保健

12.皮膚の生理機能・保護機能 まとめ

目次
  1. 生理機能・保護機能
  2. 生理機能① 皮膚の対保護作用
  3. 生理機能② 皮膚の体温調整
  4. 生理機能③ 皮膚反射
  5. 生理機能④ 分泌・排泄作用
  6. 生理機能④ 呼吸作用
  7. 生理機能⑤ 吸収作用
  8. 生理機能⑥ 貯蔵作用
  9. 生理機能⑦ 免疫・解毒・排除作用
  10. 生理機能⑧ 再生作用
  11. 生理機能⑨ 毛の作用
  12. 生理機能⑩ 爪の作用

生理機能・保護機能

皮膚は外部からの刺激から人体を保護・順応させ、人体内の体液が失われたり、体温が失われたりする事を防ぐ保護作用があります。

皮膚はどのくらいが失われると生命の維持がむずかしくなる?



皮膚の3分の1が失われると生命の維持がむずかしくなります。

生理機能① 皮膚の対保護作用

皮膚は、外部からの刺激・攻撃にたいして非常に強い。針や刃物でないかぎり簡単には裂くことはできない。

皮膚の対保護作用には、どんなものがある?

皮膚の対保護作用には、以下のようなものがある

  1. 機械的(物理的)外力に対する保護作用
  2. 光線に対する保護作用
  3. 化学的刺激に対する保護作用
  4. 細菌・微生物に対する保護

そして、保護作用を形成している主なものは、

  • 表皮角質層
  • 膠原繊維・弾性繊維
  • 皮下脂肪
  • メラニン
  • ケラチン
  • 脂肪膜・酸膜
  • 自己浄化作用

です。

①機械的(物理的)外力に対する保護作用

皮膚の中で、機械的(物理的)外力に対する保護作用を持つものには、

  1. 表皮角質層
  2. 膠原繊維
  3. 弾性繊維
  4. 皮下脂肪

などがある

表皮角質層

ケラチンというタンパク質からなっています。ケラチンは弾力と柔らかさがあって簡単にはきれない。

膠原繊維

ケラチンに似ていて、機械的外力に強いタンパク質。

弾性繊維

皮膚の伸び縮みに対しての保護担当します。

皮下脂肪

外部からの物理的衝撃が体の内部まで及ばないようにするクッションのような働きをつ。

皮膚の構造はこちら↓

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②光線に対する保護作用

皮膚の中で、光線に対する保護作用を持つものには、

  • メラニン

がある



皮膚以外では、

  • ヘモグロビン

も紫外線を吸収する

メラニン

皮膚は日光に当たると赤くなり、さらに強い日光だと水疱を作ます。その後、メラニンが大量に作られ色素沈着を起こし、皮膚の色が黒くなります。

メラニンは、紫外線を吸収、散乱させ、紫外線が体の内部まで達しないように保護しています。

ヘモグロビン、汗

メラニンの他にも血液内のヘモグロビンや、汗も紫外線を吸収します。

③化学的刺激に対する保護作用

皮膚の中で、化学的刺激に対する保護作用を持つものには、

  • 脂肪膜(酸膜)
  • ケラチン

がある

脂肪膜(酸膜)とは?

皮膚表面の汗と皮脂が混じり合った膜、つまり水分と脂分の乳化した状態の薄い膜。水と油がが一様に混じった乳化という状態になっています。

脂肪膜(酸膜)はどんな働き、保護作用がある?

この膜は、弱酸性で、

  • 角質層や毛髪中の水分蒸発を防ぐ。
  • 外力による摩擦を防ぐ
  • 外部からアルカリを中和します。
  • 毒性を弱める

などの保護作用があります。

<脂肪膜の乳化状態の変化>
皮脂と汗が適当量のとき 油中水型(W/0型)
発汗し、水分が多いとき 水中油型(0/W型)
発汗後、皮膚が普通の状態に戻ったとき 油中水型(W/0型)

ケラチン

角質層にあります。ケラチンは、酸や弱アルカリ、有機溶媒、水などに対して強い。

④細菌・微生物に対する保護

自己浄化作用とは?

正常な皮膚による、細菌や真菌の発育を抑制する作用

①皮膚表面での自己浄化作用・・・皮膚表面の脂肪膜は弱酸性(pH4.5~pH6.5)であり、これによって細菌などは発育できず死滅します。

②皮脂中での自己浄化作用・・・皮脂の中にある脂肪酸にも殺菌作用があり、白鮮菌などがこの脂肪酸により発育が抑制されます。

③皮膚常在菌での自己浄化作用・・・皮膚には非病原性の常在菌が存在し、細菌の繁殖を抑えています。

生理機能② 皮膚の体温調整

皮膚の体温調整作用とは?

角質層・皮下脂肪・毛・毛細血管・汗腺・などにより体温を一定に保つ仕組み。

皮膚の体温調節作用を積極的に行っているのは何と何?

…皮膚の体温調節作用を積極的に行っているのは毛細血管汗腺です。
…表皮の角質層、皮下脂肪は、身体の熱の放散を防ぎ、頭毛でも、ある程度の体温調節作用があります。

周囲温度が高い時、体温はどう調整される?



以下のような方法が挙げられる

  1. 皮膚血管は拡張し、血流が良くなり体温を放散しやすくなる
  2. 発汗量が増加し、その汗による蒸発熱が熱を奪う

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周囲温度が低い時、体温はどう調整される?

以下のような方法が挙げられる

  1. 皮膚血管は収縮し、体温の放散を防ぐ。
  2. 発汗量は減少し、体温の放散を防ぐ
  3. 毛や脂肪による保温

生理機能③ 皮膚反射

皮膚反射とは

触覚・温覚・冷覚・痛覚などの知覚神経は、通常は脳まで伝えられるが、一部は脳まで行かず途中の自律神経に伝わり、皮膚に反応が現れます。これを皮膚反射という。

触覚・温覚・冷覚・痛覚のうち皮膚で、最も鋭敏、鈍いのはどれ?

触覚・温覚・冷覚・痛覚のうち皮膚では、痛覚最も鋭敏で、温覚最も鈍い

鳥肌反応・立毛筋反射とは?

皮膚は、温かい刺激を与えると血管が拡張して赤くなり、冷たい刺激を与えると血管が収縮して青白くなり、立毛筋も収縮し毛が逆立つ反応。

皮膚描記症とは?

皮膚を尖ったものでなぞると白い線や赤い線ができて、腫れ上がったりする反応

生理機能④ 分泌・排泄作用

脂腺からは皮脂、汗腺からは汗が分泌されます。

皮脂の分泌による保護

皮脂の役割は?4つ

  • 皮脂は、皮膚や毛を保護します。
  • 角質層と毛の表面に薄い脂肪膜をつくり、皮膚と毛になめらかさと光沢をあたえる
  • 皮膚と毛から水分が蒸発するのを防ぐ
  • 化膿菌・白癬(はくせん)菌を殺し、菌を防ぐ

皮脂の分泌は、何歳のころから次第に増加し、何歳で最高になる?

皮脂の分泌は、11〜13歳のころから次第に増加し、20〜25歳で最高になり、高齢になると減少します。

皮膚の脂(脂肪膜など)を完全に拭き取ったとき、何時間後に50%が回復し、何時間後にもとの厚さに戻る?

皮膚の脂(脂肪膜など)を完全に拭き取ったとすると、1時間後には50%が回復し、3〜4時間後にはもとの厚さに戻り、皮脂の分泌は止まります。



汗の分泌による保護

汗の役割とは?

  • 汗の分泌の主な目的は体温を調節すること

発汗は、何の神経によって支配されている?

  • 発汗は、自律神経によって支配されている

1日の発汗量はだいたい何L?

  • 1日の発汗量はだいたい0.5L以上

不感知性発汗(不感蒸散)とは?

  • 不感知性発汗(不感蒸散)・・・目に見えず、蒸発する汗のこと

感知性発汗(有感蒸散)とは?

  • 感知性発汗(有感蒸散)・・・液体として認められる汗のこと

発汗の種類と特徴

温熱性発汗 温熱的な刺激によって起こる発汗。

暑い時、運動時などの発汗。周囲の温度が上昇してからしばらく経ってから発汗します。

精神性発汗 温度と関係なく、精神的影響によって起こる発汗。

緊張時・興奮時な どの発汗(交感神経関与)

味覚性発汗 味覚による刺激で起こる発汗。

すっばいものや辛いものを食べたときなどに起こります。

 

生理機能④ 呼吸作用

人間の皮膚では、皮膚呼吸は行われている?

皮膚には、皮膚から酸素を取り込み、二酸化炭素を排出するはたらきがあります。しかし、人間の皮膚では、皮膚呼吸はほとんど行われていない。

生理機能⑤ 吸収作用

経皮吸収

皮膚は、一定の条件下では、物質を取り込む働きがあります。これを経皮吸収という。

経皮吸収で吸収される物質には何がある?

  • ビタミンA、E、D
  • ステロイドホルモン
  • 性ホルモン
  • 副腎皮質ホルモン
  • 脂溶性ビタミン

など

密封包帯とは?

・・・経皮吸収を促進するために、薬剤に乳化剤等を加えたものを皮膚に塗布し、非通気性のもの(ラップ)などで覆い、密閉し包帯で圧迫する方法

生理機能⑥ 貯蔵作用

皮下組織での貯蔵作用とは?



皮下脂肪として余分に栄養を蓄えている

角質層での貯蔵作用とは?

密封包帯などで、皮膚に塗布された薬剤は、まず角質層に貯蔵され、徐々に皮膚内に取り入れられます。

皮膚の水分量は?

皮膚の水分量は、子供の場合、皮膚全体の81〜82%を占めます。成人では、約62%になります。

体全体で考えると約18〜20%ほどです。

生理機能⑦ 免疫・解毒・排除作用

解毒・排除・免疫作用とは?

病原菌や異物が侵入したときに、血液中を循環している好中球や単球が集まり、菌を食べて殺菌・溶菌、あるいは分解・処理しようとする作用。

好中球やマクロファージによる解毒・排除とは?

皮膚に化学物質が入った場合は、好中球やマクロファージが酵素などを産生・分泌して、分解・解毒・処理しようとします。

好中球?単球?

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ランゲルハンス細胞・マクロファージによる解毒・排除とは?

『好中球やマクロファージによる解毒・排除』で処理しきれないと行われる高度な免疫的な排除作用。(マクロファージなどによる処理作業は続けられる)

ランゲルハンス細胞やマクロファージが細菌の成分や抗原性化学物質を取り込んで分解処理を行い、リンパ球にそれらの抗原情報をあたえ、それらに対する抗体または感作リンパ球を増殖させ、免疫的作用により処理・排除します。

生理機能⑧ 再生作用

皮膚の再生作用にはどんなものがある?

皮膚の再生作用には、

  1. 基底細胞による再生
  2. 毛包、汗管による再生
  3. 肉芽組織による再生基底細胞による再生

などがあります。

①基底細胞による再生

皮膚は再生能力を持っています。皮膚が傷いたとしても基底層の基底細胞が残っていれば、痕が残らずに表皮が再生され回復します。

基底層とは?

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②毛包、汗管による再生

基底層が損傷しても毛包や汗管が残っていれば、そこから表皮が再生され回復します。

毛包とは?

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汗管とは?

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③肉芽組織による再生

基底細胞、毛包、汗管の全てが損傷した場合、肉芽組織という組織が表皮まで増殖します。傷跡が残ってしまう。

生理機能⑨ 毛の作用



  • 機械的刺激・ゴミを防ぐ
  • 保温
  • 異性に対する装飾
  • 触覚・痛覚のアンテナのような作用

生理機能⑩ 爪の作用

  • 保護作用
  • 再生作用

爪の保護作用

爪は、指先を保護します。

爪の再生作用

爪は、爪母があれば剥がれても再生します。爪母がなければ再生はされず、爪母が傷付けば変形の原因となったり再生できなくなったりします。

爪母の説明はこちら↓

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