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17.西洋(1910~40年代前半) まとめ

1910~20年代

1910~20年代の髪形

1910年代に第1次世界大戦が起こると、従軍兵士のバリカン刈りのヘアスタイルが、一般の男性に流行した。

バリカンはクリッパーとも言います!日本に伝えられたメーカー名からバリカンという名前が定着しました!

1920年代はハリウッド映画の全盛時代で、人気俳優だったルドルフ・ヴァレンチノやジョージ・ラフトなどによる、ポマードでテカテカにした髪をきちんとなでつけたスタイルが流行した。

  • パテントレザー(エナメル革の意。)ルックとよばれた。



18世紀中ごろのルイ15世の愛人ポンパドール侯爵夫人が好んだといわれている、前髪を巻き毛にしたスタイルは、ポンパドールと名付けられた。

  • 20世紀初頭には、このポンパドールの誇張したスタイルが、上流階級の女性に流行していた。
  • 入れ毛のクッションや金網の詰め物の上に前髪をなで上げ、頭髪全体に逆毛を立てて表面の毛を整えた大きな髪型であった。

このほかには、マーセルウエーブがより普及し、髪の分け方の人気は中央分けから横分けに移った。

  • マーセルウエーブには濡れたり洗ったりすると、ウエーブが消えてしまうという欠点があった。
  • そこで、この欠点を補う、いつまでも消えないパーマネントウエーブが求められた。

初期のパーマネントウエーブは、電気による熱を利用する方法で、チャールズ・ネッスラーによって発明され、1905年にロンドンで公開された。

  • 当初は仕上げまでに時間がかかり、高価であったが、しだいに改良され、費用も安くなりました。
  • ネッスラーは1910年代末期にアメリカに渡り、断髪にパーマをかけることを普及させ、1922年頃からパーマネントウエーブのショートヘアが流行しはじめた。

1920年代後半になって、さまざまなスタイルの変化がみられた断髪は、英語でボブまたはボブヘアと総称された。

これより短くカットしたものが、ショートボブです。

  • 頭の自然の形に沿ってシルエットをつくり、後頭部を刈り込み、両サイドは耳をやや覆う程度にカットします。
  • 首筋を隠すようにV字状にカットしたものをシングルカットとよんだ。
  • シングルボブは、我が国ではおかっぱとよんでいた。

よりボーイッシュなボブであるイートンクロップとよばれるスタイルは、イギリスのイートン・カレッジの少年たちのヘアスタイルから生まれた。

  • 脇から後頭部を刈り込み、横分けにして前髪を片側へなでつけたスタイルであり、アメリカではボーイッシュボブ、フランスではギャルソンヌとよんだ。

1910~20年代の化粧

1920年代に、歴史上初めて「日焼け色」がトレンドになりました。

  • この肌の色にマッチした真っ赤なネイルカラーが流行した。

また、まつ毛用のカラーが開発され、アイシャドーやマスカラなどによるアイメイクがポピュラーになっていった。

そして、携帯用の化粧品に人気が集まり、コンパクト、棒状のリップスティックが市場に現れた。

  • このことにより、化粧品をハンドバッグに入れて持ち歩き、外出先で化粧直しが簡単にできるようになりました。
  • 女性の行動様式またはライフスタイルの変化がうかがえます。



1910~20年代の服装

1905年、パリのデザイナ一であったポワレは、当時上流社会の女性たちにとって不可欠とされていたコルセットを取り去り、肩から足首まで直線的に垂れ下がるシルエットを発表した。

  • 同じ頃、ヴィオネ、フォルチュニィなどのデザイナーたちも、締め付けや誇張のない、自然な体の美しさを表現するデザインを打ち出した。
  • これはファッション史のうえで革命的な試みであったといえよう。

第1次世界大戦はそれまでになく大規模な戦争で、多くの男性が兵士として駆りだされた。

  • その人手不足を補うため、女性がさまざまな職場に進出した。
  • 終戦後に男性たちが復員すると、家庭に戻った女性も多かったが、この経験がきっかけとなって、1920年代には、職業をもつ女性が増えてきたのです。
  • 経済的にも精神的にも自立した女性を意味する造語の『ラ・ギャルソンヌ』というタイトルの小説がベストセラーになるなど、女性のライフスタイルが大きく変化し、ファッションにおいては戦前からの傾向がさらに進み、革命的な変わり方をみせたのであった。

1920年代ファッションの特徴は4つあった。ルーズウエストショートスカートカジュアルアイテム既製服の登場です。

ルーズウエスト

  • バストの膨らみやウエストのくびれを無視した直線的なカッティングが流行となりました。
  • ワンピースドレスではウエストラインを低く下げ、ツーピースの場合は上着丈を長くするのが流行となりました。

ショートスカート

  • 戦後、スカート足は徐々に短くなり、1925年頃には膝のすぐ下までの長さになりました。
  • 歴史上最初のショートスカートです。

また、水兵の服を原型としたセーラー(水兵)服は、19世紀後半に上流階級の少年服として登場していた。

  • 20世紀の初頭には女性用のカジュアルなブラウスとして広まり、1920年代中頃には日本の女学校の制服に広く採用されていた。



カジュアルアイテム

戦時中の1916年、シャネルはウールジャージを使って女性用のドレスを仕立て、ファッションデザイナーとしての第一歩を成功させた。

  • ジャージはそれまでは男性用のスポーツウェアや作業着などにしか使われなかったが、動きやすさがこの時代の女性たちをひきつけたのです。

ニット(編み物)製品の典型であるセーターは、漁師などの労働者の実用的な日常着であった。

  • セーター(sweater)の語源はスエット(sweat=汗)で、汗ばむほど暖かいという意味を持っています。
  • 文字どおり防寒着であった。
  • このセーターが1910年代になると、スポーツウェアとして上流社会に広まり、やがて広い階級の日常着として定着します。

既製服

上流階級のための注文による一品制作の高級ドレスの世界は、ハイファッションとよばれています。

  • そして、19世紀までのファッションとは、ほとんどこのハイファッションのことだった。

他方、一般の人たちのファッションは、一定の規模で生産される既製服によって現実化されるものです。

  • このようなファッションは、マス(大衆、大量の意)ファッションとよばれています。
  • マスファッションが登場してきた1920年代は、ファッション革命の時代だったといえます。

この時代のファッションの特徴は、ファッションが一般社会の女性たちのものとなった結果といえよう。

1930~40年代前半

1930~40年代前半の男性の髪形

1930年代男性の流行はリーゼントスタイルです。

  • グリースやポマードなどの整髪料をたっぷり使い、両サイドの毛をぴったりと後頭部までなでつけ、前髪を立ち上げて量感を出しています。
  • ロンドンの高級ショッピング街、リーゼント・ストリートのジェントルマンから流行しはじめたとされています。
  • また、1950年代後半のアメリカの人気ロック歌手、エルビス・プレスリーがこのヘアスタイルであったことから、プレスリースタイルともよばれています。
  • 我が国でも、第二次世界大戦後、1940年代の終わり頃からヤングファッションとなりました。

1930年代末から戦時中にクルー(下級船員)カットが広くみられた。

  • 短く刈り上げた角丸型とよばれるスタイルで、米国陸軍兵士の間で広く流行したところから、GIカット(GI刈)ともよばれた。

1930~40年代前半の女性の髪形

女性は、この時代の映画スターであったマレーネ・デイートリッやグレタ・ガルボなどに好まれたスタイル、サーティーズスターコワフが流行した。

サーティーズ(30年代の)スター(映画スターの)コワフ(髪型)という意味

  • コワフは髪型を意味するフランス語、コワフュール(coiffure)の略語。
  • ウエーブやカールで両サイドや額の周辺を飾ったもので、セミロングボブの一種であった。

また、ページボーイスタイルが流行した。

  • ページボーイとは中世ヨーロッパの貴族に仕えていた少年のことで、その髪型に似ていることから名付けられた。
  • 毛先を内側にカールさせたスタイルで、これもまたボブの一種です。
  • このページボーイスタイルの流行も、グレタ・ガルボのセミロングボブから始まったといわれています。
  • 典型的なスタイルとしては、ミュージカルで有名だった女優ジンジャー・ロジャースが大きな影響をあたえた。

1936年にイギリスのスピークマンによって、薬剤を用いて40度程度の温熱でウエーブを形成するコールドパーマネントウエーブの技術が開発され、全世界に急速に広まっていった。

髪の毛の色は、1920年代以後1930年代も、相変わらずブロンドが好まれていた。

  • そのための漂白剤や染毛剤の研究が進み、良質の薬剤が開発されています。



1930~40年代前半の服装

1920年代半ばに膝すれすれまでに達したスカートのヘムラインは、1920年代末から1930年代初頭にかけて、再び下がっていった。

  • 1920年代末のイブニングドレスは、ショートスカートのワンピースの上に、裾が後ろ下がりになったソフトプリーツのフレアスカートを、ローウエストの位置から後ろに重ねています。
  • これは1920年代のショートから1930年代のロングヘの過渡期のスタイルです。
  • 1929年を境に世界経済は急速に不況期にはいり、人々の生活感覚は保守的になっていった。
  • こうして1930年代には、フェミニン調のロングスカートが流行した。

1930年代前半のワンピースは、ほっそりとしたシルエットで、ウエストラインをマークし、スカート丈はミディ(くるぶしの見える丈)となっています。

  • この後、1940年代前半は、肩幅の広い、男性的な雰囲気を取り入れたミリタリー調のデザインが流行した。

また第2次世界大戦による物資不足と空襲などによる危機の迫る生活により、ファッションは終戦まで数年間停滞した。

  • パリのオートクチュールも閉店が相次いだ。