サービス・デザイン・コンセプト
サービス
サービス
顧客によい経験を提供すること
- 客はサービスを主観的に評価するが、サービスを提供する側はよいと評価されるサービスを創らなければなりません。
- 顧客が経験するすべてが魅力的に感じてもらえるようにする必要がある。(重要)
サービス・デザイン
価値
顧客が受け取るべき全てのもの
サービス・デザイン
価値の実現のために行うもの
- サービス・デザインは、経営戦略に基づき、対応すべき願客のニーズ、自社の経営資源の制約を考慮して決定されます。
サービス・デザインの要点
サービス・デザインを進めるうえで大切なことは、全体として「一貫性(統一感)」を備えていること。(重要)
- どこをとってもその価値が感じられるようにすることで、顧客はその店の価値を理解しやすくなります。
コンセプト
コンセプト
「モノトーンでシンプルな店」「くつろげる癒やし系の店」など、提供すべきサービスのイメージのこと
- コンセプトは創るべきサービスを考えたり、サービスに統一感をあたえていくうえで役に立つ。
- コンセプトに基づき、顧客に提供するサービスを具体的に考え、実現していくのがサービス・デザイン。(重要)
システム・システム化
システム
システム
道具、情報、人などすべてのものが、顧客に喜んでもらう仕組みとなって結び付いている状態のこと(重要)
- システムは、機械にできるところは機械化したり、マニュアル化したりするもの。(重要)
- システムは人の個性をなくすものではない。(重要)
- システムで最も重要なのは、よい結果であろうとなかろうと、共有できる環境である。(重要)
システム化
システム化
具体的な手続きを決めたり、情報システムを活用するなど、やるべき仕事を細かく規定し、だれがやっても同じ成果が実現できるようにすること。
- 安定的・継続的にサービスを提供していくうえで、システム化は重要になる。(重要)
システム化の目的
システム化の目的
→道具の配置や、顧客への対応・店内のコミュニケーション、従業員間の連携などについて、安定した活動ができる基盤を作ること
コア・周辺・オプション
価値は、「コア(中心)」「周辺」「オプション」の3つから構成されています。
コア
顧客に提供するものの中核。欠いてはならないもの。
- コアは必ず実行しなければならないものであり、すべての顧客に提供されるものである。(重要)
- 顧客は、コアが提供されるのを当然と考えており、的確に提供されなければ大間題になります。
- コアの提供で、ミスは許されない。
周辺
コアを取り巻くもの。すべての顧客に提供されるもの。
- その店独自の個性が表れるという点で、他店との競争上ではコアよりも重要。
- 店独自の魅力であり、自分らしさを伝えるために行っていることと考えればよい。
オプション
特別希望があった場合に、希望した顧客に対して提供するもの。
- より高い成果を提供するための特別なものと考えられます。
- 顧客に迷惑をかけた場合にその弁済のために提供されるサービスなども含まれます。
価値はコア、周辺、オプションが一体となって提供される。(重要)
- この考え方は、クオリティの高いサービスを実現するうえで重要になります。
- 顧客が認知するクオリティは、周辺やオプションの部分に集中しており、そこを確実に提供していかなければ高いクオリティとは理解されない。
- コア、周辺、オプションを統一性のある形で実現しなければ、クオリティの高いサービスと受け止められることはない。
競争とコア・周辺・オプション(重要)
①例えば、理容所・美容所において掃除をすることは「コア」です。
- 場除がきちんとされていたからといって顧客は驚かない。
↓
②だが空気清浄機が置かれていたら花粉症の顧客などには素晴らしい「周辺」として受け入れられます。
- 顧客にとってよりよいものが提供できれば、それは「周辺」となり、競争力のある、魅力のある価値になります。
↓
③しかし他店がまねをして空気清浄機を導入すれば、それは競争力のあるものではなくなります。
- それが普通だと認識されればかつて「周辺」だったものも「コア」化してしまう。
↓
④このように、競争は「周辺のコア化」を進めます。
つまり、競争に勝ち残っていくためには、容易にまねされない価値を魅力にしていくことが必要となる。(重要)
- まねされにくい価値とは、そのやり方や考え方が分かりにくいものです。
- システム化が重要になるのは、まねされにくい価値を生み出すためである。(重要)
価値を実現するシステム(重要)
モノ(商品)の販売は、それ自体がしっかりしていれば、その作り方は顧客が評価するものではない。
- サービスは、その提供のされ方も、それが顧客の経験に影響をあたえる限り、売り物の一部となる。(重要)
顧客に提供する価値を創ることと、それを提供するためのシステムを構築することは同時に考えられるべきもの。(重要)
- 自分が顧客に対して提供したい価値を考えて創ったものは、状況が変化したり働く人が変わっても、安定した成果として生み出していく必要があります。
- そのためにはシステム化が必要になります。
- システム化は、顧客に提供したい価値を創り、実現するために、必要な機器、情報、人などをつなぎ合わせて進めなければならない。(重要)
顧客満足とシステム
顧客がサービスに満足した程度を「顧客満足」という。
- サービスが顧客の期待にこたえた程度を表し、サービスの改善のためにアンケートなどの方法で調査されていることが多い。

顧客満足において最も基本的なことは、コアを確実に提供することです。
- コアがあれば、その上に魅力が積めます。
- もしコアが不安定で、満足に価値を提供できないようなことであれば、どのような魅力があろうと願客は決して満足してくれない。
この基盤を重視する考え方を反映しているのがシステムです。
- システムは必要なことを確実に、効率的に実現することを基本とする。(重要)
人としての力とシステム
人は美容業のサービスの中心であり、顧客に最も強い印象を与えます。
- 美容業のサービスは、気配りやコミュニケーションなどの「人としての力」に大きく依存しています。
- 例えば、顧客の髪質やサービスへの期待は、人によって異なります。
- その違いを明らかにして、細やかに一人一人対応していく「個別対応」がサービスにおいて重要である。(重要)
人の力には問題発見と問題解決があります。
- 問題発見とは、顧客が困っていないか、変わったことはないかなど、問題に気づく力である。(重要)
- 問題解決とは、気づいたことに対して、具体的な解決を提供する力である。(重要)
人の力には限りがあります。疲れていたり、注意が散漫になっていると機能しにくく、消耗している状態では力を発揮できない。(重要)
- 人の力はばらつきやすいので、人でなくても可能な部分は、積極的にシステム化するとよい。
まとめ
全体を通してシステム化というワードがめっちゃ出てきますが、なんでもマニュアル化・習慣化したら楽になりますよっていうことです。
例えばバイトとかでも慣れてきたら勝手に体が動くようになりますよね。そしてバイトの仕事もマニュアル化されていたら誰でも覚えれば同じことができるようになります。
店として、システム化できる部分については、そのやり方や考え方などを皆で共有していく(=システム化する)と楽ですよっていう感じです。
総まとめ問題
価値の実態に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) コアは必ず実行しなければならないものであり、すべての顧客に提供されるものです。
(2) 競争に勝ち残っていくためには、容易にまねされない価値を魅力にしていくことが必要です。
(3) システム化が重要になるのは、価値を生み出すことがまねされやすくなるからです。
(4) 価値はコア、周辺、オプションが一体となり提供されます。
正解(3) ・・・システム化が重要になるのは、真似されにくい価値を生み出すためです。
顧客満足の実現のためのシステムに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) 顧客に提供する価値を創ることと、それを提供するためのシステムを構築することは同時に考えられるべきものです。
(2) システムは必要なことを確実に、かつ効率的に実現することを基本としています。
(3) 必要な機器や情報だけをつなぎ合わせて、人を組み合わせることなくシステム化を進めなくてはなりません。
(4) サービスは、その提供のされ方も、それが顧客の経験に影響をあたえる限り、売り物の一部です。
正解(3) ・・・必要な機器や情報、人をつなぎ合わせて、システム化を進めなくてはなりません。
人の役割に関する次の記述のうち、 誤っているものはどれか。
(1) 細やかに一人一人に対応していく個別対応こそがサービスにおいて最も重要な部分です。
(2) 問題発見とは、顧客が困っていないか、変わったことはないかなど、問題に気付く力です。
(3) 問題解決は、気付いたことに対して、具体的な解決を提供する力です。
(4) 人の力には限りがあるが、消耗していても最も重要な力は発揮できます。
正解(4) ・・・人の力には限りがあり、消耗していると最も重要は力は発揮できなくなる。