マーケティング
マーケティング
マーケティング
顧客にサービスを利用し、満足してもらい、長く利用してもらえるようにするために行う活動(重要)
- マーケティングは、広告や調査といった活動だけを指すものではない。
- 誰でもよべばよいのではなく、決めたターゲットに合致する顧客を確実に集め、定着してもらえるようにすることが狙い。(重要)
- 今日のマーケティングでは、顧客を集めること以上に顧客を維持する(=リピーターを増やす)ことを重視します。(重要)
マーケティングの重要点
マーケティングの重要点
- 顧客の目線に立ち、顧客に選ばれるために、喜んでもらうためにどうすればよいかを考え、具体的に実行すること。(重要)
- サービスを提供するうえで考えておかなければならないことを、すべて一貫性をもって実現できるようにしていくのがマーケティングの活動。(重要)
マーケティング・ミックス(重要)
マーケティング・ミックス(重要)
マーケティング・ミックス
マーケティングで行われる様々な活動の組み合わせのこと。(重要)
- 価値・価格・コミュニケーション・インターフェイス・人・物的要因・システム・プロセスなどの要因を効果的に組み合わせることで、顧客に確実に価値を提供していくようにすること。
- 顧客にとって魅力的であると考えられるものを、ありとあらゆる方法を使って実現していく。
- 対象とする市場を引きつけ、それに対応するために、すべてが連動して行動するように創られる。(重要)
マーケティング・ミックスの要因
- 価値 顧客に提供するサービスの根幹や基本となる部分
- 価格 顧客に支払ってもらう価格や料金
- コミュニケーション 顧客に提供する情報と顧客から受け取る情報
- インターフェイス サービスを提供したり、注文を受け付けたりするなどの役割を果たす仕組み
- 人 サービスを提供する人及び人を通じて提供されるサービス
- 物的要因 サービスの提供に用意されている物・機器・道具
- プロセス 仕事を進めるために用意された仕組み手続き
- 顧客の支持を得るには、計画的に顧客に関わるすべての要因を統合し、実行していくことが必要。(重要)
- 目的に応じて、一貫性をもってすべての要因をバランス良く組み合わせることがポイント。(重要)
マーケティングミックスにおいては、顧客に関わるすべての要因を、一貫性をもって組み合わせ、実行していくことが重要。
マーケティング・ミックスと市場
理容業・美容業の店舗は、個人経営店とチェーン店の2つに大別されます。
- 個人経営店→従来の地域立脚型
- チェーン店→特定の価値を強く打ち出す経営戦略
個人経営店とチェーン店のマーケティングミックスは大きく異なります。
- 個人経営店は、地域に密着したサービスを行い、確実なリピーターを増やしていく。
- チェーン店は、特定の価値に魅力を感じる顧客を広い地域から集めることを重視し、サービス内容を「特化(専門化)」させている。(重要)
個人経営店とチェーン店では対象とする市場が異なっています。
- 個人経営店の市場→限られた地域的な範囲
- チェーン店の市場→全国各地にお店のある広い範囲
マーケティング・ミックスの要因
短期的要因・長期的要因
マーケティング・ミックスにはその影響が短期的なもの(短期的要因)と長期に及ぶもの(長期的要因)があります。
短期的要因
(例)価値、価格、コミュニケーション(重要)
短期的要因は、顧客にとってインパクトがあり、顧客の行動を変える力が強いが、その効果は長続きしない。
長期的要因
(例)インターフェイス、人、物的要因、プロセス(重要)
長期的要因は、サービスを提供していく基盤をなすものであり、一度しっかりしたものが構築されれば、ある程度長い間よい影響をもたらしてくれます。
短期的要因
短期的要因 価値
価値
顧客に提供するサービスの中心、基本のこと。
- 人や物的要因、システムも一体となって価値を構成しています。
- よい価値をしっかりみせて伝えていくということが、サービスのマーケティング・ミックスを考えるうえで重要。
短期的要因 価格(重要)
価格
顧客に支払ってもらう価格や料金のこと。
価格差の設定
例えば、交通機関や遊園地などでは、混雑する時期の価格を上げ、関散期の価格を下げています。
- これは価格差を設けることで、閑散期に顧客をよびこむため。(重要)
- 価格差は顧客にとって明確なメリットがあるため、広告などでよびかける方法よりも、行動につながりやすい。(重要)
- 価格差を設けて需要をコントロールすることは、サービスを安定的に提供していくうえで重要。
短期的要因 コミュニケーション(重要)
コミュニケーション
顧客に情報を提供したり、顧客から情報を受け取ったりするやりとりのこと。
- インバウンド・コミュニケーションと、アウトバウンド・コミュニケーションがある。(重要)
- 今日ではインターネットの普及や、タウン情報誌が浸透したことから、利用しやすいものになっており、自店の魅力を伝えるうえで積極的に取り組む必要があります。
インバウンド・コミュニケーション(重要)
インバウンド・コミュニケーション
顧客から寄せられるもの。(重要)
(例)意見、苦情、質問、感想など(重要)
- 顧客から発信される情報はとても貴重なもの。
- これらにより、今後サービスをどう改善していったらよいかがわかります。
アウトバウンド・コミュニケーション(重要)
アウトバウンド・コミュニケーション
顧客に向かって発信するもの。(重要)
(例)広告、キャンペーン、イベント、ダイレクトアプローチなど(重要)
- 顧客に対して自店の魅力を伝えたり、来店を呼びかけたりするために行われる情報発信のこと。
- アウトバウンド・コミュニケーションは、プロモーションともよばれる。(重要)
プロモーション
消費者の購買意欲を喚起するための活動のこと
- 順番としては広告→キャンペーンやイベント→ダイレクトアプローチと次第に対象が絞り込まれていき、最終的に商品の購買に近づいていく。
- 商品の購買などを促すよう、全体としてプロモーションを管理していく取り組みを「プロモーション・ミックス」とよぶ。
広告
商品やサービスなどの情報を世間に知らせ、行動を促す方法。
- 目的を明確にして行うことが重要。
- 自分の伝えたい価値が、ターゲットに確実に伝わることを考えていかなければなりません。
キャンペーン、イベント
期間限定の割引や、プレゼントの用意など、確実な利用を促す方法。
- 特典を設けることで一時的に顧客を増やす効果が期待できます。
- 大切なのは、キャンペーン目的で来店した者に店の魅力を存分に感じてもらい、次からはここに来ようと思わせ、常連客に変えること。
ダイレクトアプローチ
郵便・電話・電子メールなどを使い、顧客に直接働きかける方法。
長期的要因
長期的要因 インターフェイス
インターフェイス
サービスを提供したり、注文を受け付けたりするなどの役割を果たす仕組み。
(例)電話、FAX、電子メール、SNS、ホームページなど
- インターフェイスは、顧客にサービスを提供したり、予約を受け付けたりするなど、さまざまな機能を有する「窓口」である。(重要)
- 最近ではチェーン店のように多店舗を展開し、自社のホームページやSNSを通じて予約や要望・質問を受け付けたりするなど、さまざまな窓口を設けて多様なサービスを提供することも増えています。
インターフェイスに関わる課題
ホームページなどの新しいインターフェイスが設置されたことで、顧客が店に接する窓口は増え、サービスの内容も増えた。(重要)
- しかし、インターフェイスを増やすと、顧客のニーズは急速にばらつくことになる。(重要)
- 電話よりもインターネットのほうが、顧客は「いつでも」「すぐに」「気軽に」対応してもらえるという期待をもつ。
- 気軽に予約を変更されたり、質問に対する回答が遅いとクレームを言われたりすることも増えます。
インターフェイスで顧客が抱く期待に自店がこたえられるのか、そのためにどれだけの体制が必要か、といったことをしっかり考えて採否を決めることが大切。
インターネットと犯罪
インターネットに代表される情報技術を活用していくことは、昨今の経営においては当然といえます。
- 顧客がスマートフォンなどを通じてこうした技術を活用できるようになっていることからも、利用はまします増えていくと思われます。
- しかし、インターフェイスの問題や情報セキュリティに関する課題、情報の更新、データ管理など、責任が増え、費用も増えます。
- 例えば、他人が創った映像や音楽を無断利用したり、無許可で人の写真を利用することは犯罪になる。(重要)
情報技術の管理は慎重にその必要性を考え、資源が許す範囲で確実に行っていく。
長期的要因② 人
人
サービスを提供する人自身、および人を通じて提供されるサービスのこと。
- 理容業・美容業というサービスにおいて、人はサービスの根幹。
- 人は、技術を発揮する価値の中核を担っています。
- サービスを改善し、クオリティを向上させることは人にしかできない。
- 人はマーケティング・ミックスの要因において、最も難しく、最も大きな価値を生み出してくれる長期的要因になります。
長期的要因③ 物的要因
物的要因
サービスの提供に用意されている物・機器・道具などのこと。
一般商品とは異なり、サービスは価値がとらえにくいので、分かりやすい物を活用することで、価値を可視化していくという方法がとられます。
そこで活用される店舗や家具、花瓶や顧客が読む雑誌、理容師・美容師が使うさまざまな道具・機器類などのことをさす。
物的要因は統一性を考えることで、価値を顧客にイメージさせることができます。
- 整頓された店内は、誠実さ・信頼性を感じさせ、静かで明るい店は落ち着きを感じさせます。
- 統一感をもって物をそろえることで、背景にあるメッセージを顧客に伝えることができます。
物的要因は、サービスを提供するシステムの一部として重要。
長期的要因④ プロセス
プロセス
仕事を進めるために用意された仕組みや決められた手順、手続きなどのこと。
(例)「専用のシステムを使って予約をしてもらう」「始業前に今日の作業をチェックし、仕事の分担を決める」など
- 1つのプロセスを利用することで、店内の活動は規格化され、管理しやすくなり、サービスやクオリティの安定化につながます。
- プロセスは機器類と結び付けられたり、他のプロセスと連結することで、店全体のサービスやシステムの基盤になります。
- プロセスは、サービス全体のシステムに密接に繋がっています。
総まとめ問題
マーケティングに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) 顧客にサービスを利用し、満足して利用し続けてもらうために行う活動をマーケティングとよぶ。
(2) 最近のマーケティングでは、顧客を集めること以上に、顧客を維持することを重視していることが多い
(3) マーケティングでは、ターゲットを特定する必要はない。
(4) 顧客目線を持ち、顧客に喜んでもらい、選んでもらえるためにどうすればよいかを考え、具体的に実行することが最も重要です。
正解(3) ・・・マーケティングでは、決めたターゲットに合致する顧客を確実に集め、定着してもらえるようにすることが狙いなため、ターゲットを特定する必要がある。
マーケティング・ミックスに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) チェーン店では、特定の価値に魅力を感じる顧客を広い地域から集めることを重視し、サービス内容を特化させています。
(2) マーケティング·ミックスは対象にする市場を引きつけ、それに対応するように、すべてが連動して行動するように創られます。
(3) マーケティングに関わるすべての要因に一貫性をもたせる必要はない。
(4) 顧客の支持を得るには、計画的に顧客に関わるすべての要因を統合し、実行していくことが必要です。
正解(3)・・・マーケティング・ミックスでは、目的に応じて、マーケティングに関わるすべての要因に一貫性をもたせる必要がある。
マーケティング・ミックスに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) 長期的要因には、価値、価格、コミュニケーションなどがあります。
(2) 短期的要因は、顧客にとってインパクトがあり、顧客の行動を変える力が強い。
(3) 人や物的要因、システムも一体となって価値を構成しています。
(4) 閑散期に顧客をよびこむために価格差を設けることは、顧客にとって明確なメリットがあります。
正解(1) ・・・マーケティングミックスにはその影響が短期的なもの(短期的要因)と長期に及ぶもの(長期的要因)とがあり、短期的要因には、価値、価格、コミュニケーションなどがあります。長期的要因には、インターフェイス、人、物的要因、プロセスなどがあります。