香粧品について(その他)
香粧品の種類は増える傾向にある!
生活様式や流行の変化により新しい機能をもつ製品が日々開発されています。
なので、香粧品の種類は増える傾向にあります。
ネイルとまつエクは香粧品として扱う!
ネイル(つけ爪)とまつ毛エクステンション製品は香粧品ではないが、人体に直接装着するため、香粧品に準ずるものとして取り扱います。
香粧品の種類と機能に関する次の記述のうち間違っているものはどれか。
(1)効能効果は同じでも剤形が異なるものが数多く見られる。
(2)化粧品の要件は、「人の身体に塗布、散布またはこれに類似する方法で使用」なので、ネイルやまつ毛エクステンション製品は香粧品としては取り扱わない
(3)使用部位は皮膚、爪、毛髪・頭皮など様々ある。
(4)香粧品は種類が増える傾向にある。
正解(2)…ネイル(つけ爪)とまつ毛エクステンション製品は香粧品ではないが、人体に直接装着する製品のため、香粧品に準ずるものとして取り扱う。
皮膚と水について
角質層と水について
健康な皮膚の表皮にある角質層には、通常15〜20%の水分が含まれ、皮膚の柔軟性、弾力性を保っています。
角質層には天然保湿因子(Natural Moisturizing Factor : NMF)とよばれる水分吸収物質が存在します。
天然保湿因子は、アミノ酸類やピロリドンカルボン酸塩、乳酸塩、尿素などで構成されていて、大気中の水分を角質層に送りこむと共に、乾燥する冬季には、角質層の水分を保持し、皮膚の湿潤性を保っために重要な役割を果たします。
真皮と水について
真皮では、コラーゲン(膠原繊維)、エラスチン(弾性繊維)などのタンパク質が結合して真皮の水分を保持しています。
このように、皮膚の潤いを保持する作用をモイスチャー効果という。
皮膚表面と水について
皮膚の表面には皮脂や汗などからなる皮脂膜があり、皮脂膜が皮膚表面を覆い皮膚から水分が失われるのを抑制しています。
皮脂膜が持つ「水分の蒸発を防ぎ潤いを保ち、皮膚を柔軟にする作用」をエモリエント効果といいます。
また、エモリエント作用をもつ成分を、保湿剤(エモリエント剤)といいます。
皮膚の潤いを保持する作用 = モイスチャー効果
皮膚を柔軟にする作用 = エモリエント効果
ただ、保湿、モイスチャー、エモリエントは同じ意味として使われることもあります。
皮膚と水に関する次の記述のうち、正しいものはどれか
(1)皮膚は角質層・真皮・皮下組織の3層構造である。
(2)角質層にはヒアルロンなどのムコ多糖類やコラーゲン、エラスチンなどのタンパク質が結合して角質層の水分を保持している
(3)真皮にはアミノ酸類やピロリドンカルポン酸、乳酸塩、尿素からなる自然保湿因子(NMF)とよばれる水分吸収物質があり水分を保持し、湿潤性を保っている
(4)皮膚の水分を補ったり水分の蒸発を防いで潤いを保持したりする作用をモイスチャー効果という
正解(4)
(1)…皮膚は表皮・真皮・皮下組織の3層構造である。
(2)…真皮にはヒアルロンなどのムコ多糖類やコラーゲン、エラスチンなどのタンパク質が結合して角質層の水分を保持している
(3)…角質層にはアミノ酸類やピロリドンカルポン酸, 乳酸塩, 尿素からなる自然保湿因子(NMF)とよばれる水分吸収物質があり水分を保持し、湿潤性を保っている
皮膚と水に関する次の記述のうち、正しいものはどれか
(1)皮膚の表面には皮脂や汗などからなる角質層があり、水分の蒸発を防いでいる。
(2)水分の蒸発を防ぎ、潤いを保ち皮膚を柔軟にする作用をエモリエント効果という。
(3)エモリエント効果は、アミノ酸類や乳酸、尿素からなる自然保湿因子が担っている。
(4)保湿、モイスチャー、エモリエントは全く違う作用である。
正解(2)
(1)…皮膚の表面には皮脂や汗などからなる皮脂膜があり、水分の蒸発を防いでいる。
(3)…モイスチャー効果は、アミノ酸類や乳酸、尿素からなる自然保湿因子が担っている。
(4)…保湿、モイスチャー、エモリエントは同じ意味として使われることもある
頭皮の健康な状態
頭部は、以下のような特徴があります。
- 顔面よりも汗や皮脂の分泌が多い
- 毛髪が密集していて手入れがしにくい
そのため、たまった汚れなどを放置しておくと、細菌の増殖が起こり、悪臭の原因となります。
常に清潔にし、頭皮を健康な状態に保っておくことが大切です。
頭皮の健康な状態とは?
以下のような頭皮が、健康な頭皮と言えます。
- 皮脂や汗などの正常な分泌が行われている
- 血液の循環がスムーズ
- 青白い色をしている(赤やピンクは健康じゃないので注意!)
- 頭皮表面の新陳代謝が円滑
- 絶えず清潔に保たれている
- きめ細かく、適度な弾力がある
- 突っ張ったり、逆にブヨブヨしたりしていない
頭部に関する次の記述のうち, 正しいものの組合せはどれか
a 顔面より汗や皮脂の分泌量が多い
b 健康な頭皮の色はピンク色である
c 毛が密集し手入れがしやすい
d 頭皮表面の新陳代謝が活発である
(1) aとb (2) bとc (3) cとd (4) aとd
正解(4)
b…健康な頭皮の色は青白い色をしている
c…毛髪が密集していて手入れがしにくい
毛髪の健康状態
毛髪は、以下のような特徴があります。
- 温度、光、摩擦といった物理的刺激に常にさらされている。
- 毛髪細胞(頭皮から露出している部分)はすでに死んでいるので、再生したり自己修復したりすることはない。
- 細胞の新生による修復は、毛根部のみに限定される。
そのため、日頃からケアを怠らず、毛髪を健康な状態に保っておくことが大切です。
毛髪の健康な状態とは?
以下のような毛髪が、健康な毛髪と言えます。
- 自然な光沢がある。
- しなやかで弾力性がある。
- 多孔質になったり、枝毛・裂毛になっていない。
- 滑らかで櫛の通りが良い。
毛小皮(キューティクル)のダメージの原因
毛小皮(キューティクル:毛の最も外側)が欠落していたり、皮脂膜(皮脂や汗などからなる)の分泌が正常でなかったりすると、毛髪は光沢や滑らかさを失います。
↓毛小皮(キューティクル)のダメージの原因は以下の通りです
【物理的要因】
- 温度、光、摩擦といった物理的要因によるキューティクルの欠落
【化学的要因】
- シャンプー剤の使いすぎによる脱脂
- パーマ剤や脱色剤・脱染剤、染毛剤といった作用の強い薬剤にさらされるなど
毛髪の構造はこちら↓
毛に関する次の記述のうち、正しいものはどれか
(1)内側から毛皮質(コルテックス)、毛髄質(メデュラ) 、毛小皮(キューティクル)の3層構造をしている。
(2)毛髪も細胞であり、切断するとそこから再生する。
(3)キューティクルは光や摩擦、シャンプーの使いすぎや刺激の強い薬剤(パーマや染色脱染剤、除毛剤)などで欠落する。
(4)欠落したキューティクルは再生により修復される
正解(3)
(1)…内側から、毛髄質(メデュラ) 、毛皮質(コルテックス)、毛小皮(キューティクル)の3層構造をしている。
(2)、(4)…毛髪細胞(頭皮から露出している部分)はすでに死んでいるので、再生したり自己修復したりすることはない
毛に関する次の記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
a.健康な毛髪は多孔質である。
b.毛先部での切断面が荒いと枝毛の原因となる。
c.キューティクルの欠落は製毛の原因となる。
d.健康な頭皮は血液の循環がスムーズでピンク色をしている
(1) aとb (2) bとc (3) cとd (4) aとd
正解(2)
a…健康な毛髪は、多孔質になったり、枝毛・裂毛になっていない。
d…健康な頭皮は、血液の循環がスムーズで、青白い色をしている
爪の特徴
爪は、以下のような特徴があります。
- 爪は、繊維の向きが異なる3層からなる。
- 3層いずれの層もケラチン繊維が立体的に結合してできている。
- 最表層は脂質が多く、爪からの水分の蒸散を防ぐ。
- 中間層は、水分に富んだ層で爪の水分を保持している。
- 最表層が不必要に削られたり脂質を奪われたりすると、爪の深いところにまでダメージを負う場合がある。
爪の構造はこちら↓
爪の性状についての次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a.継維の向きが違う2層構造からなる。
b.いずれの層もケラチンが立体的に結合している。
c.最表層は脂質に富んでおり、爪からの水分蒸発を防いでいる。
d.最表層が不必要に削られたり、脂質をうばわれたりしても、最表層の下にも層があるので深いところまでダメージを負うことはない。
(1) aとb (2) bとc (3) cとd (4) aとd
正解(2)
a…継維の向きが違う3層構造からなる。
d…最表層が不必要に削られたり脂質を奪われたりすると、爪の深いところにまでダメージを負う場合がある。
まぶたの特徴
まぶたは皮膚と眼結膜(結膜とは?)の境にある器官のことを指します。
まぶたは、皮膚と眼結膜の境にある器官で、結膜との境界付近にマイボーム腺という脂腺の開口部がある。
まぶたの脂腺について
マイボーム腺(マイボーム線について詳しく)は涙に油分をあたえ、乾燥を防いでいます。
そのため、マイボーム腺からの皮脂の供給が途絶えるとドライアイが発生することがあり、それを防ぐためにも、まつ毛のラインから結膜側には、アイライン等は使用すべきではありません。
また、まつ毛そのものにも脂腺が存在し、皮脂を分泌することで目の中に汗や雨、ほこりなどが入ることを防いでいます。
まぶたに関する次の記述のうち正しいものの組合せはどれか。
a.香粧品には、結膜や粘膜の使用が認められているものはない。
b.結膜と眼粘膜の境にある器官で、結膜との境付近の上下にマイボーム腺という皮脂の開口部を持ち、ここからの皮脂でドライアイを防いでいる。
c.まつ毛のライン側から結膜側にはアイラインを使用してはいけない。
d.まつ毛そのものには脂腺は存在しない。
(1) aとb (2) bとc
(3) cとd (4) aとd
正解(2)
a…香粧品は、コンタクトレンズ用あるいはオーラルケア用の医薬部外品を除き、結膜や粘膜への使用が認められていない。
d…まつ毛そのものにも脂腺が存在し、皮脂を分泌することで目の中に汗や雨、ほこりなどが入ることを防いでいる。
口唇の特徴
口唇は皮膚と口腔粘膜の境にある器官のことを指します。くちびるのことです。
↓口唇には以下のような特徴があります。
- 常に唾液にさらされて湿っているため汗腺や脂腺、NMF、メラノサイトの量が極めて少ない。
- 口唇の角質細胞はターンオーバー(細胞の新旧の入れかわり)の周期が短く、角質層が薄い。
口唇に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか、
(1)皮膚と口腔粘膜の境にある器官である。
(2)常に唾液にさらされて湿っているため、汗腺や皮脂腺、NMFやメラノサイトが極めて少ない。
(3)口唇の角質細胞はターンオーバーの周期が短く、角質層が薄い。
(4)粘膜に使うわけではないので、特別な香粧品ではなく、成分の配合も変わらない
正解(4)…口唇に使用される香粧品は、化粧品基準(平成20 12年9月厚生省告示第331口万)の「粘膜に使用されることがある化粧品」として規定されている。なので、「粘膜に使用されることのない化粧品」とは成分の配合制限が異なっている。
まぶた・口唇と香粧品
香粧品は、コンタクトレンズ用あるいはオーラルケア(口のケア)用の医薬部外品を除き、結膜や粘膜への使用が認められていません。
また、まぶたやまつ毛、口唇に使用する香粧品では、技術及び衛生の両面からの注意が必要です。
口唇に使用される香粧品は、化粧品基準の「粘膜に使用されることがある化粧品」として規定されていて、「粘膜に使用されることのない化粧品」とは成分の配合制限についての決まりが違います。
香粧品の成り立ち
1種類の化学物質(=純物質)でできている香粧品は少なく、多くは、香粧品を成り立たせるために、何種類もの化学物質が使用されています。
配合成分とは?
香粧品を構成する成分のことです。
剤形とは?
香粧品の外観上の形態(見た目のかたち)のことです。
剤形には、粉末状・液状・クリーム状・スティック状など、さまざまなものがあります。
基剤成分とは?
配合成分の中の剤形を作るための成分(1つの成分の場合も、複数の成分の場合もある。)のことです。
基剤とは?
基剤成分からできた形態(かたち・もの)のことです。
基剤は形態を作るだけでなく、エタノール水溶液など基剤そのものが香粧品の主な使用目的のために配合されるものもあります。
基剤は水、油分、界面活性剤、粉体を使用して作られてきましたが、近年ではこれに高分子化合物も加わるようになっています。
調合、処方設計
基剤に使用目的を発揮する成分や、イメージを高めるための香りや色をつけたりする成分、品質保持を目的とした成分を厳選し、配合量を決定する作業のことを調合または処方設計と言います。
剤形と処方に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか
(1)剤形とは香粧品の外観上の形態をいい、使用目的や使用方法によって様々な剤形がある。
(2)香粧品を構成する成分を基剤という。
(3)基剤は形態を作るだけでなく,基剤そのものが香粧品の主たる使用目的のために配合されているものもある。
(4)香粧品を作るとき基剤に様々な成分が加えられており,このような成分を厳選し,配合量を決める作業を処方設計または調合いう
正解(2)…香粧品を構成する成分を配合成分という。