美容師になるまで
美容師になるには、国家資格である「美容師免許」という資格が必要になります。
- 美容師養成施設(専門学校など)への入所
- 美容師国家試験の受験および合格
- 免許申請
- 美容師名簿への登録
- 美容師免許の取得!
美容師養成施設への入所
美容師国家試験を受験するためには、厚生労働大臣指定の美容師養成施設(美容専門学校など)を卒業する必要があります。
入所資格
- 高等学校卒業者(※当分の間は中学校卒業者も入所可)
修業期間
- 昼間・夜間課程の通常課程は2年以上(※修得者課程は1年以上)
- 通信課程の通常課程は3年以上(※修得者課程は1年6月以上)
美容師国家試験の受験および合格
美容師国家試験は、厚生労働大臣指定の「公益財団法人理容師美容師試験研修センター」が実施・運営をしています。
試験日程
筆記試験と実技試験の2つに分かれ、毎年2回実施されています。
- 実技が2月で筆記が3月(冬季試験)、実技が8月で筆記が9月(夏季試験)の2つに大別されます。
- 通常、昼間課程や夜間課程で4月に入学すると、2年後の冬季試験を受験して美容師免許を取得するという流れになります。
筆記試験
第43回美容師筆記試験(新試験)(令和3年3月7日実施)を例に挙げると、筆記試験科目は以下のとおりです。
関係法規・制度及び運営管理(10問)
衛生管理
- 【公衆衛生・環境衛生】(5問)
- 【感染症】(5問)
- 【衛生管理技術(消毒法)】(5問)
保健
- 【人体の構造及び機能】(5問)
- 【皮膚科学】(5問)
香粧品化学(5問)
文化論及び美容技術理論(15問)
- 文化論より3問
- 美容技術理論より12問
(全55問)
新試験・旧試験
現行の美容師筆記試験には、
- 新試験
- 旧試験
の2つがあります。
2017年(平成29年)3月の理容師法・美容師法改正により、
- 運営管理
- 文化論
の2科目が新たに追加され、試験範囲が今までの5課目から7課目になりました。
新試験(55問)
- 関係法規・制度及び運営管理(10問)
- 衛生管理【公衆衛生・環境衛生】(5問)
- 衛生管理【感染症】(5問)
- 衛生管理【衛生管理技術(消毒法)】(5問)
- 保健【人体の構造及び機能】(5問)
- 保健【皮膚科学】(5問)
- 香粧品化学(5問)
- 文化論及び美容技術理論(15問)
旧試験(50問)
- 関係法規・制度(5問)
- 衛生管理【公衆衛生・環境衛生】(5問)
- 衛生管理【感染症】(5問)
- 衛生管理【衛生管理技術(消毒法)】(5問)
- 保健【人体の構造及び機能】(5問)
- 保健【皮膚科学】(5問)
- 美容の物理・化学(10問)
- 美容技術理論(10問)
実技試験
第一課題【カッティング】
- 試験時間は20分です。
- 合格基準点は70点です。
- スタイル構成は事前に発表されます。
第二課題【セッティング】
- 「ワインディング」と「オールウェーブセッティング」の2種類があり、その年によって課題が決まります。
- 試験時間は、ワインディングの場合が20分です。
- オールウェーブセッティングの場合は25分です。
- 合格基準点は70点です。
- スタイル構成は事前に発表されます。
第二課題【ワインディング】
審査基準
- 全体のバランス
- ステムの角度と方向
- シェープ
- 輪ゴムの掛け方
- 残り毛
- 条件違反
- 減点方式での審査になります。
第二課題【オールウェーブセッティング】
審査基準
- 全体のつながり
- フィンガーウェーブ
- ピンカール
- ピニング
- 条件違反
- 減点方式での審査になります。
- 完成時点でピンが残っていたり、指定箇所にフィンガーウェーブやピンカールが作られていない場合、30点の減点になるので注意が必要です。
衛生実技試験審査
また、実技試験中は衛生実技試験審査も同時に行われます。
- 動的審査
- 静的審査
- 確認的審査
があります。
- 合格基準点は80点です。
動的審査
- 試験中、衛生面に気を付けながら安全に施術が出来ているかどうか。
静的審査
- 受験者の身体と服装はだらしない服装になっていないか。
- 使用する器具類が試験にふさわしい物を使用しているかどうか。
確認的審査
- 試験終了後に使用した物の衛生的処理をしているかどうか。
試験難易度
1年に2回実施される美容師国家試験の難易度ですが、夏季試験では55%程度、冬季試験では85%程度の合格率になっています。
筆記試験の合格基準
①正答率が60%以上であること。
- 新試験では、55問中33問の正答が必要となります。(66/110点以上)
- 旧試験では、50問中30問の正答が必要となります。(60/100点以上)
②全ての課目において無得点がないこと。
- 新試験では、関係法規・制度及び運営管理、公衆衛生・環境衛生、感染症、衛生管理技術、人体の構造及び機能、皮膚科学、香粧品化学、文化論及び理容技術理論のいずれの課目においても無得点がないこと。
- 旧試験では、関係法規・制度、公衆衛生・環境衛生、感染症、衛生管理技術、人体の構造及び機能、皮膚科学、理容の物理・化学、理容技術理論のいずれの課目においても無得点がないこと。
実技試験の合格基準
①衛生実技試験(衛生上の取扱試験)
- 減点が20点以下であること。
②基礎的技術試験 第一課題(カッティング)
- 減点が30点以下であること。
③基礎的技術試験 第二課題(セッティング)
- 減点が30点以下であること。
免許の取得
美容師国家試験の合格後、③免許の申請をして、④美容師名簿へ登録されると、⑤美容師免許を取得することができます。
【参考】
http://www.sb.rbc.or.jp/index.html