衛生管理

4.⭐️環境衛生(空気・環境) まとめ

<<チェックポイント>>

衛生管理では、

① 公衆衛生・環境衛生
② 感染症
③ 衛生管理技術

が【重点項目】とされています。要チェックです。

環境要因・恒常性

衛生管理において、環境とは?

衛生管理において、環境というのは個体を取り巻く外的要因すべてのこと。

環境要因にはなにがある?(重要)

【物理的環境要因】

温度・湿度・熱・気流・音・光・振動・気圧・赤外線・紫外線・放射線…

【化学的環境要因】

空気成分・有毒ガス・粉塵・水・化学成分・重金属…

【生物学的環境要因】

動物・植物・微生物・衛生害虫…

【社会的環境要因】

文化・宗教・政治・経済・家族・学校・職場…

地味に重要です。生物学的と社会的はわかりやすいですが、物理的と化学的の違いがわかりづらいです。化学的はそんなに量がないので優先的に覚えましょう。化学成分のようなものが該当します。

恒常性(ホメオスタシス)とは?

人間が持つ環境の変化に対応し、絶えず体の調和を保つ能力を「恒常性(ホメオスタシス)保持能力」という。

  • 恒常性(ホメオスタシス)保持能力→「人が置かれている外的・内的環境の絶え間ない変化に対応して、人体の形態的、機能的状態をある一定範囲の安定状態に保持すること。」
  • 恒常性のバランスが崩れると健康の保持増進に影響を及ぼす。
  • 特に乳幼児や高齢者は恒常性保持能力が低い。



空気・環境

四季と疾病

日本のほとんどは温帯性で、四季があります。

  • 大気・空気・日照・温度・騒音・水質等は人の健康に大きな影響を与えます。

日本の四季と疾病の関係性

 スギやヒノキによる花粉症が多い。

梅雨 体温調節機能の低下に伴う免疫力の低下が多い。

 経口感染症や夏季には、細菌性食中毒や赤痢など消化器系の疾患が多い。

 空気の乾燥による肺炎や気管支炎などの呼吸器系疾患や感染症、ウイルス性食中毒、脳血管疾患、心疾患が多い。

空気成分の割合は?(重要)

窒素(約78%)>酸素(約21%)>アルゴン(約0.9%)>二酸化炭素(約0.03%)…(重要)

窒素>酸素>アルゴン>二酸化炭素

窒素とは?

  • 窒素は、不活性ガス(化学反応を起こさない安定した気体)です。

アルゴンとは?

  • アルゴンは、大気中に3番目に多く含まれている気体で、その濃度は空気中のおよそ0.93%です。
  • アルゴンは安定で他の元素と結合しにくく、化学反応をほとんど起こさない元素です。

二酸化炭素とは?

  • 二酸化炭素は、炭酸ガスともよばれ、地球温暖化との関係で注目されている
  • 人間の呼気中にも含まれています。
  • 毒性は、一酸化炭素より大幅に弱い
  • 有機物が燃焼することにより発生します。

美容師法施行規則において、美容所内の二酸化炭素濃度5000ppm以下に保つ必要があります。

  • 特に1000ppm(0.1%)以下が望ましいとされています。

「狭い室内に多くの人がいると、呼吸による水蒸気や( 二酸化炭素 )によって、室内の空気が汚染されます。また、ガスや石油の燃焼による暖房は、( 二酸化炭素ガス )を排出し、不快感や酸素不足を起こす可能性があります。」

一酸化炭素

一酸化炭素の特徴は?

  • 無色・無臭・無味・無刺激である(発生に気づきにくい)が、非常に強い毒性を持つ。
  • 血液中のヘモグロビンとの結合力が酸素の200倍以上(→血液が酸素を運べなくなる)であり、体内に入るとさまざまな中毒症状を起こす。
  • 軽い場合は、頭痛・めまい・吐き気などが起こり、重篤な場合は、けいれん・失神・死亡に至る場合がある

一酸化炭素はどんな時に発生する?

  • 一酸化炭素は、有機物の不完全燃焼により生じる気体です。

衛生管理要領により、美容所においては10ppm以下が望ましいとされています。(二酸化炭素の100分の1)

浮遊粒子状物質

浮遊粒子状物質とは?

大気中に浮遊する物質のうち、粒径(粒子の直径)10㎛(マイクロメートル)以下のもの。粉塵・アスベスト・病原体などがあります。

浮遊粒子状物質の健康への影響は?

  • 粒径が小さいほど、肺の深部にまで届き、特に直径が0.1~5㎛以下のものは肺胞(肺の最深部)に到達しやすく、健康障害を起こしやすい。
  • 粒径が10㎛より大きなもの(花粉・ダニの死骸・動物の毛など)は痰として排出されるため肺胞までは届きにくいが、アレルギーの原因となることが多い。

アスベスト

  • アスベストは、石綿ともいい、昔は断熱材や車のブレーキなどに使われていた。
  • 特に粒径の小さいもの(0.1~5㎛)は肺胞まで届き、塵肺症(じんぱいしょう)などの健康障害を起こしやすい。

PM2.5

  • PM2.5とは粒径2.5㎛以下の浮遊粒子状物質のこと。

近年の家屋の構造は密閉式のものが多く、室内の清掃と換気、特に外気の取り入れを十分に行う必要があります。



温熱環境

温熱環境とは?

温度・湿度・気流のこと。温熱環境(温度・湿度・気流)は健康で快適な生活のために重要な役割を果たす。

温度

着衣の状態・湿度・年齢・環境(夏か冬かなど)・輻射熱(遠赤外線の熱戦によって直接伝わる熱のこと)・労働状態(重作業か軽作業か)などにより変わるが、20℃前後が最も快適とされます。

高温下での人体への影響にはどんなものがある?

高温下で水分補給や休養をとらないで活動し続けると、熱中症になる危険があります。

  • 熱中症の症状としては、失神・けいれん・ショック・体温上昇などがあり、場合によっては命にも関わります。

低温下での人体への影響にはどんなものがある?

人間は、低温下のもとで、体の産熱の限界を超えると、体温が低下し、意識混濁、最悪の場合、凍死に至ります。

  • 低温化のもとで抹消部の血流量が著しく低下すると、皮下組織が壊死する場合があります。

至適温度とは?

至適温度とは、人が快適であると感じる温度です。

  • ・室内作業時・軽作業時・空腹時・高齢者つまり体温が低いときは、至適温度は高くなります。
  • ・室外労働時・重作業時・満腹時つまり体温が高いときは、至適温度は低くなります。
  • 厚着に慣れている人は比較的高い
  • 一般に若年者に比べ、高齢者高い
  • 快適と感じる温度は、温度そのものだけでなく、湿度や気流の影響も受ける
  • 冷房が強いと、体温調節の機能のバランスを失って、冷房病といわれる現象を起こす。
至適温度は高くなるのはどんな時?
  • 室内作業時
  • 軽作業時
  • 空腹時
  • 高齢者
至適温度は低くなるのはどんな時?
  • 室外労働時
  • 重作業時
  • 満腹時

冷房病とは?

主に夏場などに、外出先との激しい温度差によって自律神経のバランスが崩れることによって体に起こる様々な症状のこと。

  • 自律神経は体温調節や発汗などのコントロールをしているので、バランスが崩れると「冷え」に対しての抵抗力が弱くなります。
  • 足腰の冷え、だるさ、肩こり、頭痛、食欲不振、神経痛、下痢、不眠など、「冷え」によって起こる様々な症状をもたらす。

参考:「医療法人 光臨会 荒木脳神経外科病院」HP

人は-60℃から50℃までは衣服と住居で居住可能とされています。

衛生管理要領により、美容所の室温は17~28℃が望ましいとされています。

湿度とは?

湿度とは、空気中に含まれる水蒸気量のこと。

湿度にはどんな種類がある?

  • 絶対湿度相対湿度があります。通常使用されるのは相対湿度

同じ温度でも不快に感じるのは湿度が高いとき?低い時?

  • 同じ温度でも湿度が高くなると、不快に感じます。

衛生管理要領により、理美容所の湿度は何℃が望ましいとされている?

衛生管理要領により、美容所の湿度は、40~70%が望ましいとされています。

気流とは?

空気の流れのこと。その強さは風速や風力と呼ばれ、「m/秒」であらわす。

人が快適と感じる気流は?

  • 人が快適と感じる気流は0.1~0.2m/秒です。
  • 気流があると、ない場合に比べて温度を低く感じます。(重要)

風速1m/秒の風が吹いている場合、体感で何℃低く感じる?

  • (例)風速1m/秒の風が吹いている場合、体感で2℃低く感じます。

輻射熱とは?

輻射熱(ふくしゃねつ)とは、物体から発生したエネルギーが空間を通過して物体に当たり、再び熱に変わる伝搬現象のこと。

  • (例)太陽光の赤外線がアスファルト、ブロック塀、コンクリートなどに伝わり、熱くなる現象…
  • 同じ温度でも、直射日光のもとだと、赤外線による輻射熱でより暖かく感じます。

太陽光の成分は、およそ半分が赤外線、残りは可視光線とわずかな紫外線です。

これら(特に赤外線)が物質に当たると、その物質を構成する分子が刺激されて振動します。

人体の場合も同様に、体を構成している分子が振動し、その振動によって熱が発生するため暖かいと感じるわけです。

電子レンジの原理もこれと同じです。

マイクロ波と言う電波が物体の水分子を振動させることで、熱を発生させて物を温めることができるという仕組みになっています。

不快指数とは?(重要)

主に夏場において、その時の気温・湿度から、人がどれだけ不快に感じるかを示す数値。

人の体感温度は、どんな環境要因によって変わる?

  • 人の体感温度は、気温・湿度・気流(風)によって変わります。(重要)

不快指数の計算方法

不快指数は、気温湿度から計算する指数。(重要)

不快指数の計算においては、基本的に気流(風)は考慮されない

  • 不快指数70 → 10%の人が不快と感じます。
  • 不快指数75 → 50%の人が不快と感じます。
  • 不快指数80 → 100%の人が不快と感じます。

人の体感温度 → 気温・湿度・気流 による

不快指数の計算 → 気温・湿度 による



総まとめ問題

人を取り巻く環境要因に関する次の語句の組合せのうち,誤っているものはどれか。

(1) 物理的環境要因  ー 空気

(3) 生物学的環境要因 ー 衛生害虫

(2) 社会的環境要因  ー 宗教

(4) 化学的環境要因  ー 水

 

正解(1)・・・化学的環境要因  ー 空気

人を取り巻く環境要因に関する次の語句の組合せのうち,誤っているものはどれか

(1)物理的環境要因  ー 温度

(2)社会的環境要因  ー 経済

(3)化学的環境要因  ー 紫外線

(4)生物学的環境要因 ー 衛生害虫

 

正解(3)・・・物理的環境要因 ー 紫外線

人を取り巻く環境要因に関する次の語句の組合せのうち、誤っているものはどれか。

(1) 物理的環境要因   ー 温度

(3) 生物学的環境要因  ー 衛生害虫

(2) 社会的環境要因   ー 宗教

(4) 化学的環境要因   ー 紫外線

 

正解(4)・・・物理環境要因   ー 紫外線