サイトアイコン KOREBI(コレビ) 美容師国家試験合格・過去問解説

16.消毒法(理美容所における) まとめ

理美容所における実際の消毒

器具の使い方

消毒薬希釈の際に準備する器具

メスシリンダー

・・・液体はメスシリンダーではかります。洗浄時は石けんや洗剤を用いるが、クレンザーはガラスに傷をつける可能性があるので使用しない。

消毒液の容器

・調整する消毒薬と反応しないものを用意する

かくはん棒

・ステンレスかガラスのものがよい (消毒薬と反応しにくい)

常備しておくと良い消毒薬と希釈液の濃度



理容所・美容所における消毒の原則

理容所・美容所の消毒設備

理容・美容器具類の消毒法 (布片などの用具を含む)

選び方の原則

消毒の前に

「洗って消毒」が基本。

ガラス器・陶磁器の消毒法

(例)シェービングカップ…

すべての消毒法を用いてよい。対象物により消毒しやすい方法を選ぶとよい。

①紫外線

②煮沸

③蒸気

④エタノール

⑤次亜塩素酸ナトリウム

⑥逆性石けん

⑦両性界面活性剤

⑧グルコン酸クロルヘキシジン



金属製品の消毒法

(例)シザーズ・レザー…

塩素剤やヨウ素剤は金属を腐食するので不適当。⑤以外。

①紫外線

②煮沸

③蒸気(:刃物類は切れ味に注意!)

④エタノール

⑥逆性石けん

⑦両性界面活性剤

⑧グルコン酸クロルヘキシジン

顔そり用カミソリの消毒法

顔そり用カミソリは、血液が付着したものとして扱うので、血液の付着した器具に有効な消毒法を用いる

①煮沸消毒(沸騰後2分間以上)

②消毒用エタノールによる消毒(10分間以上器具を浸す)

③次亜塩素酸ナトリウムによる消毒(0.1%以上の水溶液に10分間以上浸す)

クリッパー類の消毒法

(例)クリッパー…

①紫外線

④エタノール

⑥逆性石けん

⑦両性界面活性剤

⑧グルコン酸クロルヘキシジン



セルロイド・プラスチック・ゴム・竹・木などの消毒法

(例)コーム・ロッド…

①紫外線

⑥逆性石けん

⑦両性界面活性剤

⑧グルコン酸クロルヘキシジン

熱を加える消毒はNG!

タオル・布片類の消毒法



タオル・布片類 は「客一人ごとに取り替える」

(例)カッティングクロス・シャンプークロス…

使用できる消毒法

②煮沸(小さいものは可。)

③蒸気

④エタノール

⑤次亜塩素酸ナトリウム(材質によっては可。)

⑦両性界面活性剤

⑧グルコン酸クロルヘキシジン

使用できない消毒法

①紫外線消毒 (内部を消毒できない)

⑥逆性石けん (成分が布に吸着される)

スチームタオル

  1. 0.01%以上(血液が付着又はその可能性がある場合は 0.1%以上) の次亜塩素酸ナトリウムを加えた洗浄剤(次亜塩素酸ナトリウムは洗剤と混用できる) につけた後に洗浄する(洗浄・殺菌とともに漂白の目的も行える)
  2. その後、タオル蒸し器を使って蒸気消毒

乾燥タオル

スチームタオルと同様に、次亜塩素酸ナトリウムで消毒した後十分に乾燥させます。

クロス

植物繊維の場合(綿など)

  • 洗濯の後、乾燥
  • 特に汚染された場合は、使用後直ちに蒸気消毒か、0.01%以上の次亜塩素酸ナトリウム水溶液につけます。

化学繊維の場合(ビニロン, テトロン, ナイロンなど)

首回りなど汚れのひどいところは洗剤で洗い、その後次亜塩素酸、逆性石けん、両性界面活性剤、グルコン酸クロルヘキシジンにつけ消毒後水洗いして乾燥

ブラシ類の消毒法

植物繊維でできたもの (カルカヤブラシ・・・カルカヤ (植物) でできた毛足の短い毛払いブラシ)  動物毛でできたもの (シェービングブラシ)プラスチック製 (多くのブラシ)など、材質を見極め、 消毒法を選定する

シェービングブラシ

適している消毒法

⑥逆性石けん

⑦両性界面活性剤

⑧グルコン酸クロルヘキシジン

注: 動物毛を使用してあるので、 次亜塩素酸ナトリウムや消毒用エタノールは避けます。

動物の毛は、タンパク質なので、煮沸消毒、エタノール消毒、次亜塩素酸ナトリウム消毒はNG

ヘアブラシ、カルカヤブラシ、毛払いブラシ

適している消毒法

⑥逆性石けん

⑦両性界面活性剤

⑧グルコン酸クロルヘキシジン

クッションブラシ

クッションブラシなどの毛の植え方がまばらなものには、

①紫外線

が適しています。

紙製品の消毒法



(例)ネックペーパー…

消毒の対象物が必要か不要か考えて、必要であれば材質や形を損なわない方法で消毒。不要であれば廃棄。焼却

革製品の消毒法

(例)シザーケース…

法規に定める消毒対象器具には該当しない。

消毒の必要がある場合は、

①紫外線

もしくはエタノール水溶液を含ませた綿もしくはガーゼで拭く。

タオル蒸し器による消毒の注意点

消毒効果 (熱の伝わり方)

1位 固くしぼった後ゆるく巻き・縦置き

2位 固くしぼったまま・縦置き

3位 固くしぼった後ゆるく巻き・横置き

4位 固く絞ったままで横置き

紫外線消毒の注意点

液消毒の注意点

消毒済み器具の取り扱い方

理容師・美容師の手指の消毒



客1人ごとに作業前及び作業後に手を洗い, 客1人ごとに次の方法で消毒する

⑥逆性石けん

⑦両性界面活性剤

⑧グルコン酸クロルヘキシジン

もしくはエタノール水溶液を含ませた綿もしくはガーゼで拭く。

↓詳細

1 血液、体液等に触れ、目に見える汚れがある場合、 あるいは、速乾性擦式消毒薬が使用できない場合

流水と石けんを用いて少なくとも手指を15秒間洗浄すること

例 )皮膚疾患のある客を施術し、 体液に触れた後など、 規定通りに消毒した後、 速乾性擦式消毒薬、消毒用アルコールで清拭、 逆性石けん、 両性界面活性剤、 グルコン酸クロルヘキキジンなどで、さらに消毒を行なうことが望ましい (アルコール過敏症の場合は、 速乾性擦式消毒 消毒用アルコールで清拭は避けた方が良いでしょう)

2 上記以外の場合

速乾性擦式消毒薬を乾燥するまで擦り込んで消毒すること.

参考) 速乾性消毒薬の主剤としては逆性石けん、両性界面活性剤、手指消毒専用の4%グルコン酸クロルヘキシジンがよく使われる (作用が穏やかなもの) 消毒用エタノールを主剤としたもの(清拭法など)もある.

濃度は器具を消毒する場合と同じでなくてよい (例 逆性石けんは 0.05〜0.2%のものがよく使われる)

エタノール自体を主剤とするものもあります。

次亜塩素酸ナトリウムは作用が強いので不適当

3 皮膚疾患のある客の施術後

特に念入りに消毒

美容師の手指の消毒に関する次の記述のうち, 正しいものの組合せはどれか

a 0.1%次亜塩素酸ナトリウム水溶液を用いる
b 手指消毒専用の4%グルコン酸クロルヘキシジン製剤を用います。
c 逆性石けんやグルコン酸クロルヘキシジン等と消毒用エタノールを混合した速乾性擦式製剤を用いる
d 消毒用エタノールに浸す。

(1) aとb (2) bとc (3) cとd (4) aとd

 

正解(2)

a・・・次亜塩素酸ナトリウムは作用が強いので不適当

d・・・浸すことはしない。エタノール水溶液を含ませた綿もしくはガーゼで拭く

美容師の手指の消毒に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか

(1) 皮膚疾患のある客を施術したときには、特に厳重に消毒することを忘れてはなりません。
(2) 手指消毒では、確実に消毒するために、消毒薬の濃度を器具の消毒より濃く調製する必要があります。
(3)消毒薬としては速乾性擦式消毒薬が使われます。
(4)施術の前後は手指をよく洗い、客1人ごとに消毒する

 

その他のものの消毒

理容所・美容所の消毒の現状

理容所・美容所の清潔法の実際

清潔保持と清掃

洗剤による消毒法

洗い場の清潔保持

清掃

刈り取った毛の処理, ふた付き汚染箱などの消毒

ハエやカの駆除

総まとめ

次のうち、客1人ごとに消毒しないで良いものはどれか

(1) 美容師の手指

(2) シェービングカップ

(3) 革のシザーケース

(4) ドライヤー

 

正解(3)・・・革のシザーケースは、法規に定める消毒対象器具には該当しない。

理容所, 美容所における清潔方法に関する次の記述のうち, 誤っているものはどれか。

(1)床の清掃は,1週間に1回行う。
(2)洗い場は,洗剤を使って洗浄する.
(3)汚物の処理やその容器を洗浄するときは, ゴム手袋を着用します。
(4)棚の上や照明器具も定期的に清掃します。

 

正解(1)・・・流しの排水溝も含めて施設は1日1回以上清掃する

美容所における清潔の保持と消毒に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

(1) 洗い場の清潔保持と消毒は, 義務づけられていない。
(2) 清潔保持が義務づけられているのは, 皮膚に接する器具と布片類だけである
(3) 客の待合室に置かれている雑誌や新聞は、清潔保持の対象物にはならない
(4)清潔の保持と消毒は,すべての美容師に義務づけられている

 

正解(4)

(1)・・・洗い場の清潔保持と消毒は、義務づけられています。すべての理容師・美容師は、皮膚に接する布片, 器具を清潔に保つことが定義されているが、 同時に、常に理容所・美容所を清潔に保つことも規定されています。

(2)すべての理容師・美容師は、皮膚に接する布片, 器具を清潔に保つことが定義されているが、 同時に、常に理容所・美容所を清潔に保つことも規定されています。

(3)客の待合室に置かれている雑誌や新聞も、清潔保持の対象物です。接待用の図書類、雑誌や新聞類はたびたび新しいものと取り替える

理美容所の清潔維持に関する次の記述のうち,正しいものはどれか
(1) 常に清潔に心がけていれば,必ずしも1日に1回清掃する必要はない。
(2) 洗い場は,常に清潔に心がける必要のある場所である
(3)作業場の清潔維持については, 法令で義務付けられていない。
(4)汚物箱などは, ふたをしておけば清潔に対する気配りは必要ない。

 

正解(2)

(1)・・・流しの排水溝も含めて施設は1日1回以上清掃する必要がある

(2)正しい

(3)法により、すべての理容師・美容師は、皮膚に接する布片, 器具を清潔に保つことが定義されているが、 同時に、常に理容所・美容所を清潔に保つことも規定されています。

(4)そんなことはない。ふた付きのもの容器を複数設け、 ネック・ペーパーや毛取り紙 (毛髪以外) などを分けて入れるなどすると良い

 

 

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