皮膚の付属器官とは
皮膚の付属器官には何がある?
皮膚には、表皮・真皮・皮下組織の他に
- 脂腺
- 汗腺
- 毛
- 爪
などがあります。これらを皮膚の付属器官と言う。
毛
毛の形状はどんなものがある?
毛の形状はいろいろあります。真っ直ぐな毛を直毛、ウェーブしたもの・波状にうねったものを波状毛、縮れた毛を球状毛という。
毛流とは?
毛の生える方向を毛流といい、頭頂部・腋窩・鼠径部では渦巻状になっています。
毛渦(もうか)とは?
毛流が渦巻状になっているもの
頭毛の本数は約何本?
頭毛の本数は約10万本です。
毛は全身で、何本生えている?
全身で、約130〜140万本の毛が生えています。
毛の構造
①毛幹 ②毛根 ③立毛筋 ④脂腺 ⑤毛隆起 ⑥毛包 ⑦毛母細胞 ⑧毛球 ⑨ 毛乳頭
①毛小皮 ②毛皮質 ③毛髄質 ④内毛根鞘 ⑤外毛根鞘 ⑥毛包 ⑦色素細胞(メラノサイト) ⑧毛母細胞 ⑨毛乳頭 ⑩毛幹
①毛髄質 ②毛皮質 ③毛小皮
毛皮質
毛皮質の細胞には褐色のメラニンが含まれています。
…日本人は、毛皮質の細胞に含まれる褐色のメラニンの量が多く、髪の毛が黒色に見えます。メラニンの量が少ないと茶色に見えます。
毛幹
・・・皮膚表面に出ている部分。
毛根
・・・皮膚の内部にある部分
毛球
・・・毛根の下端のフラスコ状の膨らみ
毛乳頭
・・・毛球の中心部の球状のくぼみ。ここには血管や神経があり、毛の栄養をつかさどっています。
毛母
・・・毛球の毛乳頭に接するところ。ここで毛の細胞が作られています。メラニンを作る色素細胞が多く存在し、色素を与えています。
毛包
・・・毛根の外側を包んでいる組織のこと
毛孔
・・・毛包の皮膚表面部分の穴(毛穴)のこと
成長周期の流れは?
毛には成長期→退行期→休止期という成長周期があります。
頭毛では成長期が長い?
頭毛では成長期が長く、休止期が短い。
健康な人の頭毛で、毛の成長期、退行期、休止期の割合は?
…健康な人の頭毛では、85〜90%の毛が成長期、1%が退行期、9〜14%が休止期である
頭毛の成長期は、何年?
頭毛の成長期は、2〜6年。長いもので25年のものもあります。
頭毛の退行期は、約何週間?
頭毛の退行期は、2週間。
頭毛の休止期は、約何ヶ月?
頭毛の休止期は、3〜4ヶ月とされる
頭毛以外の成長期・休止期は、どのくらい?
…頭毛以外の毛の成長は短く、約6ヶ月です。休止期は、頭毛と同じく3〜4ヶ月とされます。
脂腺
脂腺とは?
脂線は皮脂を分泌するもの。
手掌・足底には脂腺がある?
手掌・足底には脂腺がない。
皮脂腺にはどんなものがある?
皮脂腺には毛包に開口するものと、毛と無関係で独立して存在している独立脂腺があります。
皮脂とは?
・・・皮膚表面に出て皮膚や毛にあぶらをあたえる働きをもつもの。
皮脂は何によって作られる?
皮脂は、皮脂腺によって作られます。
独立脂腺
・・・独立脂腺とは、脂腺のうち毛とは無関係のもので、口唇・眼瞼・乳輪・口腔粘膜などに存在します。
脂腺の数
脂腺の数は、体の部位によって違いがあります。
1平方センチメートルあたり、
額・眉間・鼻翼・下顎等 | 400〜900個 |
---|---|
他の部分 | 100個以下 |
汗腺
汗腺は、何と何から成り立っている?
汗腺は、
- 汗腺体
- 汗管(かんかん)
から成り立っています。
汗腺体の働きは?
汗腺体は、汗を分泌します。
汗管の働きは?
分泌された汗を皮膚表面に運ぶ。
汗腺の種類は?2つ
汗腺には2種類あります。以下の通りです。
- エクリン腺(小汗腺)
- アポクリン腺(大汗腺)
エクリン腺(小汗腺)とは?
エクリン腺は真皮の深くにあり、皮膚の表面に開口していて、人体では口唇の一部以外の全身に分布している汗腺。数は全部で200万以上とされています。
エクリン腺で分泌される汗によって表皮が洗浄されたり、潤いがあたえられています。
エクリン腺は、手掌、 足底に分布している?
エクリン腺は、手掌、 足底に多く分布します。
アポクリン腺(大汗腺)とは?
外耳道(みみ)、腋窩(わき)、乳輪、臍部(へそ)、会陰部(股間)に存在します。思春期になって機能を発揮する汗腺。
汗腺体(汗を分泌する器官)は真皮の深いところ、または皮下組織に存在していて毛包に開口しています。
ワキガとは?
アポクリン腺から分泌される汗は、エクリン腺より濃く、細菌によって分解されると独特の匂いがします。これに悪臭があると腋臭症(えきしゅうしょう)や、ワキガと呼ばれます。
アポクリン腺の汗はアルカリ性?中性?酸性?
アポクリン腺の汗は、アルカリ性で、細菌が好む栄養分(脂肪、タンパク質、糖質)を多く含むため、細菌が繁殖しやすい
爪
爪は、表皮の角質層が変形したものです。成分はケラチン。
爪各部の名称
①爪上皮 ②爪半月 ③爪甲 ④側爪郭 ⑤爪甲側縁 ⑥爪甲遊離縁 ⑦後爪郭 ⑧爪根部 ⑨爪母 ⑩爪床 ⑪爪下皮
爪郭(そうかく)
・・・爪と指の皮膚の境目のひだのような部分
爪根(そうこん)
・・・爪が指に入り込んでいる部分。
爪母(そうぼ)
・・・爪根の下、基部となっていて、爪が作られている部分。
爪半月(そうはんげつ/ルヌーラ)
・・・爪母のなかの白色で半月状に見える部分。爪の白いところ。
爪床(そうしょう)
・・・爪母から先の爪甲(つめ)がくっついている部分。
爪上皮(そうじょうひ)
・・・よくさかむけが起こるところ。爪の後爪郭から表皮の角質層が伸びて、半月の一部を覆っている部分。後爪郭を保護する働きを持つ。