化していく。
(3)原油を分留して得られるので鉱物油ともいい。生物から採取されるものは無い。
(4) 分子中の結合が単結合だけのものを飽和炭化水素二重結合などを持つ場合を不飽和炭化水素という。

正解(3)…動植物から採取される炭化水素の代表的なものにスクワランがある。

炭化水素に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか

(1)分子内の結合がすべて単結合のものを飽和炭化水素といい二重結合などの不飽和結合を持つものを不飽和炭化水素という。
(2) 飽和炭化水素は付加反応などを起こしやすいが、不飽和結合は化学反応を起こしにくい。
(3) スクワランは炭化水素だが動植物からとれる
(4) スクワランは,得られたスクワレンに水素を付加して安定化しており,安全性が高く皮膚への親和性使用感が良く、スキンケアやヘアケアに使われる

正解(2)…飽和炭化水素は付加反応などを起こしにくいが、不飽和結合は化学反応を起こしやすい。



エモリエント剤の種類とその代表的な成分の次の組合せのうち,誤っているものはどれか

(1) 炭化水素類 ー ワセリン
(2) 植物脂 ー スクワラン
(3) 動物油 ー ミンク油
(4)動物性固体ロウ ー ミツロウ

正解(3) …スクワランは、炭化水素

有機化合物に関する次の記述のうち, 誤っているものはどれか。

(1) メタンは,最も簡単な構造をもつ飽和炭化水素の有機化合物である。
(2) プロパンは,燃料に用いられる飽和炭化水素の有機化合物である。
(3) メタノールは,毒性が弱いので化粧水などの液体原料として使用される。
(4) エタノールは、皮膚に塗布するとサッパリした感じを与える収れん作用を有する。

正解(3)…メタノール(メチルアルコール)は毒性が強く、体内に蓄積されて視神経障害など中毒症状を起こすおそれがあるため、化粧品基準で配合が禁止されている。

次の文章のうち正しいものはどれか。

(1) 油脂は高級脂肪酸と高級アルコールのエステルである。
(2) ロウは高級脂肪酸とグリセリンのエステルである。
(3) ロウの大部分は固体である
(4) 炭素の数が少なくなると、脂肪は液体から固体に変わっていく

正解…(3)

(1)…油脂は高級脂肪酸とグリセリンの化合物である。

(2)…ロウは高級脂肪酸と高級アルコールのエステルである。

(4)…炭素の数が多くなると、脂肪は液体から固体に変わっていく

シリコーン

シリコーンとは

シリコーンは、珪石(けいせき)を原料として合成される合成樹脂です。

シリコーンは、化学的に安定で、熱や日光で変質しません。

シリコーンの分類

シリコーンは、高粘度のものをシリコーン樹脂といい、低粘度の油状液体をシリコーン油といいます。

シリコーン シリコーン樹脂(高粘度のもの)
シリコーン油(低粘度の油状液体)…メチルポリシロキサンやメチルフェニルポリシロキサン



シリコーン樹脂の特徴

高粘度であるシリコーン樹脂は摩擦低減作用が優れているため、コンディショニング剤として広く香粧品に使用されます。

シリコーン油の特徴

低粘度であるシリコーン油は、ソフトな使用感、撥水性光沢性をもつため、ハンドクリームヘアスプレーなどに用いられます。(メチルポリシロキサンやメチルフェニルポリシロキサンなど)

また、シャンプーコンデイショナーなどには、アミノ変性シリコーン(アモジメチコン)が用いられます。

シリコーン油は、シリコーン樹脂の希釈剤としても用いられます。

アミノ変性シリコーン…皮膚や毛髪に親和性が高く、すぐれたコンデイショニング効果を発揮する

メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン…香粧品によく使われる。

シリコーンに関する次の記述のうち,誤っているものはどれか

(1)珪石を出発原料として合成される合成樹脂
(2)化学的に不安定で、熱や日光で酸敗されやすい。
(3)アミノ酸シリコーンのアモジメチコンは低粘度のシリコーン油で皮膚や毛髪に親和性が高く,すぐれたコンディショニング効果があり、シャンプーやコンディショナー等に用いる
(4)高粘度のシリコーン樹脂は、すぐれた摩擦低減作用をもち、コンディショニング剤として使われる。

正解(2)…化学的に安定で、熱や日光で酸敗されにくい。

香粧品と関わりが深い有機化合物とその分類に関する次の組合せのうち、正しいものはどれか。

(1)ケラチン  ── タンパク質
(2)システイン ── 炭化水素
(3)ワセリン  ── 多糖類
(4)セタノール ── アミノ酸

正解(1)…システインは、アミノ酸類。ワセリンは炭化水素。セタノールは高級アルコールです。

香粧品に配合される油性原料に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1) 炭化水素はクリームや口紅などに配合される。
(2) 炭化水素は石油から得られるもので、動植物からは得られない。
(3)高級脂肪酸は炭素数の多い脂肪酸酸である。
(4) ロウ類は高級アルコールと高級脂肪酸とのエステルである。

正解(2)…炭化水素は石油から得られるので、一般に鉱物油といわれる。代表的な鉱物油には流動パラフィンや、ワセリン、セレシンなどがあるが、動植物から採取される炭化水素もあり、代表的なものにスクワランがある。

油性原料とその使用目的に関する次の組合せのうち、誤っているものはどれか。

(1)ステアリン酸 ー 皮膜形成剤
(2)セタノール ー 乳化助剤
(3)脂肪酸エステル ー 保湿剤
(4)メチルポリシロキサン ー 撥水剤

正解(1)…ステアリン酸 ー 保湿剤

次の記述のうち, 正しいものはどれか。

(1) 脂肪酸エステル(合成エステル)は香粧品用油性原料の中でも種類が多い。
(2) シリコーン油は植物油で撥水性がありハンドクリームやヘアスプレーに用いる。
(3) 高級アルコールは脂肪の構成成分で, 脂肪を加水分解して得られる。
(4) セタノールはシリコーン油の一種である。

正解(1)

(2)…シリコーン油は合成油で撥水性がありハンドクリームやヘアスプレーに用いる。

(3)…高級アルコールは高級アルコールは、ロウの構成成分で、ロウを加水分解して得られるほか、ヤシ油や牛脂からも作られる。

(4)…セタノールは高級アルコールの一種である。

油性原料に関する次の記述のうち, 誤っているものはどれか。

(1) 高級脂肪酸のなかのステアリン酸はクリームの基材原料として利用される
(2) セタノールやステアリルアルコールはクリームや乳液の乳化助剤として使われる.
(3) 鯨油に含まれるオレイルアルコールは口紅用染料の溶解剤やエモリエント剤として用いられる。
(4) シリコーン油は低粘度で使用感がソフトであるが,他の油性原料に対して撥水力が劣る

正解(4)…シリコーン油は低粘度で使用感がソフトであり,他の油性原料に対して撥水力が優れている。