<<チェックポイント>>
美容技術理論では、
- 美容技術理論
- まつ毛エクステンション
- 理・美容器具 ・ 色彩及びデザイン
が【重点項目】とされています。要チェックです。
ヘアカラーリング
パラフェニレンジアミンについて
髪を染めるための主力染料に、パラフェニレンジアミンがあります。
パラフェニレンジアミンが発見されたのは1863年で、ヘアカラーとして応用されたのは1883年といわれています。
ヘアカラーの種類
ヘアカラー製品 | 染毛剤
(医薬部外品) |
永久染毛料 | 酸化染毛料 | 白髪染め、おしゃれ染め |
非酸化染毛料 | オハグロ式白髪染め | |||
脱色剤・脱染剤 | 脱色剤 | ヘアブリーチ、ヘアライトナー | ||
脱染剤 | ヘアブリーチ、パウダーブリーチ | |||
染毛料
(化粧品) |
半永久染毛料 | ヘアマニキュア、酸性カラー、カラーリンス | ||
一時染毛料 | ヘアマスカラ、カラースプレー、カラージェル |
ヘアカラーには、大きく分けて、医薬部外品の「染毛剤」、化粧品の「染毛料」があります。
医薬部外品の「染毛剤」には、永久染毛剤(酸化染毛剤)や、脱色剤、脱染剤があり、
化粧品の「染毛料」には、半永久染毛料や、一時染毛料などがあります。
各種ヘアカラーの特徴
ここでは、以下のヘアカラー製品について詳しく見ていきます。
- 永久染毛剤
- 脱色剤
- 脱染剤
- 半永久染毛料
- 一時染毛料
では、いきましょう!
①永久染毛剤
永久染毛剤とは?
A.永久染毛剤は、染毛成分がキューティクル(毛小皮)及び毛皮質の奥深くまで浸透し、化学的に固着するため長期にわたって染毛効果が持続するものを言います。
永久染毛剤は酸化染毛剤と非酸化染毛剤に分けられますが、現在使用されるほとんどのものは、①酸化染毛剤です。
永久染毛料 | ①酸化染毛料 | 白髪染め、おしゃれ染め |
②非酸化染毛料 | オハグロ式白髪染め |
①酸化染毛剤
酸化染毛剤は、世界的に広く使用されていて、いったん染まると色もちが2〜3カ月持続すします。
原料の酸化染料(パラフェ二レンジアミン)が人によってはかぶれの原因になるため、使用前には必ずパッチテストが必要となります。
【酸化染毛剤の特徴】
- シャンプーしても色落ちしない
- 色は2〜3カ月間持続する
- 黒色の毛髪を明るい色に染毛することもできる
- 人によっては、アレルギー反応によるかぶれが出ることがある
- 毛髪の手入れが不十分な場合、毛髪を傷めるおそれがある
詳しくはこちら

②脱色剤
脱色剤・脱染剤 | 脱色剤 | ヘアブリーチ、ヘアライトナー |
脱染剤 | ヘアブリーチ、パウダーブリーチ |
脱色剤とは?
A.脱色剤は、毛髪のメラニン色素を脱色する染毛剤をいいます。
【脱色剤の特徴】
- 刺激による炎症を起こすおそれがある
- 酸化染料が入っていないので、かぶれを起こすことはほぼない
- 毛髪の手入れが不十分な場合、毛髪がアルカリに傾き、毛髪を傷めるおそれがある
詳しくはこちら

③脱染剤
脱色剤・脱染剤 | 脱色剤 | ヘアブリーチ、ヘアライトナー |
脱染剤 | ヘアブリーチ、パウダーブリーチ |
脱染剤とは?
A.脱染剤は、パウダーブリーチに含まれる過硫酸塩により染毛した毛髪の染料を壊し脱染する染毛剤をいいます。
詳しくは、こちら

過硫酸塩とは?
過硫酸塩とは、メラニン色素を分解する作用をもつ酸化剤です。過酸化水素と同様に、酸化促進剤として配合されます。
【脱染剤の特徴】
- 脱染剤でも酸化染毛剤などによって、黒や、濃く染められた毛髪を完全に脱染することは難しい
④半永久染毛料
染毛料
(化粧品) |
半永久染毛料 | ヘアマニキュア、酸性カラー、カラーリンス | |
一時染毛料 | ヘアマスカラ、カラースプレー、カラージェル |
半永久染毛料とは?
A.半永久染毛料は、酸性染料がキューティクル(毛小皮)と毛皮質の浅いところまで浸透して毛髪タンパクとイオン結合して染まる染毛料のこと。
「酸性カラー」「ヘアマニキュア」「カラーリンス」「カラートリートメント」 などとよばれています。
【半永久染毛料の特徴】
- かぶれ、毛髪の傷みがほとんどない
- 色もちは約2〜4週間
- シャンプーのたびに少しずつ色落ちしてき、汗でも色落ちしやすい。
- 黒色の毛髪を明るい色にはできない
詳しくはこちら

⑤一時染毛料
染毛料
(化粧品) |
半永久染毛料 | ヘアマニキュア、酸性カラー、カラーリンス | |
一時染毛料 | ヘアマスカラ、カラースプレー、カラージェル |
一時染毛料とは?
A.一時染毛料は、水に溶けないタール色素や無機顔料、カーボンブラックなどの着色成分を樹脂や油分などに混ぜたもので、一時的に毛髪の表面のみに着色する染毛料です。
【一時染毛料の特徴】
- かぶれ、毛髪の傷みはほとんどない
- 1度のシャンプーで色が落ちる
- 汗などには比較的強い
詳しくはこちら

その他ヘアカラー剤
「植物性染毛料」と 「金属性染毛剤」が「染毛剤」「染毛料」 以外のカラー剤としてありますが、どちらも今はあまり使用されません。
色の基本(過去出題)
色には、「色相」と 「明度」と「彩度」 があります。
色相について
プライマリーカラー(色の3原色)
赤(マゼンタ:M)・黄(イエロー: Y)・青(シアン: C) の3色を基本としています。
色は、この3色を「プライマリーカラー」= 色の三原色といい、この3色を混合することで、さまざまな色が作り出せます。
色光の3原色と言うものもあり、
色光の3原色は、赤・緑・青の3色を基本としています。
セコンダリーカラー
プライマリーカラーを2色混合したもの。2色混合すると、「セコンダリーカラー」= 第2混合が得られる。
カラーサークル
セコンダリーカラーをさらに混合すると、「カラーサークル」=色相環ができます。
補色
カラーサークルで、お互いの対極にある色同士のこと
ニュートラル効果
補色の色同士を同じ割合で混合したときの、お互いの色みを打ち消す作用のこと。
減法混色
三原色(プライマリーカラー)を混合すると色はもとの色よりも暗く濁る現象
明度と彩度について
色には、色相のほかに 「明度」と「彩度」 があります。
明度とは
「明度」は色の明るさのことです。明度が高いとは、明るい色 (白に近い色)、 明度が低いとは、暗い色(黒に近い色)のことを意味しています 。
彩度とは
「彩度」は色の鮮やかさのことです。彩度が高いとは、鮮やかな色(強い色)、彩度が低いとは、くすんだ色(弱い色)のことを意味しています 。
無彩色・有彩色
色には無彩色と有彩色があります。無彩色は、白から黒までの色をいい、有彩色は赤み、黄みといった色みのある色をいいます。
トーン
色の明度と彩度が組み合わさった調子を色のトーンといいます。
問題
色に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1)プライマリーカラー(色の三原色)は、赤・黄・緑を基本としている。
(2)彩度は、色の鮮やかさのことで、彩度が低いといえばくすんだ色をさす。
(3)明度は、色の明るさのことで、明度が低いといえば明るい色(白に近い)をさす。
(4)有彩色は、白から灰色、黒までの色をいう。
正解)(2)
彩度」は色の鮮やかさのことです。彩度が高いとは、鮮やかな色(強い色)、彩度が低いとは、くすんだ色(弱い色)のことを意味しています 。
毛髪のレベル
毛髪は、メラニン色素によって人それぞれ違った色みがあります。
メラニン色素には、黄褐色系と赤褐色系の2種類があり、これら2種類の含有バランスや含有量により、 毛髪のレベル(明るさ)や色調が決まります。
メラニン色素の含有量が多ければ毛髪のレベルは低くなり(暗くなり)、色調は黒く見えます。
色素細胞(メラノサイト)の数は人によってあまり変わりはありません。
毛髪のレベル表示
暗いの毛髪を脱色(ブリーチ)していくと、ブリーチ度に応じて毛髪のレベル(明るさ)が変化していきます。
既染部の毛髪レベルは、ピグメントカラーレベルと呼ばれます。
毛髪のレベル(明るさ)を表すのに、以下のような段階分けがあります。
欧米
10段階の国際レベル表示を使用
日本
10段階の国際レベル表示の1〜8までを12段階に分けて使用。
日本人の毛髪のナチュラルレベルは平均4前後が多い。
アンダートーン
毛髪の下地となる色みをアンダートーンといいます。
残留色素
すでにヘアカラーをしている人の毛髪の中に残っているへアカラーの色素のことを残留色素という。
パッチテスト
パッチテストとは
A.パッチテストとは、染毛剤によるアレルギーの有無を確認するためのチェックのことです。
パラフェニレンジアミンや、パラトルエンジアミンなどのジアミン系の酸化染料を主体とした酸化染毛剤では、人によってかぶれなどの皮膚炎を起こすことがあるのでこのパッチテストが必要になります。
皮膚炎には、一次刺激性の接触皮膚炎とアレルギー性の接触皮膚炎があり、ヘアカラーリングの場合は、アレルギー性の皮膚炎が多いです。
アレルギーの抗体は、長い間かかって体内に作られることも多いので、カラーの都度パッチテストを行う必要があります。
アレルギーの症状
- 染毛剤が付着したところに赤いブツブツができる
- かゆみくなる
- 顔全体が赤くなる
- まぶたがはれ上がる
- 胸や腹部にまで発疹や水疱が広がる
アレルギーの性質
- 初回はかぶれなくても、繰り返し行ううちに突然かぶれることがある。
- 抗原と抗体の反応により起こる(染毛剤の場合は、パラフェニレンジアミンが抗原、これにより皮膚中に抗体が作られる)
染毛剤の注意事項
取り扱い上の注意点
- メーカーの注意事項をよく読み、指示に従う。
- 調合は、使用直前に行い、残った液は捨てる
- 直射日光のあたらない冷暗所に密栓して保管する
施術の注意点
- 染毛のたびごとに毎回必ずパッチテストを行う。
- パッチテストは、染毛の48時間前に行い、塗布30分後と48時間後にチェックする。
- 眉毛、まつ毛には染毛剤を使ってはいけない。(毛髪以外は染めない)
施術中の注意点
- 顔面、生え際、首などに付着させない
- 付着したときは直ちに洗い流す。
- 目に入ったときは、すぐに水またはぬるま湯でよく洗い流し、直ちに眼科医の診療を受ける
施術を控えるべき状態
- 頭、顔、首筋にはれもの、傷、皮膚病がある場合
- 生理時、妊娠中または妊娠している可能性がある場合
- 出産後、病中、病後の回復期にある場合
- 特異体質、腎臓病、血液疾患の既往症がある場合
- 微熱、倦怠感、動悸、息切れなどの症状があり、体調がすぐれないとき
施術を行ってはいけない状態
- 今までに染毛剤でかぶれたことがある場合
- 染毛中または直後に発疹、発赤、かゆみが出たり、気分が悪くなったりしたことがある場合
- パッチテストの結果、異常が生じた場合
その他の注意事項
- 染毛の前後1週間はパーマネントウエーブをかけない。(毛髪を傷めたり、色落ちすることがある)
アルカリ性タイプの酸化染毛剤によるヘアカラーリングに関して(過去問出題)
毛質と染まり具合の関係
染まり具合 | 明度 | 毛髪の状態 | 毛量 |
染まりやすい毛質 | 明るい | 乾燥毛・損傷気味・細い・軟毛 | 少ない |
染まりにくい毛質 | 暗い | 脂性毛・健康・太い・硬毛 | 多い |
毛質と色の出方の違い
毛質 | 色の出方 | 対策 |
太い・硬い・撥水性・地毛が黒い |
|
希望の色より明度の高い染毛剤を選択する |
細い・軟らかい・吸水性・地毛の色が明るい |
|
希望の色より明度の低い染毛剤を選択する |
損傷のある部分 |
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暗い色のヘアカラーで染めた毛 |
|
必要により脱染剤を使用する場合がある |
部位と染まりやすさの関係
下記のように毛髪は部位によって染まりやすい、染まりにくいがあるので、染まりにくいところから先に塗布したり、塗布量などを調整する必要があります。
順序は、染まりにくい部分→染まりやすい部分です。
染まりやすい | 染まりにくい |
|
|
(1)細毛や軟毛などは、黄み系が出やすいので、希望色より明度の低い染毛剤を用いるとよい。
(2)白髪は染まりやすいので、白髪染めの場合、白髪の少ない部分から塗布する。
(3)放置時間の目安は、ヘアカラーの場合、約5~20分で、5分おきにテストする。
(4)放置時間がある程度経過した時点で、皮膚や発色の状態を確認するためパッチテストを行う。
正解)(1)
(1)毛髪に損傷のある部分には、希望色より明度の高い染毛剤を多めに塗布する。
(2)全体を暗く染める場合は、毛髪の明るいフロントの部分から塗布する。
(3)染まりやすいもみ上げやフロントは、最後に塗布する。
(4)バージンヘアの毛先は染まりやすいので、根本から塗布する。
正解)(2)
ヘアブリーチ
ブリーチは、よりスピーディな塗布技術を体得することが大切です!
ブリーチのポイント
基本的な操作はヘアカラーの塗布パターンと同じですが、ブリーチは、むらなどが目立ちやすいので、センシティブです。
ブリーチテクニックのポイント
- ブロッキングを細かくする
- 塗布はスピーディに行う
- 染まりにくいネープラインから塗布する
- 塗布作業による時間差を、まず塗布量で調節する(最初に塗布する部分の塗布量を少なめ、徐々に多くしていく)
- 根元部分約0.5cmは塗布しない
- 塗布むらのチェックを確実に行う